以下は、マンガどころか映画版第1章も見ていない状態での感想ですので、その点ご了承下さい。
第2章の公開を前に、テレビで第1章をおさらいというデスノートパクり商法。しかも、大幅カットしたものに、わずかな未公開シーンを加えて「もう一つの」などという言い訳がましいサブタイトルを付ける。誠にみっともなく潔くない21世紀中年の商売である。
主人公のケンヂが幼い日に書いた預言の書の内容が、謎のカルト教団の手によって次々に実行される。さすが原作浦沢直樹、開幕からいきなり面白設定が炸裂だ。
ケンヂはテロリストの容疑で追われて地下に潜り、そこへかつての仲間が集合する。ここがカットのせいかえらい唐突。仲間たちが普段の生活を捨てて集まるに足る動機が示されないため、話にちっとものれない。少年の頃の思い出を美化して現実逃避している、と思われても仕方のない展開だ。
また、全体に会話に魅力がない。仲間どうしのうち解けた感じがあまりなく、キャストがバラバラに立っている感じだ。大幅カットのせいなのか、互いが相手を〈ともだち〉と疑っているからなのか、顔で選ばれたキャスティングがなじまないのか、子役がほとんどへたくそなのに大人が合わせたのか、理由はどうとも判断しがたい。
最大の収穫は、太陽の塔が素晴らしい意匠だと再認識できたことだった。
商売臭さ 9
俳優無駄遣い度 9
続編期待度 6
個人的総合 6