注・この記事も文句しか書きません。当該映画のファンの方はスルーしてください。 11、
原作者が無駄口叩きすぎ 小説の原作者が、映画の出来を難じる記事をHPに書いた。このことは朝日新聞の記事にもなった。
そもそも「ゲド戦記」と言えば、駿監督に多大な感銘を与え「シュナの旅」「風の谷のナウシカ」を作らせた元となった作品。ジブリ設立後、駿監督は自ら映画化を打診したが、この原作者、誰からのオファーも断り続けていたらしい。
あのジブリなら、ということで許可を出してみたら
監督が息子でした、という肩すかしっぷりには同情の余地があるが、
この場合、静観するのが紳士ってもんだろう。 第一、駿監督が作ったら、
原作からのかけ離れ具合は息子どころじゃ済まないぞ。
以下ネタバレ含む
12、
駿監督の亡霊が支配する 絵的に面白い場面として、砂漠に転がる巨船や、牛が引く奴隷車が挙げられるが、
全部「シュナの旅」からの引用。ひょっとすると、ジブリスタッフには駿を無視してオリジナルデザインを打ち立てられる人がいないんじゃないか。
「シュナの旅」は非常に面白いので、いつか映画にならないかと思っていたんだけど、これだけゲドに取られてしまうともう絶望的。
13、
テルーはそこで歌うな 挿入歌「テルーの唄」は良い曲だが、
まさか本当にテルーがフルコーラス歌うとは思わなかった。この映画最大のサプライズだった。
絵もゆったりしてしまって、
間が持たない。まさかジブリアニメで口パクだけのカットを見せられる時が来るとは…。
アレンも急に泣かずに、もう少し感情の高鳴りを見せてみろ。14、
恒例のジブリ飯もパワーダウン 野良仕事のシーンで、
パンにチーズとオニオンスライス(?)をのせた昼食をとる。毎度うまそうな
ジブリ飯の登場だ。だがその後がいかん。もっとうまそうに食うのがジブリ飯の作法だろう!
15、
立地が悪すぎ ハイタカとアレンが身を寄せたのはテナーの家。ウサギたちは簡単に襲ってくるし、
徒歩でクモの城まで行けるって近さ。その立地、悪すぎないか? いや、それとも実は遠いんだけど時間経過がうまく伝わってないのか。
テルーは間で龍に化けてショートカットしたって説もあるけど(笑)
16、
因縁は口先だけ ハイタカとクモの因縁は、対峙した場面でのセリフのみで説明される。ちょっとぐらい回想とか入れてもいいんじゃないの? 大賢人ゲドの最盛期なんて、見せ場になると思うけどなぁ。
17、
テーマも口先だけ 「限りある命だからこそ大切に生きろ」というメッセージがハイタカとテルーから語られて、アレンが目覚める。
お前らが何をした、と小一時間問いつめてやりたい。エピソードの積み重ねって言う意識が足りないんじゃないか。
同じテーマだったら
銀河鉄道999の方が泣けたなあ、と思う私はもうとっくにいい歳。
18、
城のギミックがショボい クモの城でのアクションは、この映画で数少ない動的な見せ場。ところが
面白さも困難さももの足りない気がする。ゲームで言うと「ICO」や「プリンス オブ ペルシャ」に負けてるし、映画でも
「カリ城」の時計塔とか
ラピュタの内部にぶっちぎりで劣る。
最後に屋上が崩れたシーンで、
ラピュタの釜が抜けたっていう場面が思い浮かんだのは私だけではないハズ。
19、
伏線が足りないんじゃないか アレンがついに剣を抜く。ここぞという場面で抜けるのはまぁお約束みたいなもんだけど、それまでに、
抜きたいけど無理という描写がないんだよね。ハイタカには
「今のお前には抜けない」と言われてはいるけど、セリフを守りすぎだよなぁ。
テルーが龍化する場面と戻る場面。カットが切り変わると化けてる訳だが、変身する部分の動画がないのは
想像の余地を残したかったのか、それとも描くのが面倒だったのか。これに、テルーもアレンも驚かない不思議。一応ハイタカが「もしや…」とか言ってるが、作中人物にとっては当たり前のことなのか。テルーが特別な人である伏線があまりにもない。
20、
ウサギどこいった この映画で飛び抜けてキャラが立っていたのがウサギ。クモが怪物化すると逃げてしまってそれっきり。小悪党らしく、懲らしめられて欲しかったんだけど。いい演技だっただけに奴隷市場のその後も含めて気にかかる。
アレンが帰国して罪を償うって? そっちはあんまり気にかからない(笑)
とりあえずこのへんで勘弁しといたるわ。
画面密度 4
テルーの唄 8
予告のうまさ 8
個人的総合 5