恒例の東京ゲームショウが開催中。同僚の先生方は、学生の引率で忙しいようだが、私は例によって留守番。まあ、私みたいなのが行っても、ゲームにかじりついて引率の用を成さないので、その判断は正しい(笑)
さて、展示されたものについては、各種ニュースサイト等で話題になっていると思うので、ここでは個人的な感想のみを述べる。
まず気になるのが、グリーの巨大スペース。今年はソーシャルゲームの企業がかなり場所をとっているのだが、なんというか、場違いである。
なぜなら、ソーシャルゲームはわざわざ展示するようなものではない。技術的にしょぼいとかそういう理由ではない。誰もが、手元のケータイなどで、いつでも無料で体験できるのがこれらのゲーム。会場で試遊する必要は全くないし、わざわざ見に来ようと言う熱心なゲーマーもいないだろう。
だが、そんなことは向こうも百も承知だ。彼らが出るのは要するに勢力争い。カプコンやコナミを越えるスペースがとれるくらい儲かってまっせ、と業界に偉容を見せつけたいのである。
人気タイトルの試遊台を増やし、行列を少しでも減らして欲しい、と思っている一般プレイヤーにとっては、まことに迷惑な話である。
一方、任天堂は例年スペースを出さない。家庭用ゲームのショウなのに、主役が出ていないのは、不思議に思う人も多かろう。
任天堂は、以前から自分でコントロール出来る方法でプロモーションをする、という方針を貫いており、他社との勢力争いが顕在化するこういうイベントには消極的である。しかし、WiiUのソフトは結局、ソフトメーカーから展示されて存在感を放つことになる。わざわざ任天堂が手を下さずとも良いのである。
今はすっかり権威がなくなってしまったが、かつて、その年を代表する歌手が集まるとされた「紅白歌合戦」に、サザンオールスターズやMr.Childrenといった大物は出場しなかった。任天堂のゲームショウ不出場には、なんとなくそれと同じノリを感じる。
ならば、収益を恃んでスペースを占拠するグリーは、さしずめAKBといったところであろうか。