竹熊健太郎先生の、多摩美での講義が再開され、その様子が
たけくまメモで記事になっています。
昨日は大失敗 面白いのは、そのコメント欄。読者から講師業について質問が出て、長谷邦夫さん
(赤塚不二夫のアシスタントをされてた方ですね。著書も多数)がその実態をぶっちゃけてます。
確かに、非常勤講師って、外からは知られていない部分がありますよね。学生さんにとっては、専任だろうが非常勤だろうが「先生」であることに変わりはないですから。
私のように、非常勤のクセに毎日働いてそれで喰っていくのは、ハッキリいうと
邪道であるわけです。もともと非常勤というのは、何か他に本業があるプロを先生として招くための制度ですから、正社員とは遠く隔たった契約実態となるわけです。
●非常勤講師は時給のバイトである たけくまメモでも触れられていますが、このことが意外に知られていない。その身分は契約社員以下であり、カードの審査も通りません。
時給のレートはさすがに高いのですが、きっちり授業時間分のみの収入ですから、夏休み、春休みなど無給の期間ができます。一年働いて
8か月分くらいの収入でしょうか。
●時間外の仕事がたくさんある そして、授業をするには準備が必要です。講義の内容を決め、資料を準備し、実習であれば課題の下調べをする。授業が済めば、提出物のチェック。試験ともなれば採点や成績判定。
これらはすべて授業時間外の仕事となりますが、
追加の支払いはありません。契約書にきっちり「授業の準備、試験の採点など、付帯する業務に給料は支払われない」と書いてあります。
●研究費は出ない 例えば、大学の教授などであれば、研究もまた本業ですから、資料や実験に費用が出ます。しかしながら、専門学校のしがない非常勤には、
本やソフトを買う費用もめったに出ません。担当する科目のソフトを自腹で買い、赤字になっている先生もいるハズです。
●簡単にクビになる 講師契約は1年ごとの更新ですが、「その科目が廃止された」「別の先生を雇った」などの理由で、
ある日突然仕事がなくなるということが日常茶飯事です。長く働き続けたければ、
専門外の科目も担当する覚悟が必要です。
もちろん、いいところもあるからこそこの仕事を続けているわけですが、記事が長くなったので、それについてはまた別の機会に。