2019年04月20日

モンキー・パンチ氏を悼んで

 モンキー・パンチが亡くなった。享年81歳。tsujilupin.jpg

 「ルパン三世」の作者として知られるが、不思議なことにマンガがそれほど読まれているとは思えない。この点では、「サザエさん」の長谷川町子に通じるものがある。私も、「ルパン」のアニメはよく観たが、マンガは読んだことがない。辻真先による「小説ルパン三世」を読んでいるのはちょっと自慢できるかもしれない。
 先日の「金曜ロードSHOW」では、追悼番組として「ルパンVS複製人間」が放映された。ベストなチョイスだと思う。「カリオストロの城」では、宮崎駿のイメージにしかならない。

 以下は、このブログでのモンキー・パンチ関連記事。イタリアを舞台にした「ルパン三世Part4」は、かなり気に入って視聴していたのに、全く記事に書いていなかったとは不覚である。

 追悼放送を観たが、一つ一つの場面がアート的にこだわっていて、現在の手慣れたアニメにはない味がある。傑作だ。

 こんなものが作られても文句ひとつ言わない原作者は稀。

 最近の作画崩壊は基準が高すぎる。こいつを見よ。

 ジブリ亡き後は、ヴァニラ飯を推したい。

 この盛り上がりにリアルタイムに参加できたのは幸運だった。


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2019年04月13日

心ガ叫ビタガッテルンダ 「NieR Automata」その2

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 Aエンド到達。わざわざ「ここでやめないように」とお知らせが出るのは親切だが、「ニーア レプリカント」や「ドラッグ オン ドラグーン 3」をプレイした身としては、分かりきったことである。

 序盤はかなり手ごわいゲームだ。敵の攻撃を受けまくり、回復アイテムがどんどん減っていく。団地のボス戦で、ロックオンと回避が鍵だと気づき、以降はだいぶまともに立ち回れるようになった。回避重視のアクション設計は、いかにもプラチナゲームズらしい。プレイヤーの武器ごとの攻撃モーションの豊かさも「ベヨネッタ」譲りだ。
 その後、ネットを通じて送られてくる他のプレイヤーの義体を拾いまくって、強いチップを身に着けたので、難度は劇的に下がっていった。先にプレイした方々に感謝感謝である。

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 一方ストーリーはというと、一周目から嫌な予感しかしない。2Bらヨルハ部隊は、人類が地球を取り戻すために送り込んだ戦闘アンドロイド。対するはエイリアン配下の機械生命体たちだ。アンドロイドたちは美男美女の麗しい外見だが、長い戦いに飽きて、裏切るやら脱走するやら狂うやら、退廃的なエピソードが展開する。一方機械たちは、ブリキのおもちゃのような不格好な外見だが、人間のような感情・行動を身に着け始めている。パスカルの村など、初見は極めて不気味だ。これ絶対後で裏切るぞ、と思っていたのだが今のところそういう展開はない。
 善悪が反転する瞬間が、やがて訪れるのだろうか。
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2019年04月08日

レゴムービー2

 充分面白いのに、あまりに不遇で泣けてくる。
 映画館に行ったら観客がたった2人。田舎じゃないぞ、大阪駅の映画館だ。平日の朝イチとはいえ、これはひどすぎる。

 5年前の「レゴムービー」は、全世界のレゴファンを泣かせた大ヒット映画だが、日本では「アナと雪の女王」と公開が重なって不発。一度ケチがついた後の「2」はますます苦しい。
 まず知名度がない。CMなどの宣伝が少なく、ゴールデンタイムに旧作が放送される機会さえなかった。
 次に、途中参加お断りの内容。5年ぶりなのに、前作のオチと話がダイレクトにつながっており、仲間キャラクターの紹介もなし! 海外では大ヒットだったのでこれで良いが、日本では前作を観た人が少ないので致命的。
 見た目に反した大人向けの小ネタも前作譲りで、グリーンランタンやアクアマンなどの最近の題材はともかく、ダイ・ハードやバック・トゥ・ザ・フューチャーまでもがさらっと出てくるので、お子様はおいてけぼりになる。
 そして、エンドロールで確信したのだが、この映画は3Dでの鑑賞を前提に作られている。飛び出したらさぞ楽しかろう、という演出が多いのだ。しかし、日本では不人気なので3D上映は一館もない! 字幕版の上映もほとんどないので、原語での声優いじりが生きてこない。

 女王の自在な変形などレゴらしい動きはパワーアップしているし、物語の舞台は宇宙へ飛び出して広大になっているし、前作で観客を驚かせた現実世界とのリンクもきちんとその先を描いているしで、続編としては及第点以上の出来。DVDが出たときに、映画館で観ればよかった、と後悔する人が続出するところまで前作を踏襲しなくていいじゃないか。公開終了までに劇場へ。一見の価値はある

映像のこだわり 8
歌のこだわり 8
英語版声優のこだわり 8
個人的総合 7
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2019年04月07日

「どろろ」第十一・十二話 ばんもんの巻

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 家族との再会、そして百鬼丸と多宝丸の対決。前半の締めくくりにふさわしい濃縮された物語だったが、結果、九尾が止めを刺されたのかはっきりせず、百鬼丸の体も戻っていない。次回で何か説明があるのだろうか。

 さて、このアニメでは、多宝丸が深く掘り下げられている。ただの恵まれた子ではなく、領主の子としての自覚と正義感があることがわかる。百鬼丸の真実を知った彼が、兄を討つと決めたその覚悟は非常に重い。原作で、兄と知らずに百鬼丸と戦ってあっさり死んだ多宝丸とは大違いだ。一命をとりとめた多宝丸は、映画の「どろろ」のように、景光亡き後の領主となるのかもしれない。
 原作ではシンプルに悪だった景光も、領主としての冷酷な覚悟を感じさせる、一理ある人物になっている。母親が自殺するのも原作にない展開である。さらに、原作では殺された助六と母が、無事に再会したという改変。再会した家族から拒絶される、百鬼丸の孤独がより鮮明に浮かび上がる仕組みだ。
 このままでは暗黒面に落ちてしまいそうだが、それを助けるのがどろろということなのだろう。50年前のアニメと違って、視聴率が悪いからと急にコメディにするようなことはないはず。どんな後半を迎えるのか、とても楽しみだ。
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2019年04月06日

心ガ叫ビタガッテルンダ 「NieR Automata」その1

 「ニーア オートマタ」をようやく手に入れた。DLC等がセットになった「Game of the YoRHa Edition」だが、本編に特に違いはないらしい。

 前作と呼んでいいのだろうか、「ニーア レプリカント」は、ファンタジー風の剣と魔法の世界を舞台に、一人の少年の冒険を描いていた。(←プレイした人から総ツッコミを食らいそうな概略) 一方、「ニーア オートマタ」は、廃墟と化した未来の地球で、戦闘用のアンドロイドが主人公となる。つまり何もかもが前作と異なるわけだが、冒頭のエピソードをプレイしただけでばっちりNieR感が出ていて面白い。
 ではNieRらしさとは何か。それは、プレイヤーの予想を裏切りまくるひねくれた展開だ。さあ、アクションゲームをやるぞ、とスタートしたらいきなりシューティングが始まるオープニング。序盤からピンチに次ぐピンチ。そして何より、プレイヤーを戸惑わせる視点の変化。

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通常時はよくある三人称視点。2Bの後ろ姿が美しい。

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ところが、場所によってはサイドビューに変わる。キャラも小さくなって昔のゲームみたいだ。

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そうかと思うといきなりトップビューになる。2Bと9Sの見分けがつかない!

 前作でも同じことをやってはいるのだが、「ニーア オートマタ」では、よりシームレスに視点変更を実現しており、技術的な進歩が感じられる。これは期待できそうだ。
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2019年04月01日

「レベル41! 乃々を探せ!」の研究レポート

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 待ってましたのデレステ恒例、エイプリルフール企画。今年は乃々を主役とした内容。
 絵本の世界を舞台にした寸劇を楽しみつつ、合間にマインスイーパーのようなゲームをプレイする。正攻法で解こうとすると苦しいが、各キャラのスキルを活用するとだいぶ簡単になる。すべてのステージをクリアすると乃々が見つかるという塩梅。

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 クリアすると見られるスペシャルMVが興味深い。書き割りの背景と、3Dのキャラという組み合わせなのだが、いつもの音ゲーとはモーションがかなり異なる。躍らせるのではなく、舞台劇よろしく演技をさせているのだ。
 今後は、曲によっては物語性に富んだMVが作られる可能性がある。楽しみだ。
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2019年03月31日

GCC2019:感情から逆算するゲームデザイン

 先日は、GCC(ゲーム・クリエイターズ・カンファレンス)に行ってきました。大阪で年一回開かれている、ゲーム開発の勉強会です。

 今年のお目当ては、カプコンによる講演で、最新作「デビルメイクライ5」の事例を通じて、感情から逆算するゲームデザイン作法を解説するというものです。
 内容は、サンフランシスコで開催されたGDCと同じ。ただしこちらは日本語版で完全版です。アメリカまで行く手間が省けたじゃねえか、ありがてえありがてえ。


 さて、講演の内容はリンクを見ていただくこととして、以下は感想です。
 ゲーム開発というと、どうしてもCGやらプログラムやら、技術的なトピックが前に出がちです。それは専門学校の学生でも同じで、技術のみを学んだ結果、一応ゲームの形を成してはいるが、何も伝わってこない作品が珍しくありません。原因は簡単、そもそも伝えたいことがないのです。
 「感情から逆算するゲームデザイン」は、まずユーザーに伝えたい感情が先にあり、そのためにゲームをどう作るか、という方法論でした。「デビルメイクライ5」のような、大企業の洗練されたプロダクトに見えるものが、昔ながらの泥臭い思考実験の果てに作られたと知るのは、なんとも愉快。これはぜひとも学生に伝えねばなりますまい。

 愉快といえば、ディレクターの伊津野氏は、本当に面白く話しますね。「面白くない企画マンは生き残れない」というカプコンの伝統は、25年経っても変わらないようです。プロデューサーのマシュー・ウォーカー氏に至ってはアメリカ人なのにすっかり芸人化しており、ジョークを飛ばすわ観客をいじるわでやりたい放題です。
 未プレイのため、壮大なネタバレを食らってしまいましたが、「デビルメイクライ5」、今度プレイしてみようと思います。
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2019年03月27日

宇宙イカ革命「Splatoon2」 その20

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 騎士vs魔法使いのフェスは、インクの色がなかなかよろしい。

 さて、先日のフェスは、タコシリーズのamiiboと連動しており、該当者は特別な外見でフェスに参加することができた。ところが、プレイした感じ、騎士や魔法使いはほとんど見かけなかった。amiiboを買った人が少なかったのか、あるいはamiiboの発売から日が経っているのでこのフェスへの参加者が少なかったのか、原因は定かでないが、盛り上がらないのは残念に思う。

 先月から、Switchのゲームニュースコーナーで、「週刊ギアパワー豆知識」の配信が始まった。ただの読み物ではなく、ギアパワーのかけらがもらえるので、スロットに望んだギアパワーがそろわないプレイヤーには朗報である。しかし、これは一種のログインボーナスであり、スマホゲームでもないのに週刊的いや違った習慣的なプレイを強要されるのは嫌で、これまた残念に思う。
posted by Dr.K at 23:26| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月24日

スパイダーマン: スパイダーバース

 アカデミー賞長編アニメ部門受賞作。まあ、「未来のミライ」が獲るとは思ってなかったけど、ディズニーを押しのけるほどとは、どんなもんかと思い、観に行った。納得である。CGアニメにはまだ表現の開拓の余地があったのだなあ、と感心。でも悔しいので以下は文句ばかり書く

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2019年03月23日

「どろろ」第九話 無残帳の巻

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 声が戻ったものの、片言でしかしゃべれない百鬼丸。おそらく、どろろの言葉を聞いて、だんだん話せるようになっている。そのことをどろろスピードラーニングと名付けた奴、やめなさい(笑)

 オリジナルエピソードをいくつか挟み、待ってました、第九話はどろろの生い立ちを語る「無残帳」。キャラクターデザインは原作から大幅変更、火袋もイタチもリファインされてやたらかっこいい。
 しかしながら内容は原作に非常に忠実。「火袋がずた袋になっちまった」「槍ってものはこう使うんだ」「曼殊沙華はどうして血の色をしているんだろう」など、印象的なセリフもそのままに、名場面が展開する。母がおかゆを素手に盛る場面は、ジョジョの「スティールボールラン」を思い出した人も多いようだが、原点はこちらだ。
 今回のアニメでは、どろろが熱で倒れたことにより、この回想場面に入った。そのため、原作にあった雄大な場面転換のビジュアルが使われなかったのだが、代わりにオープニングの一部になっている。空を覆う馬が野盗の襲撃場面につながる見事なコマ運びを、ぜひ動く絵で見たかったのだが。
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posted by Dr.K at 14:07| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする