地震のせいで、一週間遅れの最終回を迎えた月9ドラマ、「大切なことはすべて君が教えてくれた」。とんだお花畑エンディングで、豪華キャストが犬死に。これはアカン。
高校教師が、教え子と寝てしまうというインパクトだけはある一話冒頭。この教師を演じるのが三浦春馬で、始まった瞬間から色々終わっている状況の中、最低の男として軽蔑され続けるその後の展開には、ファンの人もとても喜べなかったのでは。
一方、この教師の婚約者が戸田恵梨香。「デスノート」のミサ役、「コードブルー」の研修医役、「SPEC」での怪演、と実績を積み重ね、ついに月9のヒロインになったと思ったら、不幸に耐え続けるというおよそらしくない役回りで、さっぱり魅力が出ない。その上、登場時間でも活躍でも、女子高生役の武井咲の方に水をあけられ続ける。
前半は、女子高生VS婚約者という女の戦いがむやみに恐ろしく、昼メロのような変な面白さが出ていたが、後半は一転して悪い人はいなかったという腰砕けなまとめっぷりに萎え萎えである。
全体に、キャストの使い方がおかしい。テーマに関わる重要なエピソードを語るのに、戸田に求婚する男とか、寝台車で出会うオヤジとか、その場限りのキャラクターを出しては消すを繰り返す。一方で、毎週出ているのに本筋に絡まないキャラの多いこと。出るたびに違うコスプレで登場して注目を集め、最後は単独アフリカへ飛んだ剛力彩芽のどうでもよさには唖然とする。風間杜夫や西村雅彦がいい演技を見せても、ちっとも報われない。複数のシナリオライターが、自分の担当するキャラのエピソードを好き勝手に書いたのではないか、などと勘ぐってしまう。
テレビドラマはキャストが重視されるというが、やっぱり大切なのはシナリオだった。すべて君が教えてくれたよ。