中学生 「何で本は読まなきゃいけなくて、漫画はダメなの?」
この記事を読んで、思うところがあるので書いておく。
結論は、マンガを読むのがダメなんじゃなく、本「も」読むべしということ。
なぜか。今の世の中、様々なジャンルで、ろくでもないものが売れてしまっているように見える。私は、作品を受け取る者に、もっとその善し悪しを見分ける目を持ってほしい、と考えている。クリエイターを目指す者なら、なおのことである。
そのために必要なものが教養である。
例えば、面白いストーリーが作りたい。それならば、ゲームよりマンガより、小説の方が1000年の蓄積がある。先人の業績をリスペクトし、現在の創作に生かす。優れたものをジャンルを越えて受け継いでいくのが理想である。
私は、ソーシャルゲームの商売が腹立たしいのだが、その理由が最近までわからなかった。
はじめは、儲け方がアコギだからか、と思った。しかし、ゲームの商売は昔からそうだった。ファミコン時代には、大してコストもかかっていないソフトを、出せば売れるというヘブン状態。いろんなメーカーがぼろ儲けした。格闘ゲームブームの時は、アーケードゲームで1分200円という高回転を実現し、全国のゲームセンターが大いに儲けた。そして最近ではキャラクター商売。高価なグッズが飛ぶように売れていく。
ゲームは昔から、そういう身も蓋もない儲け方を追求してきた。ソーシャルも単に新しい儲け方に過ぎず、そもそも私はお金を奪われていないのだから、不快を感じる理由などないはずだ。
だが、許せない点が見つかった。奴らには従来のゲームへのリスペクトが欠けているのである。新ジャンル・新ビジネスを標榜しつつ、その実態は昔のゲームから断片的にパクったお粗末極まりない内容。その中で、課金導線だけが奇形的に進化しており、実に気持ち悪い。
先人の業績を知らず、ものの善し悪しが分からない作り手が、これまたものの善し悪しが分からないユーザーを相手にして、商売が回っていく嘆かわしさ。ジジイの繰り言と、笑わば笑え。俺たちはゲームが本当に面白かったことを知っている。