2006年03月08日

「夢幻戦士ヴァリス」のエロゲー化を悼む その3

 セーラー服の女子高生が、異界では露出度の高い鎧に身を包んで戦う。まさに中学高校男子狙い打ちの企画だった「夢幻戦士ヴァリス」。
 続編の「ヴァリス2」では、それはサービス過剰の域へ突入する。
・豪華声入りのOP
・パジャマなど、コスチュームの増加
・なぜか魔界の王の前で脱がされる
などなど…
 これらには、当時の少年マンガ誌やアニメで見られるサービスカットと同じノリがある。それは、今日のキャラ萌え商法と表面上は似ている。
 しかし、いまだ「ロードス島戦記」も出版されておらず、「ラノベ」も「萌え」も言葉として存在しなかった当時のこと、その内実は現在とは大きく異なるものだ。

 小説を量産中の某先生に聞いたところ、今日のラノベの要件として
・主人公が積極的に物事を成し遂げないこと
・ヒロインから主人公に何かしてくれること
が挙げられるのだそうだ。赤松一人で十分じゃねぇか。読みたくねぇ〜(笑)

 だとすると、主人公こそ女性ではあるものの、彼女に怒り・悲しみをぶつけていく熱い展開が盛り込まれ、戦い成長していく姿を描いた「ヴァリス」は、むしろ旧来の少年マンガの王道と言えるのである。彼女に与えられる「凛々しい」という誉め言葉さえ、今ではどこかなつかしいものになってしまった。Dgk3g4nz

 このゲームは、1も2もエンディングがひときわ美しい。魔界の王を倒し、ふと振り返ると現実に戻っている。夢幻戦士は女子高生に戻り、いつもの日常へと帰る。夢オチのようだが、そうではない。世界を救ったことは現実世界の誰にも知られず、戦いで失ったものを一人で抱え、彼女はひっそり埋もれていくのだろう。まるで一人一人の青春のメタファーのようだ。この詩情あふれるラストシーン、まさにジュブナイルではないか。
 全く、エロゲー化なんて考えたのは、どこの魔界の王か!ヴァリスの戦士、今いずこ。

追記
 このラストシーンを盛り上げていたのが、佐藤天平によるBGMだった。驚いたことに、佐藤氏は現役で、最近は日本一ソフト「ファントム・ブレイブ」などの曲を担当しているのだそうだ。
posted by Dr.K at 10:57| Comment(3) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月05日

「夢幻戦士ヴァリス」のエロゲー化を悼む その2

 ゲームの歴史に残る名作。例えば、「スーパーマリオ」や「ドラクエ」ならば、誰もがそう認めるだろう。しかし、「ヴァリス」となるとその立場はビミョー。アクションゲームとしては当時から凡作と見られていたのは確かだ。
 しかし、ゲームの歴史において、「ヴァリス」は現在への流れの源となった重要なタイトルなのである。

 開発元の日本テレネットがPC88でゲームを作り始めたのは、1984年頃か。縦スクロールレース「アメリカントラック」、ゴルフゲーム「アルバトロス」の制作で技術がこなれてきた85年頃、この社の今後を左右する一本が登場する。Kmi1t0pl
 それがこの「ファイナルゾーン」だ。ゲームはわりと普通のシューティング。このゲームの特筆すべき点は、ステージとステージの間だった。アニメ調のキャラが口パクで会話する、ストーリーデモが延々と流れたのだ。シューティングなのにストーリーがあるぞ!この衝撃はいまだに忘れがたい。当時、ファミコンなどでは、ロムの容量が小さく、デモシーンなど入れられなかったのだ。フロッピー数枚を入れ替えながら進行できる、PCならではの豪華演出だった。

 続く「夢幻戦士ヴァリス」では、ストーリーデモは一枚絵や部分アニメになり、女子高生がファンタジー世界で剣を振り回すという内容も手伝って、その方向性はより鮮明になっていく。時は86年、今からちょうど20年前のことだった。
Aexv7afa  そして、「ヴァリス2」に至って、ユーザーは目と耳を疑った。当時、PC88に新型機が登場し、サウンドまわりが強化され、サンプリング機能がついた。普通は、ドラムやギターといった特定の音色を再現するための機能なのだが、ヴァリスはここでもやらかしてくれた。ボイスを再生したのだ。
 主人公の声はなんと、ナウシカやクラリスでお馴染みの島本須美。ストーリーデモもフルアニメに近づき、ユーザー達はアニメとゲームの幸せな融合に、バラ色の未来を夢想した。

 言うなれば、日本テレネットの「ヴァリス」こそは〈ビジュアルシーン〉の生みの親なのである。後に、CD-ROMのゲーム機が出たとき、テレネットは〈ビジュアルシーン〉中心のゲームを大量投入して流れを作った。肝心のゲームの出来がアレだったのはご愛敬だが、今日、ゲームにおいてアニメやムービーをデモで使って盛り上げる、という作法は極めて当たり前のものになっており、それを開拓した「ヴァリス」は、やっぱり偉かったと思うんである。
posted by Dr.K at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月03日

「夢幻戦士ヴァリス」のエロゲー化を悼む

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 PC88でヒットし、MSX、ファミコン、メガドライブ、PCエンジンと、様々な機種で続編が展開されたアクションゲーム「ヴァリス」。この春、ノベル形式のエロゲーになると知り、思い出を汚された怒りにまかせて以下の文を記す。

我々は一人の英雄を失った。これは敗北を意味するのか?否!始まりなのだ!
エロゲーマーに比べ我がアクションゲーマーの国力は30分の1以下である。にも関わらず今日まで戦い抜いてこられたのは何故か!諸君!我がヴァニティ(*1)の戦争目的が正しいからだ!
一握りのスタッフが無残に膨れ上がった日本テレネットを飛び出して十余年(*2)、ヴァニティに住む我々が自由を要求して、何度テレネットに踏みにじられたかを思い起こすがいい。アクションゲーマーの、ユーザー一人一人の自由のための戦いを、神が見捨てる訳は無い。
諸君らが愛してくれた麻生優子は死んだ、何故だ!
「ジジイゲーマー、モチツケ」だと?諸君らはこの戦争を対岸の火と見過ごしているのではないのか?しかし、それは重大な過ちである。日本テレネットは聖なる唯一の版権を汚して生き残ろうとしている。我々はその愚かしさを日本テレネットの経営者共に教えねばならんのだ。
優子は、諸君らの甘い考えを目覚めさせるために、死んだ!戦いはこれからである。
我々の怒りはますます沸騰しつつある。日本テレネットとてこのままではあるまい。
ウルフチームもレーザーソフト(*3)も、テレネットの無思慮な経営の前に死んでいったのだ。この悲しみも怒りも忘れてはならない!それを優子は死を以って我々に示してくれたのだ!我々は今、この怒りを結集し、日本テレネットに叩きつけて初めて真の勝利を得ることが出来る。この勝利こそ、戦死者全てへの最大の慰めとなる。
国民よ立て!悲しみを怒りに変えて、立てよ国民!ヴァニティは諸君等の力を欲しているのだ。
ジーク・ヴァニティ!!

*1 ゲーム中で正義の陣営として描かれる光の国の名前
*2 「テイルズ」も「スターオーシャン」も「ワイルドアームズ」もここ出身のスタッフが立ち上げた。
*3 どちらもテレネットのかつてのブランド名

2006年03月01日

2月のブログ

Jj16tvay
 寒さが和らいできたと思ったら、次は花粉症です。ほへ〜

8 ゲーム貴族の嗜み「アースワームジム」 870
 バカゲーで読者多数とは、本望じゃ。ここで、記事の訂正があります。「アースワームジム2」、日本未発売と書きましたが、上の図の通り、セガサターンで出てました。うーん、ノーマークだった。
10 2006年 753
 新年の挨拶と嶋野組長が掲げてあるだけの記事なんだけど、どうしてこんなにアクセスがあるのか?

 それでは、皆様もお体ご自愛下さい。
posted by Dr.K at 09:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 講師の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする