2019年08月25日

FIRE EMBLEM 百花繚乱 その4

 第二部に入り、各キャラの支援レベルも上がってきた。
 支援レベルとは、キャラクター同士の絆を示すパラメーター。これが向上すると、戦闘中にそのキャラを近くに置くことで付加価値が発生する。また、恋愛ゲームにおける好感度のような役目もあり、主人公とのスペシャルエンディングに関わるほか、仲間同士でカップリングが発生したりもする。支援レベルが上がるたびに、支援会話と呼ばれるミニストーリーが挟まり、キャラの掛け合いを楽しむことができる。
 このシリーズのプレイヤーにとっては、ただ最後の敵に勝つのではなく、贔屓のキャラクターとスペシャルエンディングを迎えるというのが重大な目標となる。

 「風花雪月」は、この支援会話が素晴らしい。
 そもそもボリュームがある。過去のどのファイアーエムブレムよりも長いと思う。
 そして、内容が良い。今まで通りの他愛のないやり取りももちろんあるが、キャラの背景を掘り下げたドラマ性の高い話がいくつもある。世界観の謎に迫る内容もかなり含まれていたのは予想外。支援会話など本編と関係なかろう、とたかをくくっていると痛い目に合う。色々なキャラで支援レベルを上げ、多角的に謎が解き明かされていくのはとても面白い。
 さて、「風花雪月」では、条件を満たせば他クラスの生徒を編入させることができる。私は金鹿クラスでプレイしており、黒鷲からドロテア、青獅子からフェリクスをスカウトできた。すると、驚いたことに彼らにも支援会話があったのである。主人公である先生は、どのクラスでもプレイできる立場なので、全生徒と支援があって当然。ところが、編入した彼らと金鹿の生徒の間にも支援会話が発生した。それどころか、ドロテアとフェリクスという組み合わせまであるではないか。何通りの支援会話が作られているのか、恐ろしい作りこみである。めったに見られない組み合わせもあるんだろうなあ。

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 なお、フレンとラファエルの支援会話は全く内容がない(笑) でもかわいいので許しちゃう。(画像はクリックで拡大)
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2019年08月23日

グリーンブック

 ちゃんと面白い。何よりもそのことを評価したい映画です。

 1960年代の南部アメリカを舞台に、根強く残る人種差別を描いた作品。しかもアカデミー賞作品賞となれば、まじめに観ないと、と余計なプレッシャーを感じてしまうのも無理はありますまい。
 しかし実際は、軽快で観やすい内容。主人公のトニーは、無学で乱暴なイタリア系白人。クラブの用心棒をしていましたが、クラブが改装となった休業中に、運転手の仕事を頼まれます。依頼主のドナルドは、黒人ながら世界的なピアニスト。ここでは、白人の方が庶民で使用人、黒人の方が教養ある富豪、と立場が逆転しています。トニーは普段見下していた黒人とは勝手の違う相手に四苦八苦。そのちぐはぐさが笑いを生んでいます。フライドチキンのシーンやピザの食べ方が印象に残るあたりも、娯楽性の高い絵作りと言えますね。
 二人は南部への演奏旅行で、北部では表立っていなかった差別的な慣習に触れ、徐々に同志となっていきます。トニー自身がもともと差別意識を持っており、決して正しい奴ではありません。そのことで、説教臭くなく差別の非道さが伝わってきます。この雰囲気は、「最強のふたり」とちょっと似ています。
 声高にテーマを訴えず、個人的で心温まる結末に導いていく、品のいいエンターテイメントとなっていました。下品この上ない「メリーに首ったけ」と同じ監督とは思えませんね! お見事です。

面白さ 7
説得力 8
後味 9
個人的総合 8
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2019年08月22日

FIRE EMBLEM 疾風怒濤 その3

 システムをだいぶ理解したので、ようやくキャラの育成が軌道に乗り始めた。上級職や最上級職で何にクラスチェンジするかを考え、そのために必要なステータスを集中的にアップさせていく。徐々に自分好みのチームが出来上がっていくのが、このシリーズの醍醐味である。

 さて、生徒たちだけではなく、主人公である先生を育てることを忘れてはいけない。ここまでで剣の達人という感じになったが、上級職はどうしよう。このままだと〈ソードマスター〉になるが、いかにも主人公らしい〈勇者〉も捨てがたい。迷った挙句、斧を鍛えて〈勇者〉を目指す方針とした。
 ところが、一部の後半からはストーリーが怒涛の展開。面白くてやめ時が見つからぬまま進めていると、

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勝手に〈ニルヴァーナ〉にクラスチェンジ。なんだ、主人公専用職あるのかよ。迷ったのに無駄になってしまった。剣も魔法もという便利な職だが、見た目が聖職者みたいで、ちょっと気に入らないなあ。

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2019年08月16日

天気の子

 音と映像が心地いいので騙されますが、ちょっとこれは乗れませんでした。

 まず冒頭、陽菜が登場するやいなや、雲の向こうへぶっ飛びます。ファンタジー性の強い話なのだな、という第一印象です。
 ところが一方、帆高は歌舞伎町で地べたを這うようなホームレス同然の暮らし。意図的な対比なのは明白ですが、バニラトラックをはじめとした実在ブランドの露出により、リアルが勝ちすぎてバランスがおかしくなっています。
 おかしいと言えば、構成もそう。彗星が落ちる瞬間に向かって、緻密に組み立てられていた「君の名は。」と異なり、こちらは何かと行き当たりばったりです。帆高が子供だからしょうがないんですが、主人公の意志に任せたらストーリーが散らかってしまったという感じです。大人として状況を俯瞰せず、帆高に目線を合わせられるかどうかが、このストーリーに乗れるかどうかの分かれ目と言えます。

注:以下は結末に触れています

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2019年08月14日

FIRE EMBLEM 猿猴取月 その2

 教員の仕事が多すぎる! そんなことが話題になり、部活の時間などが見直されはじめたのはいつからだったか。私は声を大にして言いたい。「風花雪月」の先生も忙しすぎる!

 そもそも「ファイアーエムブレム」シリーズは、戦場がメインのゲーム。ストーリーパートや準備パートがあるといっても、そんなに時間をとられるものではなかった。
 ところが、「風花雪月」は違う。修道院での日常に、大幅にボリュームが割かれているのだ。常時開催のものだけでも、釣りに栽培、武術大会に教員研修、お悩み相談に合唱に会食に茶会などがある。それらに加えてお使い系のクエストや、ミニシナリオが多数オープン。行動力による若干の制限があるとはいえ、どれから手を付けてよいか困るほどの量である。面倒ならスキップして進んでも良いのだが、何をやってもチームの強化につながる仕組みが憎たらしく、性格的にどうしてもさぼれない。ファンタジー世界なのに、超過勤務の教師の出来上がりである。
 もっとも大変な仕事は落し物を届けること。ここの学生はカバンに穴でも開いているのか、色々なものを落とす。ヒントをもとに持ち主を探すのは非常に面倒だ。しかし、見事に持ち主を当てたときは、キャラクターがちょっとわかった感じがして嬉しい。能動的にキャラを覚えさせるとは、うまい仕組みだな。他のクラスの学生の落し物だと、さっぱりわからないというあたりも、妙にリアルで困る。

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 画面は、授業中のリシテアのかわいらしい相談。(クリックで拡大)
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2019年08月13日

旅猫リポート

 いつも映画のテレビ放送に興味を示さない母が、かじりついて見てた。
 実は私も、映画館で予告となるチラシを手にした瞬間から興味津々だった。物語に惹かれたのではない。主演のネコのたたずまいが、家に遊びに来るお馴染みのネコにそっくりだったのである。
 映像で動いているのを観ると、その感覚はますます強くなった。「世界ネコ歩き」をはじめ、ネコ番組はけっこう観ているのに、こんなに親近感のわくネコは初めてだ。

 病気で余命を宣告されたサトルが、飼い猫のナナをあずけるために、各地の旧友を訪ねるというストーリー。それぞれの旧友とのエピソードが連作の短編のようになっており、サトルの過去についてもじょじょに明かされていく。有川浩の原作らしいか進め方だと思った。
 さて、この映画では、ペットたちは人語を解しており、吹き替えによってしゃべるという演出になっている。同じような設定の物語はたくさんあるのに、なんだか違和感があった。動物の行動に作られた感じがないのに、それに作られた声が乗るせいだろうか。ナナ役の高畑充希のセリフがハッキリし過ぎているからだろうか。一部の場面で鳴き声や吠え声にセリフが重なっているせいだろうか。理由はよくわからない。

 サトルとナナだけの場面が多いので、画面をもたせるのにはかなりの実力を要する。ナナの演技が素晴らしいのに、サトル役の福士蒼汰が完全に負けているのはご愛敬。

人演技力 5
ネコ演技力 10
予定調和度 8
個人的総合 5
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2019年08月04日

FIRE EMBLEM 落花流水 その1

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 ひでえ店もあったもんだ、ぜんぜん合ってねえ。

 「ファイアーエムブレム 風花雪月」をプレイ開始。このシリーズは、しばらく3DSなどで展開しており、テレビにうつして大画面で遊べるのは久しぶり。超豪華オープニングアニメや、謎の少女との出会いなど、いつも以上にストーリーが気になる始まり方となった。
 さて、主人公は大修道院に教師として雇われることになり、3つあるクラスから一つを選ばねばならない。さあ大変だ。味方キャラもその後の物語も変わってくるぞ。このシリーズのプレイ時間の長さは身に染みているので、おそらく一周しかプレイできまい。こりゃ迷う。

 結果、金鹿に決定
 どのクラスにも、すらっとした美男美女がそろう中、一人だけごついマッチョがいたのである。これはピンときたね。育てたらきっと強力な壁役になるに違いない。歴代ファイアーエムブレムでジェネラルを愛用してきた俺としては、このラファエル君のいるクラスを選ぶしかない。こんなもの好きはそうそういないだろう、と思ったのだが、吉田輝和も同じだったとは、なんだか悔しい。
posted by Dr.K at 23:53| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年08月02日

「DAYS GONE」終末ツーリング日誌 その5

 ついに終わったものの、どういうわけかエンドロールの処理落ちがひどい。暗転したまま待たされること数回、PS4がいつ落ちるか、気が気じゃなくて余韻に浸れなかった。以下は、ここまでを共にした仲間たちの思い出。

●サラ
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 このゲームは、サラとの別れから始まる。恋人ではなく、ちゃんと結婚した妻がヒロインというのは、日本ではなかなかない。ディーコンは彼女を一途に想い続け、ついに生存していることを突き止める。ところが、再会したところでエンディング、では全くなく、ストーリーがまだまだ続くので驚いた。そのせいで、ヒロイン感が薄れてしまっていることは否めない。

●リッキー
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 荒廃した世界を共に生きてきた、かつての仲間。いかれた連中が大多数という中で、常識的な対応をしてくれる人物は、それだけで好感度高い。ディーコンに好意を持っているようで、サラとは再会できずこっちとくっつくストーリーになるのかと思ったこともあった。実際には、アディーとレズの関係にあるので、そんなことになりようがないが。

●ブーザー
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 というわけで、彼がこのゲームのヒロインであると決定した。ストーリー開始早々、大怪我をして世話をしなければならない。ヒロインである。中盤では生きがいをなくして心を病んだりする。ヒロインである。犬を愛でる姿がかわいい。ヒロインである。遠くに行っても通信で話してくれる。ヒロインである。そしていざという時には命を賭してくれる。このときのディーコンの姿を見るがよい。まさにヒロインに対する態度である。

 なお、エンドロール後に追加されるエピソードは、いずれも味のあるものばかり。ぜひ見ておくことをお勧めする。
 最後に一つ注文。ディーコンは、いつもゾンビの大群と一人で戦う。これはおそらく技術的な問題と思われる。次回作があったら、何人かの仲間と共闘して大群をやっつける場面が欲しい。そうすればますます洋画やドラマのようになるだろう。
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2019年07月31日

岩明均「ヒストリエ」11巻

historie11.jpg 実に2年ぶりの新刊である。
 室井大資に作画を任せた「レイリ」は、テンポよく6巻にわたる物語を完結させたというのに、一人で描いてる「ヒストリエ」の方はこのペース。全然終わりそうにないが、ここまで来たらつきあうしかない。

 何しろ2年ぶりなので、直前の物語を覚えているかどうかが疑わしかったのだが、この巻では、パウサニアスという新キャラが話の中心となっており、大丈夫だった。エウメネスとどう関わってくるのか楽しみだが、それがわかるのは少なくとも2年後になる。鍵を握るのはオリュンピアスだと思われるが、このお妃がまたなかなかの人物で、今後も暗躍しそうなのだが、それがわかるのも2年後。たまらん。
 他で味わえない面白さをキープしているのは認めるが、なんとか休載を減らしていただけないものだろうか。
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2019年07月30日

バジュランギおじさんと、小さな迷子

 館長の今年一番のお勧め、とのことで観てきたが、確かにすごかった!

 物語はパキスタンの山奥から始まる。幼いシャーヒダーは、遊んでいて斜面を転げ、崖から落ちてしまう。え、そんな乱暴な理由で迷子になるの? と一瞬驚くがこれはフェイント。実際には、インドへ願掛けの旅行に行き、母とはぐれてしまうことになる。
 迷子のシャーヒダーは、祭りの中でバジュランギと出会う。主人公の初登場となるこのシーンは、インド映画らしい大群舞。堂々たる歌と踊りに、どれだけの大人物なのかと思うが、実はただの人だ(笑) そもそもこの歌は、伝統的な祭りの歌でも何でもなく、バジュランギが自己紹介をし、自撮りをしよう、と呼びかけるだけのしょうもない内容。振り付けに自撮りが組み込まれており、伝統と新しいものとがごたまぜになっている。
 バジュランギは彼女がどこの子か突き止めようとするが、彼女が口もきけず、字も読めないために手掛かりが得られない。表情とジェスチャーだけで語る彼女の愛らしさは、そりゃ助けたくなるよなあ、と物語の動機に強い説得力を与えている。
 バジュランギは馬鹿正直な人物で、そのせいでコメディシーンになるかと思えば、突然ヒーローになり、観客を感動させもする。幼い迷子を親にとどける物語なんて、日本だったら単館系の文芸作品にしかなるまい。ところがこれは、彼一人の行動が国家の歴史的な対立関係を変化させていく。そんな展開に現実味がないと言われればそれまでだが、娯楽というのは本来、そうした大きな理想を語るべきものだったのではないか。

 インドでの映画は、娯楽の王様。長い上映時間の中で、笑いも涙もアクションもすべてを飲み込んで一つの物語を成立させる。それを証明する一本として、これほどふさわしいものはないだろう。

主役の若々しさ 10
娘役の演技力 10
スケールの大きさ 9
個人的総合 9
posted by Dr.K at 23:09| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする