思ったのとだいぶ違う話になってきたけど、相変わらず面白い。これ、実写かアニメで映画にならんもんかな。
序盤では、緻密な描写が英雄の一人称的な視点で活用されていたのだが、比呂美が加わってからは、より客観的で映画のようなカメラワークが目立ってきた。
特に、ここぞの場面で見開きの大ゴマを連発する見せ方は、独特のリズムを生んでいて面白い。映画だったら、ストップモーションかストロボ効果で見せるんだろうなあ、と想像してしまう。ページの消費が著しいので、話はちっとも進まないが、にもかかわらず、細かなアクションや背景の描写に一切の妥協を許さない描き込みにより、密度感がハンパない。連載が続く限り、英雄だけでなく、作者も楽ができそうにない。
2巻に続いて、現時点では謎が多い表紙となった。英雄の装備が違うし、そもそも周りにペンギンがいるって、一体どんなシチュエーションなんだ。
人間が怪物化しているのに、〈反社会性人格障害〉で説明したつもりになっている政府の対応が、さもありそうでおかしい。こりゃあ今後のストーリーで日本滅亡もあるな。