原作のマンガを読んでいなくて正解。キャストやストーリーの違いに困ることなく、予想以上に楽しむことができた。
ビジュアルが相当面白い。死者が集められるガンツの部屋が、どう見てもただのマンションの一室という不可思議さ。スーツや武器のレトロなテイスト。そして、ふざけているとしか思えない姿の宇宙人との戦い。生死がかかっている真剣味を意図的に茶化しており、ガンツゲームの主催者はかなりの悪趣味だ。
ところが、続編「PERFECT ANSWER」では、監督が変更になったのではないか、と思うほど作風が変化する。人間のアクションを追求した映像作りになっており、特に地下鉄でのバトルなどは、邦画もついにこういうことをやり始めたか、と感心する出来。
全体を通して見ると、マンガとの比較を抜きにしても、キャスティングに問題が多い。玄野役の二宮は、ころころと性格が変わっており、結局どんな人だったのかよくわからない。多恵役の吉高は、内気でしおらしいキャラが似合っておらず、ミスキャスト。岸本役の夏菜は存在感がありすぎて、後半絶対カギを握ると思っていたのに、生き返って活躍する機会もなくてがっかり。逆に良かったのは田口トモロヲ。原作と違うと非難囂々らしいが、小心な親父を好演していた。また、「マイマイ新子」の水沢奈子が、黒服星人の一人としてセーラー服で剣戟を演じていたのには驚いた。あの部分だけ別のB級映画だ(笑)
それにしても、マンガが終わっていないとは言え、謎を明かさずに強引にハッピーエンドに雪崩れ込むのを、PERFECT ANSWERと開き直るとは。だが、4時間かかって「世にも奇妙な物語」の長編新作を見たと思えば、むしろ良くできた内容と言える。
奇抜性 8
アクション性 8
整合性 3
個人的総合 7