少年は、最初から英雄なのではない。なればこそ、そこには導く者の存在が不可欠である。アナキン・スカイウォーカーにはオビ・ワンという師が必要だった。ドラクエの主人公は、父の背を見て育った。ニアはLの後を追い始めたところだ。ファイアーエムブレムシリーズの序盤ステージには、なぜ必ずジジイのパラディンが付いているのか、もはや説明の必要はないだろう。
グランディア3もまた、少年の成長を描く物語だ。しかし、このストーリーの序盤は相当変わっている。パーティーを引っ張るのが、何と、主人公の母だ。剣技にも魔法にも長け、若々しく姉ぐらいにしか見えない、ゲーム史上最強の母だ。ゲームは至って普通だが、母と息子とヒロイン、というパーティーはどう見ても奇異だ。何より、母に連れられて旅立つ主人公、というのはいかにもショボい。グランディア1で、主人公が母の元から旅立つ感動のシーンを経験しているからこそ、なおさらそう思う。
もっとも、まだストーリーは始まったばかりなので、これから色々あるのだとは思うが… 一人で旅立ち、姿を消した友人の方がカッコイイ、という展開はどうなんだろねぇ。