2007年03月30日

「オーディンスフィア」予約しました

4qqdorx8  「オーディンスフィア」を近所の某店で予約してきました。初回特典付きで!と力強く念を押したのですが、例によって私が初めての予約者ということで、「多分大丈夫」といういささか心許ない対応でありました。
 ところで、予約券のタイトルが「オーディエンスフィア」と誤植されてまして、オーディン・スフィア(神の宝玉)とオーディエンス・フィア(観客の恐怖)では全然違うものになってしまうのですが。ますます心許ないです。

やたら雰囲気のある公式サイトはこちら
 期待できるゲームなので、後日機会があれば内容についても書きたいと思います。
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2007年03月29日

「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」 その4

 クリアしましたが、エンディングに至るまですべてミドナ様が持って行っちゃいました。でもまぁ、ドラゴンがすっかりナリを潜めてもドラゴンクエストですし、ファイナルファンタジーは最後でもファンタジーでもないですし、これらビッグタイトルと同じような物と思えば大丈夫。

 さて、以下はネタバレ。ミドナの伝説(マジ)ボスバトルレビューといきましょう。

 なお、名前はいちいち覚えていないので、勝手に付けていることをお断りしておきます。
【ボスザル】
柱から柱へサルが飛ぶ。レッドデッドリボルバーに似たような奴がいたなどと思うのは俺だけでいい。★★
【巨大パックンフラワー】
ブーメランの使い方を半端にしか憶えておらず、ボム虫を取り寄せては頭上に掲げ、自分ごとボスに喰わせて爆発、などという決死のプレイをした者が他にもいるらしい。★★★
【ゴロンの門番】
相撲はこれの伏線だったのか。でかい敵をぶんなげると、溶岩に落ちてアチチ、アチチと大騒ぎ。これは面白い、大満足。★★★★
【炎の巨人】
でかいし燃えてるし、迫力がすごい。ミドナ様のアドバイスでどうにか倒せたが、今回アイアンブーツ強ぇな。★★★★
【空飛ぶ大芋虫】
唯一、狼状態でのボスバトル。水面に浮かせた後、何をすればいいかわからずあきらめたが、電源を切った瞬間にひらめくボンクラっぷり。★★★★
【ガマクジラ】
このへん、キモいのが続くなぁ。リンクは、こんなのが吐き出したクローショットをよく触る気になるよな。★★★
【大ナマズかアンコウか】
難易度は低いが、これだけでかい奴と並んで泳ぐだけでも気分がハイになる。どことなくワンダと巨像風味。★★★★★
【幽霊剣士】
ファントムガノン、キター! と思ったのは気が早すぎた模様。こいつの攻略手順はかなり面白かった。★★★★
【ドラゴンの化石】
スピナーでバチバチはね回るだけで、攻略もへったくれもあったもんじゃないが、スピード感のせいか大変盛り上がる。第2形態時のらせん状のコースも素晴らしい。★★★★★
【鉄球男】
とにかく狭いので、連続で鉄球を喰らうことが多いのがつらい。バトル終了後、え、この鉄球もらえるの?!と驚いた。★★
【ビッグフットの奥さん】
「この鏡は渡さない!」の顔怖ぇ〜!バトル自体がマトリョーシカを模していてなんともユーモラス。旦那さんが駆けつけるとハート大量発生には笑った。★★★★
【剣士】
ゼルダのボス戦というと、道具をうまく使って立ち回るものという印象が強いが、こいつに関しては頼れるものは己の剣技のみ。私は、兜割りと、サイドステップからの背面切りで勝ったが、皆さんはどうやった? モーションもかっこよくて盛り上がる。★★★★★
【大蜘蛛】
天井に蜘蛛、はゼルダの伝統。石像に殴らせるのはえらく野蛮に見えた。★★★
【カラス天狗】
お前、その盾のマークはもう少し考えた方がいいんじゃないのか? どうせなら空中にさらわれたりもしてみたかったなぁ。★★★
【ドラゴン】
ゼルダには珍しい王道の姿のドラゴン。飛べないリンクにとっては、非常に厳しい戦い。同じ飛ぶボス戦としては、ワンダと巨像の方に軍配。★★★★
【ザント】
空中から弾を撃ってくるから、今度こそファントムガノンかと思った。しかも、ミドナ様が「その剣で打ち払ってやろう」とか言うわけよ。全然攻略法違うじゃん。ここまでのデモシーンでは、ザントは重みと不気味さを持っていたのだが、突然かなぐり捨ててサル化するのには驚く。★★
【ゼルダ】
ようやく出た、ファントムガノン。魔法球テニスはシリーズの伝統なのだが、初めての人はこれ、気がつかないんじゃないか? しかもこの時点でミドナ気絶してて使えないし。従来と違い、リモコンの振りと剣とのタイムラグがかなり苦しく、ここに限ってWiiの弱点が出た感じだ。★★
【ガノン獅子形態】
弓が命中しても、敵は急には止まれません、これぞ慣性の法則。とか言ってる場合か、背中こっちに向けてこけるな! 追撃が間に合わん。★★★
【ガノン騎馬戦】
ゼルダ姫が光の矢を射てくれるのだが、俺が馬から突き落とされているのに、冷ややかに無視するのやめてくれませんか。ガノンが亡霊を呼び出す攻撃は、どことなくロードオブザリング第3部を思わせる。★★★
【ガノン剣戟戦】
今作はリンクのガードがかなり強力で、ガノンの攻撃すらほとんど通らない。ここでもゼルダ姫が何かしてくれるのでは、と思って意味もなくあちこち位置取りを変えてみた私は、風のタクト経験者。いきなり「チャンス」とか出てきて焦ったが、突然クリア。★★★

 毎度の事ながら、アイデアが詰め込まれていていい感じです。体力や攻撃力がでかいだけの敵を無理矢理ねじ伏せる、なんて展開はゼルダには無縁。クリア後のオマケとして、ボスとの再戦モードが欲しかったです。
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2007年03月28日

「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」 その3

 まだやってたのかよ、と言われそうですが、実はまだなんです。今、どうやらラスボス手前らしいんですが、すでに感情移入の中心は完全にミドナ様となっており、存在感を失った勇者リンクとゼルダ姫に挽回の機会は与えられるのかどうか、大変心配です。

 さて、ここからはネタバレ有。ミドナの伝説(違)、ダンジョンレビューといきましょう。

【森の神殿】
シリーズ定番のブーメラン登場。武器としての使い道以上に、風を起こしたり、物をとってきたりと、あまりに多機能。その上、最初なので体力も少なくて苦しい。クリアできるかどうか先が心配になる。★★★
【ゴロン鉱山】
入山するためには、ゴロンと相撲をとって勝たなければならないが、これが一番難しかった。アイアンブーツで壁や天井を歩くマップは斬新、天井に張り付いても裏返しで考えなくていいレーダー表示にはさらに感心。★★★★★
【湖底の神殿】
「時のオカリナ」では高難度で有名だったのが水の神殿。今回はそれほどでもなかったので助かったが、「トワイライトプリンセス」の中では最もややこしいダンジョンなのは間違いない。ウォータースライダーを滑るのが楽しい。★★★★
【砂漠の処刑場】
入るまでに敵陣を突破してくるのでいきなり死にかけている。幽霊探しはけっこう楽しめた。終わり際に入手するスピナーは、扱いが難しい上にどこに連れて行かれるか予測のつかない代物で、あちこち逆走させられる。★★★★
【雪山の廃墟】
他のダンジョンと違ってビッグフット夫妻のお家なのでなごむ。大砲のギミックは楽しいのだが、部屋をまたいで弾を運ぶのに妙な機材が必要なのは、プログラムの都合のようで不細工。★★★
【時の神殿】
入り口で「時のオカリナ」のBGMがかかって鳥肌。「風のタクト」でも出たコピーロッドが再登場。使い方はかなり練られており、前より楽しめた。★★★★
【天空都市】
何かささやいているようなBGMが気に障る。このダンジョンは、自力で踏破できなかった。ダブルクローショット使用時のカメラだけはどうにかならないものか。方向感覚がたびたび失われて参る。★★★
【影の宮殿】
いきなりザコ敵が強くなり、いつの間にか死にかけててあせる。玉を運ぶ作業がかなりうっとうしく、ストレス度が高い。あまり広くないのが救いだが。★★

次回はボスキャラレビューを予定しております。
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2007年03月24日

かわいいキャラには棘がある 「エビザリ」その2

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 もう桜の季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。「海老っていうかザリガニ −懐かしき磯の香り−」(長すぎるので以下エビザリ)から、ふさわしい画像を一枚。
 ↑これ、誰が見てもノベル系のギャルゲーとしか思わんでしょ。しかし実は全然違うのである。

W3wrsssw  ゲームが始まるとこうなる。20年前のファルコムみたいな詐欺っぷりには、いっそ懐かしさすら憶える。
 見かけとは裏腹に、ゲーム内容は、ドリルで敵を倒し、ワイヤーアクションでステージを越えていくという超硬派。こういう内容を作ろう、と思ってくれたところをまず評価したい。学生作品の多くが、CGやプログラムこそ優れているものの、弾を撃ったり剣を振ったりという平凡な内容で終わっている中、特徴あるアクションを主軸に置いたこのゲームは大変貴重。もっとも、それを生かし切るところまでステージが調整できてないのは残念だが、そこまで求めるのは酷か。
 ところで、紐を使うというのは、制作者の感性をくすぐるアイデアらしく、古くはコナミの「ロックンロープ」、カプコンの「トップシークレット(ヒットラーの復活)」、評価が高いところで「海腹川背」、新しいところでは「ゼルダの伝説」のクローショットまで、様々な先人がチャレンジしてきたテーマだ。「エビザリ」チームは、昔のゲームなど知らないだろうが、似たアイデアを形にしてしまったことが面白い。
 操作が難しいが、なんとかクリアできるようにがんばりたい。
posted by Dr.K at 16:00| Comment(8) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月22日

かわいいキャラには棘がある 「エビザリ」その1

 卒業式の直前、学生から「海老っていうかザリガニ −懐かしき磯の香り−」(長いので以下エビザリ)一式を譲り受けた。今年の卒制展示会で異様に目立っていたあのゲームである。後輩に見せつけてよい、とのことなのでここでご紹介。
Cddqqzpr  いやはや、この初回特典(笑)の充実はすごいですな。パッケージにレーベル、インストカード、プロモーションムービー、そして未使用画像多数の画集。展示会の時はぬいぐるみもあったような。ゲームを作って置いてあるだけ、なんて卒業制作より300万倍好感が持てる。
 思えば、このチームのメンツは一年生の企画の授業から、一見無駄と思われることに多大なこだわりとパワーを費やして、制作を楽しんできた。そういう姿勢こそが、特に企画志望者には必要だといつも思う。
 ゲームは必需品ではない。だから、ゲーム作りという仕事をして、それほど世の中の役に立つわけじゃない。(時々、ゲームで夢や理想を伝える、などと言う者がいるが、クリエイターの胸にしまっておくべき傲慢な発言だと思う) 無用のものを、丁寧にこつこつ作り上げていくことに、価値を見出せるかどうか。そして、ただでさえきつい仕事だ。上に立つものが制作を楽しむ姿勢を見せなければ、チームのモチベーションは上がらない。

 「エビザリ」はその点をクリアできているので、卒業後プロになるO君には、これからも自信を持って、いらんことに力を注いでいただきたいと思う。

 で、肝心のゲームがなぜか横スクロールアクションときた! 内容については次。
〈続く〉
posted by Dr.K at 16:51| Comment(3) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月18日

ハゲタカとホリエモン

 その男、悪魔か救世主か―

 NHKの土曜ドラマ「ハゲタカ」が異常に面白い。外資系ファンドを主軸に据えた内容で、毎回予測不可能の展開を見せている。
 前回は、主人公のファンド会社と、成り上がりのITベンチャー(社長を松田龍平が怪演)とのTOB合戦。カリスマ創業者を失った電機会社(松下かな?ホンダかな?と色々想像させる)を奪い合う。カリスマ創業者の著書をぼろぼろになるまで読み込んでいる電機会社の現社長に対し、「ぼくのバイブルです」と言いながら本はピカピカというIT社長の薄っぺらぶりが、見事に表現されていた。
 で、このIT社長が、証取法違反だか粉飾決算だかでしょっ引かれてしまうわけだが、この内容がホリエモン有罪判決の翌日に放映とは、実に神懸かりのスケジュールではないか。

 札束が舞い散るエンディングも素晴らしい

 さて、ここからは現実の堀江被告の話を。有罪、実刑であったということには別に驚かない。だが報道された裁判の内容にひどく違和感があった。特に、裁判官が堀江ファンの株主の話を持ち出して、人道的に堀江を諭そうとしたあたりが。傷害や殺人といった罪状なら、人道的に反省を促すのも良いだろう。しかし、堀江に対して咎めるべきは、金融のモラルやルール違反の方だろう。そして、株主を騙しているのは絶対ライブドアだけではないので、そいつらに警告を発するような判決でないと意味がない。
 実際、日興コーディアルの方は上場廃止すら免れたわけで、不明確なルールなど守られなくて当然だ。結果として、社会のお偉いジジイどもに、うぬぼれすぎた若造が懲らしめられただけだったようにも思え、堀江被告がいささか気の毒になった。
posted by Dr.K at 11:10| Comment(0) | TrackBack(1) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月16日

映画どろろ その3

 さて、興行的にも成功し、ロングランとなった映画「どろろ」。上映前、不安視されたのは、何といってもそのキャスティングとストーリーだった。

 まず、キャスティングに関してだが、これは意外と良かった。
 妻夫木は、テレビドラマなどでは柔らかいお人好しの青年といった印象が強く、事前には百鬼丸の役はどうかと思われた。しかし、実際に観てみると、感情を封印した演技で新しい一面を見せてくれたのだった。映画が終わったとき、「妻夫木カッコイイ!」という女性ファンの声が方々から聞こえてきたくらいだ。それにしても、目で見ていない、という演技は難しかっただろうなぁ。
 一方、賛否のある柴咲コウだが、映画を観た人に訊きたい。この役、他に誰がやれる? セリフから動作まで完璧なクソガキっぷり、なるほど、どろろの一つの解釈だ。なお、外見がいきなり女性、という問題に対しては、マンガと異なる設定が用意されていたので、映画の中では矛盾はあまりなかった。

 以下、ネタバレ含む
 ストーリーに関してだが、前半、百鬼丸の生い立ちとマイマイオンバ(土屋アンナが似合いすぎ)のあたりまでは、かなり好き。
 中盤、バトルシーンのダイジェストとなるが、もったいねぇ〜、テレビシリーズの総集編みたいだ。陽性の演出は、いかにも香港映画の監督らしい。
 後半、いよいよ父親との対決となるが、以降がどうも惜しい。原作の「ばんもん」が、ビジュアルとしては再現されているのに、国境の物語が抜け落ちて意味がなくなっている。景光との戦いは、この映画では唯一のまともな殺陣だが、バケモノ狩りに比べるとやっぱり地味。その最中に、百鬼丸の額に景光と似た傷がつく、というのは、どうなんだろう。親から子への継承、というようなことを表現しているのだろうか? しかし、景光の傷痕は魔物との契約の証だったはずで、百鬼丸に魔が乗りうつるのか、と思ってしまったのは私だけではないはずだ。実際にはそんな展開にはならなかったが…。
 最後に、「あと二十四体」とでかでかと表示されるテロップは、ゲーム版と酷似。多宝丸の役回りをはじめ、所々ゲーム版を参考にしたのではないだろうか。原作は未完だからねぇ。
 
 で、むしろ不安なのはこの後。なんと続編を作って三部作にするらしい。確かに原作のネタはまだ残ってるけど、百鬼丸に感情が戻った今、このコンビの面白さはだいぶ損なわれてしまうと思うのだ。そして、百鬼丸はマンガの時と違って、作り物の体の方が不死身で最強という設定。だんだん普通の人間になって弱くなる、というのはうまく演出しないとこれまたつまらなくなる。
 逆に期待する点としては、ぜひ続編で「妖刀の巻」を観たいと思う。「バトルロワイアル」で堂に入った人殺しっぷりを見せた柴咲なら、呪われたどろろは、きっと見物になるはずだからだ。

妻夫木プロモーション度 9
ミスチルミスマッチ度 10
途中省略度 7
個人的総合 7
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2007年03月13日

映画どろろ その2

 映画「どろろ」で、その世界観の無国籍っぷりを加速しているのが、バックの音楽である。
 とにかく音楽が目立つ映画だ。南国の民族舞踊のような曲がかかったかと思うと、琵琶や三味線の曲もあり、フラメンコみたいな曲もある。
 日本の時代劇、あるいは妖怪ものを期待していた観客は、相当面食らったことだろう。

 実は、原作の「どろろ」もまた、音が印象に残る作品だ。マンガに音なんかあるのかって? あるんです。
 琵琶法師は「東へ〜あるけばァ〜風がなるゥ〜」と歌いながら登場し、金小僧はチリンチリンと鈴を鳴らし、妖刀似蛭はシャンシャン鳴り、どろろは鉄腕アトムのテーマを歌ってるじゃないか。
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 そして、妖怪万代との戦いでは、なぜか突然背景が能舞台になって、カッポンカッポンと鼓の演奏が始まるのだ。(図)

 そんなわけで、音楽が面白い映画「どろろ」は、意外と原作の精神を受け継いでいるんじゃないか、と好ましく思えるのである。
 そうそう、この映画では、魔物が死ぬときは斬れたり溶けたりせずに、爆発飛散することになっている。
 このどーんが大変素晴らしいので、ぜひ劇場で体感してほしい。
〈続く〉
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2007年03月11日

映画どろろ その1

 合戦の跡だろうか、鎧武者の死体が累々と横たわる草原。時に賢帝歴3048年。…って、え?
 上映開始10秒で原作ファンに首をかしげさせる、それが映画版「どろろ」だ。マンガでは日本の戦国時代らしき舞台だったが、映画は思い切って無国籍ファンタジーに。最初の町のビジュアルに異様な勢いを感じる。

 世界観の変更に、批判の声もあるようだが、私はこれを創意と受け取るし、映画化の方向性としては正しいと思う。そもそもマンガからして時代考証はほとんど無視した内容だった。時代劇の枠内では、肘から生えた二本の刀でどう戦ったところで変な殺陣にしかならない。だったらワイヤーアクションでぶっ飛んだ方が楽しいに決まってる。

 背景やセットをことごとく作り上げ、「どろろ」だけの世界を描き出していく。これは、映画の作り方としては「スターウォーズ」や「ロードオブザリング」等、洋画の大作だけに許されたもので、日本映画では難しいと言われていたタイプのもの。多少のスケールの小ささはあっても、そういうものが作れた、というところをまず喜びたい。

 ようやく映画「どろろ」を観た。手塚忌から一ヶ月遅れてしまったが、今年はこの作品を取り上げることにしよう。
〈続く〉
posted by Dr.K at 14:40| Comment(1) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年03月09日

ローレライ

 もともと、第二次世界大戦を扱った作品は苦手。軍事に興味がないし、敗戦を描くのでどうしても辛気くさい話になりがちだし。
 などとぶつくさ言いながら、先日の土曜プレミアムでの放映を見た。何だ、こりゃとんでもねぇ!

 潜水艦に綾波レイが乗ってるじゃないか! ご丁寧にプラグスーツとLCL完備ときたもんだ。
 監督が樋口、絵コンテが庵野と、エヴァンゲリオンのスタッフが関わっているとはいえ、ちょっとこれは色が付きすぎなんじゃないか。3Dレーダー等の計器類が無闇にカッコ良くてテンションが上がるあたり、エヴァの良い影響も出てはいるんだけどね。
 新型潜水艦というフィクションを通して、実際の戦争を批判的に見直すというのがテーマのようだが、だったらもう少し戦争の全体像を見ないといけないのでは。米軍側なんて、登場人物に名前もなけりゃ、軍としての作戦もありゃしない、エヴァの使徒並みの扱い。
 戦闘シーンのテンポは今風で良かったので、いっそ開き直って、米軍側の超兵器とバトルを繰り広げるストーリーにした方が素直に楽しめたかもしれん。

 ラストシーンは、どうなんだろ。原爆は、爆発そのものだけでなく、放射能で後々まで大量の死をもたらす。日本に着いたところで、パウラに心休まる日は来ないのではないか、と気になった。

エヴァ踏襲度 9
艦長熱演度  8
戦国自衛隊度 7
個人的総合  6
posted by Dr.K at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする