2006年02月10日

どろろ その2

 2004年秋、PS2版「どろろ」が発売された。発売元はセガ、ゲームジャンルはややRPG寄りのアクションである。

 手塚作品のゲーム化と言えば、昨年紹介した「アストロボーイ鉄腕アトム アトムハートの秘密」など、これまでにいくつもあるが、この「どろろ」ほど野心が感じられ、大作感のあるタイトルは他にない。

 発売の遙か前からプロモーションが行われ、スタッフも豪華。
 キャラクターデザインは、「無限の住人」でとんでもない侍像を次々に創出している沙村広明。魔神のデザインは平成ガメラなどで活躍した前田真宏。背景美術に雨宮慶太をそれぞれ起用。賛否はあったが、原作を生まれ変わらせようと言う意欲は大いに伝わった。

0uvkv67x  そして何より、手塚ファンを動揺させたのがその予約特典。〈その1〉で紹介した幻の「冒険王版」の、冒頭部分を復刻してつけるというのだ! これまで、古本屋でそろえようとすれば何万円かかるか分からなかったビンテージアイテム。これほど有意義な特典がかつてあっただろうか?
 実際、PS2も持っていないのに特典目当てで買った、というファンの報告をネット上で数件目撃した。なんとも罪深い特典である。
 とはいえ、ありがたいことにゲームもそこそこ良い出来なので、続いてその内容に触れていくことにしよう。

続く
posted by Dr.K at 08:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月09日

どろろ その1

 本日は手塚忌である。
 今年は「どろろ」を採り上げよう。来年、妻夫木聡・柴咲コウの配役で映画化が予定されており、全国のファンに心配されているあの作品だ。

 時は戦国時代。武将、醍醐景光は、地獄堂で48の魔物と契約を交わす。それは、生まれてくる息子の身体とひきかえに、天下取りを約束する、というものだった。契約の通り、景光の息子は身体の48箇所を欠いて生まれ、川へ捨てられてしまうのである。
 医者に拾われ、育った息子は百鬼丸と名付けられ、失った身体を取り戻すための旅に出る…

 次々に現れる敵を倒して進む、少年マンガ的な展開をふまえてはいたが、その目的は世界の平和でも囚われの恋人でもなく自分を取り戻すこと。1967年の作品だが、そのプロットはいささかも古びず、後に「MADARA」や「ベルセルク」に受け継がれていった。

Gchgb2u0  「どろろ」は、手塚作品の中では準メジャー級。ファンからの評価も高いのだが、不遇の名作としても有名だ。
 1967年に「週刊少年サンデー」で連載開始されるも、翌年には打ち切られてしまう。69年にはアニメ版(白黒)が作られたが、近年の放送コードの関係上二度と再放送されず、長く〈幻のアニメ〉として冷遇され続けた代物。このアニメとのタイアップを企図して同年、「冒険王」で連載が再開された。
 このとき、「冒険王」から読み始める読者のために、物語は冒頭から語り直されたのだが、なんと、重要な設定が変更になっている。素直に以前のまま描いていればいいものを、さすが手塚治虫!おれたちに想像できない事を平然とやってのけるッ そこにシビれる!あこがれるゥ!
 サンデー版になかったその設定とは、旅の相棒であるどろろが、百鬼丸から奪われた身体の48箇所で作られているということだ。つまり、どろろを殺せば、いちいち48の魔物を捜して倒す必要はない。そのことで百鬼丸の苦悩はさらに深まったのである。

 現在出版されている「どろろ」は、サンデー版の設定をベースに冒険王版の続き部分をつなげたもので、この設定はなかったことになっている。冒険王版の新設定は、長い間、知る人ぞ知る幻の逸品だったのだ。

続く
posted by Dr.K at 12:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月08日

なつかしさあふれる傑作「奇跡の地球」その1

 昨日は、毎年恒例の学生作品展示会でした。
「先生が出てるゲームがありましたよ!」
「うむ、そうか」
「あそこはどうやってクリアするんですか」
「作者に聞け」

Scibgqfh  そんなわけで、世界一のトレジャーハンターである私めが、「奇跡の地球(ほし)」をクリアいたしました。会場で制作チームの面々に会えませんでしたので、この場を借りてご報告申し上げます。右図は証拠。

 いや〜、しかしこれ傑作だわ。地下に入ってからは本気でプレイしてしまいました。ちゃんと謎ときになってる!
 学生諸君は、個性的なビジュアルと操作法に新鮮さを感じたみたいだけど、私にとっては、非常になつかしいゲームでした。マウスでプレイヤーを移動し、怪しいところをクリックして進める、というアドベンチャーゲームは、今から15年ほど前、欧米で人気のあったスタイルなのです。
15hnjxlh 左図の「King's Quest �」(91年、シエラオンライン社)なんかは、その代表と言えます。PCで100万本を越える大ヒットシリーズで、私は日本語版でプレイしましたけど、日本ではさっぱり売れなかったみたいですね。ゲームっぽさのかけらも感じられない、画集みたいな絵作りは好みだったんですけど。このタイプのゲーム、後に3DCGの隆盛があって姿を消してしまいました。


 おそらくそんなゲームなど見たこともないであろう今の学生が、「奇跡の地球」を作ってしまったというのが非常に面白いですね。しかも、見た目を真似るのではなく、謎解きなどのプレイ感覚が似ているというところに、流行に影響されない天性のセンスを感じます。制作チームはまだ一年生。将来が非常に楽しみです。
posted by Dr.K at 13:26| Comment(3) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月05日

カタログスペックに踊らされるな!

 5年以上経つから仕方ないが、モニターがついに故障。側面に水平チョップをかまさないと赤が映らない。のび太君のTVか、お前は。

 学校へ行きついでに、ヨドバシで新しいのを買うことにする。 私にとって、近年標準である液晶モニターの印象はあまり良くない。安くても色の再現性が高いのは断然CRT。実習室の安物液晶モニターで、一台一台の色が違うのには全く閉口させられる。10数年前になるが、会社では企画屋にPCは与えられず、ワープロ専用機が支給されていたのだが、この液晶モニター(白黒)がまたひどかった。「画面から眠気誘発電波が発生しているに違いない」という説がまことしやかに語られたものだ。

 「CRTのモニターはありませんか」
 「置いてません」
ハイ、終了。でかすぎるCRTは恐竜のように絶滅していたのだった。

Cegtocx_  不本意ながら、液晶に転ぶことにする。ここで量販店、ヨドバシが本領発揮。スペックの説明が詳しく掲げられており、すべての展示モニターには同じ映像が流れていて、「自分の目で見比べて選んでください」という親切ぶり。
 〈フルカラー〉の説明には目が鱗だった。PCにおけるフルカラーは、1677万色。ところが、低価格帯の液晶モニターでは、1619万色の疑似フルカラーとなっているのだそうだ。些細な差だと思うかもしれないが、比べてみるとやはり違う(ような気がした)。結局、ナナオのFlexScanS170(図)55000円也をお買いあげ。


 ハイ、典型的な衝動買い。モニターの場合、皆さんはもっと慎重に選んだ方がいいかもしれんよ。

Q.韓国製パネルのほうがカタログスペックが上だけれど?
A.HDTVなど、大画面液晶の需要が高まるのを見越して、大規模な開発体制を敷いた韓国メーカーは開発速度が速く、技術世代が新しいパネルを投入しています。
このため技術がテレビと共用であり、暗くしたリビングでの映画鑑賞を想定しての高いコントラストや動画での応答速度などで高い性能を持ちます。
テレビ的な使い方をする場合、これらの製品は大変優れているといえるでしょう。
ところが、テレビ共用として設計されたこれらの製品はPCでの使い方に必ずしも向いてはいません。テレビを近くから凝視すると目が疲れるという、当たり前のことが起こりがちなのです。
(2ch「本当に目にいい液晶モニタはどれ?」スレッドより)


 そうだよな。確かに短時間で映像などを見て決めるべきではない。「テキストを入力する」「プログラムする」というような作業が長時間に渡る、という人の方が多いはず。そういう場合はモニターも、派手な絵がキレイに映る、とか、反応速度が良くてゲームがキレイに映る、なんてことより目に優しいことが最重要。カタログスペックに載らないこういう部分こそ、お店がきっちりアピールしてくれないと。本当にいい製品がすぐに埋もれちまうよ。
posted by Dr.K at 11:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月04日

珍品堂事件簿

【1月某日】
 「面白いホームページですね。よかったらぜひ一度会いませんか。(大意)」というようなメールが来た。差出人は、ここからもリンクしている某開発会社の社長。数秒間固まる。

【数日後】
 その会社にはうちの卒業生も確かいたはず。思い切って返信し、実際に会うことにする。

【当日】
 初対面の人と待ち合わせというのがまず問題となる。今時ケータイを持っていないため、写メールという技が使えない。古典的な手法だが、目立つアイテムを手に持つことにする。
 しかし、ブログのプロフィールの所の似顔絵が相当似ていると事前に知らせていたせいか、一発で発見される[E:shock]

 …というわけで、緊張しつつも色々なことを話した。採用のこと、新人教育のこと、某社のこれからのこと等々。受託開発の会社なので、具体的なタイトルの話こそ出なかったが、若い社長の意欲的な話しぶりに、頼もしいものを感じた。
 勉強になりそうなことはまた学校ででも話すことにして、面白かったのが

「なんで学生はあんなにテイルズが好きなんですかね?」

 という発言。よっぽどそういう応募者が多かったらしい。どう答えたかって?
「一つやれば充分ですよねぇ」
だ。
posted by Dr.K at 16:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 講師の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月03日

「チャーリーとチョコレート工場」DVD

Aivszz1m  予約して即購入。もちろん特別版の方ですよ。二枚組でも3980円、安いなあ。これでお気に入りのシーンを何度でも見放題であります。

 パッケージこそジョニー・デップのアップと売れ線ですが、中身は全然違います。デップはすっかりなりをひそめ、メニュー画面から特典映像に至るまで、オヤジダンサーズが占拠しており、本編を見る前から暑苦しいことこの上なし。
 特典ディスクは、主にメイキングとなっていますが、興味深い内容が多くてお得感があります。パッケージにはディスク以外何も入っていない、といっていいストイックさですが、邪魔なグッズをやたらつけられるよりはいいよね。内容で勝負、の潔さですな。
posted by Dr.K at 20:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年02月01日

1月のブログ

Ke_sxgcp
 新年早々、1日あたりのヒット数が500を越え続ける事態に。その理由は…

1 残酷なガキが支配する −Rule of Rose− 1900
 4日に書いてから、たちどころにランキングを駆け上がってトップに! さすが、忍之閻魔帳にトラックバックを打っただけのことはあるな、と納得していたのですが、その後も勢い衰えず。なんと、忍さんの所から、いつの間にか関連記事としてリンクされていたのでした。ありがとうございます。ダイアナ嬢(上図)もさぞお喜びかと。

8 「寄生獣」映画化 キター! 619
 夏頃に書いた記事が今頃アクセスを稼いでいるというのは、一体どうしたことでしょうか。文中でバイオ4を引き合いに出しているせいか?

番外 ゲーム貴族の嗜み「アースワームジム」
 ノリで昔の文章を引っ張り出してきちゃいました。島国大和さんのブログでご紹介いただいており、恐縮です。今後も昔話には食いついていきたく思います。
posted by Dr.K at 19:21| Comment(4) | TrackBack(0) | 講師の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする