正統派テキストホラーを期待されている方は、『忌火起草』や『流行り神2』をオススメします。『忌火起草』遊んだけれど、面白かった♪ 『流行り神2』も、面白そう。でも、遊ぶの来年になりそうだけれど。 とは、四八(仮)のシナリオライターである飯島多紀哉氏の弁。
とんでもないゲームを買ってしまった。
このゲーム、ノベル系にしては、システムが異様に入り組んでいる。
シナリオを読了すると、その登場人物が、住民として名簿に登録される。他の分岐を試したい、などの理由で再び同じシナリオを読む際には、
コストを払って死者を蘇らせるなどして、登場人物をそろえ直す必要がある。
また、住民は他県へ移動させることが出来る。
特定の人物が特定の県にいないと読めないシナリオや、20人以上を一箇所に集めろ、なんて条件のシナリオもある。そして、住民移動もまたコストがかかる。
これをゲーム性ととるか、単に面倒ととるかで、このゲームに対する評価は大きく変わるだろう。 そして、条件の不明な分岐、いつ投下されるとも知れぬ特別シナリオ。
その全体像は、混沌として予断を許さない。 プレイを続けるうちに、何となく見えてきたことがある。
思えば、「かまいたちの夜」シリーズなどは、内容こそ怖い話だったが、そのシステムは、作中のフローチャートの明示に象徴されるように、極めて整然としたものだった。分岐には整合性があり、理詰めでクリアしていくことができた。そのような明快さは、本来「怖い話」と相容れないものではなかったか。
「四八(仮)」は、理詰めで攻略が不可能なゲームを目指したのではないだろうか。ストーリーは細切れに散逸し、多様な分岐条件を設け、特別シナリオがプレイヤー本人を翻弄する。
都市伝説を題材にしたゲーム、から、都市伝説に身を置くゲームへ。多分そんなあたりを狙っていたんじゃないか。制作スタッフの技量が目標に追いついていないのがつくづく悔やまれる。
とんでもないゲームを買ってしまった。