2014年01月31日

就職対策の授業で

 2015年卒業予定の学生の就活が始まった。
 近年、不景気で就職が難しいせいか、就職活動が暗く、悲壮感のようなものが漂っているように感じる。よくないことだ。本来は、自分の希望を叶えるための前向きな活動であるはずなのに。
 私の担当クラスは、まだ始まったばかりということもあるのだろうが、履歴書を失敗して盛り上がるような明るさがあり、大いに救われた気持ちになる。つらいこともあるだろうが、それぞれにがんばってもらいたい。

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2014年01月30日

かぐや姫の物語

 恐るべし高畑勲。誰もが知っている「かぐや姫」のあらすじを逸脱することなく、こんな斬新なアニメを作るとは。

 日本昔話を2時間超に引き伸ばした、などと思ったら大間違い。そもそも子供向けですらない。開幕、「今は昔、竹取の翁といふものあり…」と、原文通りに始まる。古典くらいかじっとけよお前ら、という警告だ。
 じっくり時間をかけて、姫の心情や翁とのすれ違いを描いており、「豊穣」という言葉がふさわしい。一方、事前の宣伝、「姫の犯した、罪と罰」は謎解きの物語を思わせ、観た印象とはかなりズレると感じた。

 予告編では、ほとんど姫しか登場していなかったので、キャラの画風はこんな感じか、と思ったらこれがまた違う。手描き風の描線こそ同じだが、脇役のキャラは思い切ってデフォルメされていて、昔の風刺画のよう。声をあてている俳優の似顔と思しきキャラもかなりいるが、御門は要潤じゃなかった(笑)
 そして、四季折々を映し出す背景は、まるで日本画のような格調である。
 ではそんな絵は古臭いのかというとそうではなく、これらが動くことに新鮮な驚きがあり、終盤では3Dまでぶち込んでくるなど、新たな技術の成果を見せてくれる。

 さて、もっともかわいい登場人物は、当然主役のかぐや姫かと思ったら、それも間違いだった。赤ん坊の姫がかわいらしさをふりまいているというのに、それを溺愛する翁の方がさらに萌える。都に移れば、パタリロのごとき付き人が居座っているが、これまた姫よりかわいい上に、最後にいいところを持っていく。

(以下にネタバレを含むので、念のため)

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2014年01月25日

「BRAVERY DEFAULT For the Sequel」その4

Bdfts4

 まだ終わっていないが、以下はストーリー後半のネタバレを含むので、ご了承の上お読みいただきたい。

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2014年01月19日

ドラマ「明日、ママがいない」が放送中止のピンチ

『明日ママがいない』打ち切り濃厚!!BPO審議入りでスポンサー離れ確実に!!第2話の放送中止か?!

 俺がオススメしようと思ったドラマに限ってこれだよ!
 「明日、ママがいない」、すごいです。「Woman」の鈴木梨央が、子役ヒロインとして直球の演技を見せ、対する「Mother」の芦田愛菜は、今までのイメージを覆すダーティーな演技で視聴者を圧倒。大女優もかくやという演技力対決で見応えありありです。これで、二人とも10歳以下というのですから、将来が恐ろしくなってきます。
 養護施設を舞台にした過激な内容は、賛否があって当然ですが、それにしても、中止を求めるほどのことでしょうか。母が恋人を殴ったから「ドンキ」、赤ちゃんポストに捨てられたから「ポスト」。確かにひどいあだ名ですが、ちゃんと観てください。いじめで付けられたわけではないのです。幼い彼女たちが、親との決別のために名を捨てて、自らに付けた称号なのです。このへんは、ハードボイルドな自虐のかっこよささえ垣間見えて、リアリティがないほどです。普通の子供なら、ハゲとかウンコとか、もっと身もふたもないあだ名を付けますって。

はるかぜちゃん(@ harukazechan )の「明日ママがいない」についての まとめ
 プロとはいえ、小学生がこれだけの意見を書いているのに、大人は何をしているんでしょうか。

「明日、ママがいない」騒動で耳を傾けるべきは施設出身者の声
 否定する意見は少ない。じゃあ、文句を言っているのは誰のためにやっているのか?

 何にせよ、今後、子供たちが逆境からたくましく立ち上がっていく物語になるのはほぼ確実なので、中止するのは逆効果だと思います。
 放送が続くとしても、今回の騒動を受けて物語が生ぬるいものになってしまわないか、非常に心配ですね。

posted by Dr.K at 19:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月18日

劇場版SPEC 結 爻ノ篇

 これはダメ。

 「俺が好きだったSPECと違う!」という観客の身勝手な思い込みを無視したとしても、作り手がやろうとしたことさえ出来ていない。
 人知れず超能力者が起こしていた事件を一つ一つ追っていたドラマ版。それが、劇場版になってから話が大きくなり、本作ではついに世界の滅亡が訪れる。
 映画にするので、大スクリーンにふさわしい大げさな映像を作りたい。わかる。CGを駆使して迫力ある映像を作ろう。これもわかる。だが、その割にスケール感が全く感じられない。どういうことだ。
 原因は、狭いセット。ビルの屋上をセットとして作り、外周をグリーンバックにしてそこから見える景色をCGで作ってある。背景こそ変幻自在だが、人物がセット内に立ったままで物語のほとんどが進行するため、舞台劇のような窮屈さがある。過去のスペックホルダーたちが集合する場面があるのだが、もともとコスプレのごとき姿のキャラ達なので、ますます舞台コントの雰囲気が強くなる。しかも並んだだけで何もしないなんて!
 やはり、いかなる超能力があろうとも、アクションか知性か、どちらかがないと映像は魅力的にならない。その点でも「SPEC」の立ち位置はいささか中途半端だった。

 それにしても、たった一秒のカメオ出演で鮮烈な印象を残す堀北真希の美人度は異常。

吉川役立たず度 10
グロ不必要度  8
意味不明度   7
個人的総合 5

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2014年01月13日

「BRAVERY DEFAULT For the Sequel」その3

 問題はジョブである。

 転職できるRPGの元祖と言えば、おそらく「ドラクエ3」だろう。転職によってキャラのレベルは1に戻ってしまうが、前職の技や呪文はそのまま使えるので、転職を繰り返すことで万能のキャラを作ることが可能となっている。

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 「ブレイブリー デフォルト」もまた、転職がカギとなるRPGだ。とにかくジョブの種類が多い。スタンダードなものから、癖の強いものまで様々用意されている。
 転職によってキャラのレベルが下がるようなことはなく、ジョブごとに経験値とレベルがあり、それを上げることで、アビリティ(技や呪文)を獲得していくシステムだ。
 ドラクエほど単純ではない点として、各職で獲得したアビリティは無制限に使うことはできない。コマンドアビリティは、現職以外にもう一つだけ選ぶことができ、サポートアビリティはコストの範囲内で全職種のものからいくつか選ぶことになる。
 この選択が悩みどころで、組み合わせることで劇的に強くなるものがあるかと思えば、相性が悪く効果がない組み合わせもあり、いくらでも工夫の余地があるのだ。

 RPGでは、ストーリーを味わう事が中心で、戦闘でそれほどがんばらなくても良いというゲームも多い。
 だが「ブレイブリー デフォルト」はガチ。気を抜くとザコ戦でさえ全滅、ボスに至っては初見で歯が立たない事など当然で、ジョブや装備を駆使して勝ち方を模索することになる。
 ダンジョンが小さく、謎やギミックもほとんどないため、一見ぬるいゲームに見えるが、戦闘の戦略性にすべてがつぎ込まれている極端な作り。この高いハードルを乗り越えて楽しめるかどうか、ゲーマーとしての資質が問われる。

posted by Dr.K at 11:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月07日

ゼロ・グラビティ その2

 シャトルの外で通信機器の修理を行っていたライアン博士。そこへ、ロシアの衛星爆破に端を発する連鎖事故で、無数の破片が襲いかかる。ライアン博士は一人、宇宙空間へ投げ出されてしまう…。
 全編に緊迫感が漲っている90分。終わった時、中学生か高校生くらいのグループが、「ゲームだったら、何度死んだかわからない」と言っていたが、卓見だ。何しろ臨場感があるので、ゲームにして体験出来たら面白そう、などと一瞬考えてしまうが、やめておいた方がいい。こんな無理ゲー、放り出すに決まっている。観るだけで済む映画で本当に良かった。

●無重力
 全編の大部分が無重力の状況で展開される。思えば、宇宙へ出る映画は過去にたくさんあったが、そのほとんどは、宇宙船内に重力が作られている設定だった。無重力での演技を撮影することは困難を極めるからである。「ゼロ・グラビティ」は最新の技術でそれを乗り越えた。
 主人公が危険な場所に赴く映画は、これまで無数にあったので、どんな危機にどう対処するか、予想がつくことも多い。ところが、この映画の無重力空間ではそうはいかない。危機の内容も解決方法もおよそ予想がつかず、どうなるのか目を離せないのだ。

●SFではない
 宇宙と言っても、遠い未来の話ではなく、現在の宇宙開発の技術の範囲で描かれた、架空のドキュメンタリーといった趣。ヒーローも超技術もエイリアンも出てこない。宇宙空間そのものの危険さを再認識することになる。

●一人称のシナリオ
 物語は、主人公ライアンの体験のみを追っていく。地上スタッフの奮闘など、事件を別の視点から俯瞰するような映像は一切ない。回想もない。時間的にもほぼリアルタイムの進行となっており、観客とライアンの立場が一体化する仕組みになっている。

●人間ドラマ
 一歩間違うと、USJのアトラクションのようになってしまいそうな内容だが、主人公が困難を乗り越えて成長するという、王道のストーリーが芯を貫いており、物語に期待して来た観客をもがっかりさせない。
 結末の完璧さもあって、隙のない脚本には脱帽だ。

技術力 9
緊迫感 10
体感度 10
個人的総合 10

 以下に、ネタバレとなる感想を少しだけ。

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posted by Dr.K at 13:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月05日

「BRAVERY DEFAULT For the Sequel」その2

 このゲームは、オーソドックスな一人用RPGであり、見た目もシステムも昔風だ。
 ところがである。近年の流行を反映してか、ソーシャルゲームから引いてきたような要素が目立つ。

●ログインボーナス
 スクエニメンバーズにアカウントを登録し、ゲームデータをアップロードすることができる。これをしておくと、何日かに一度、装備品などのボーナスアイテムが届く。

●フレンド配信・召喚
 戦闘中に、自分の行動を配信するのがフレンド配信。他のプレイヤーが配信した行動を呼び出して使うのがフレンド召喚。「フォーザ・シークウェル」はインターナショナル版であるためか、海外プレイヤーの必殺技が手に入る。

●アビリンク
 このゲームには多数のジョブがあり、育てることで多様な特技(アビリティ)を習得できる。自分で育てるのが基本だが、フレンドがいれば、そのフレンドのアビリティも借りて使うことができる。

●SP
 新システム「ブレイブリーセカンド」を使うときに必要となるポイント。SPとはスリープポイントの略で、ゲームを起動した状態で3DSを一晩スリープすると1ポイントたまる。そんなの待てない、という人は課金して買うことができるのだが…どれくらい売れるものなのだろうか?

●ノルエンデ村復興
 物語冒頭で壊滅してしまった主人公の故郷、ノルエンデ村。これを復興するゲームが、下画面で行われる。橋を直すのに労働者を5名派遣すると10時間後に完成…というようなリアルに時間のかかるシミュレーション。「ブラウザ三国志」や、スクウェア・エニックスの「戦国IXA」を簡易にした感じだ。労働者は、すれ違い通信かオンラインプレイで、他のプレイヤーを集めてくると増やすことができる。復興自体はゲームに影響しないが、獲得できる装備品や必殺技は役立つものが多いので、オフラインのプレイヤーは苦戦必至ではなかろうか。

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 こうしてみると、いかにも今どきのゲーム、という感じだ。プレイ人口が多ければ、お互いに得があって楽しいのだろうが、「フォーザ・シークウェル」はあまり売れておらず、色々仕掛けられているのに生かし切れていないと感じる。

posted by Dr.K at 19:15| Comment(3) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月02日

ゼロ・グラビティ その1

 この冬もっとも話題の映画と言えば、世間一般的には「かぐや姫の物語」になるのだろうが、俺の周囲に限ると断然「ゼロ・グラビティ」。

忍之閻魔帳 島国大和のド畜生 姫子さんのゲーム天守閣

 何しろ、いつも読んでいるブログで絶賛の嵐。この揃い踏みは「パシフィック・リム」以来であり、それはつまり大当たりということ。ノーマークだったが、認識を改めなければいけない。
 そんなわけで、宇宙飛行士となって虚空に放り出される体験を映画館で堪能してきた。本当に良かった。薦めてくれた皆に惜しみのない感謝を。

 初めから終わりまで徹底的にすごいので、ぜひ観てほしいのだが、この映画のポテンシャルを引き出すには条件がある。誰もが言っていることだが、ここに改めて掲げる。

●「ゼロ・グラビティ」を楽しむための三ヶ条

その1、絶対に映画館で観よ
 家で観ても全く意味がない。映画館の漆黒の闇が宇宙空間と一体化する臨場感をぜひ味わってほしい。

その2、必ず3Dで観よ
 「アバター」が雄大な風景を見せるのに3Dをうまく使ったのに対し、「ゼロ・グラビティ」は主観映像を見せるのに3Dをフル活用する。数ある3D映画の中でも最高峰のデキなのは疑いないので、3D料金をケチるときっと損をする。

その3、いつもより前の席で観よ
 私は、映画館では後ろの席を取るようにしている。スクリーンの端まで無理なく見渡せた方が理解度が増す、と思うからである。遠い分、迫力はちょっと減ってしまうが…。しかし「ゼロ・グラビティ」は前で観た方がいい。視野を映像でいっぱいにし、物語を体感しよう。

 そして、ストーリーなど中身についても言いたいことはあるのだが、長くなってしまったので、それはまた次回に。

posted by Dr.K at 07:18| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月01日

2014年

 あけましておめでとうございます。

 ところで皆さん、昨晩の紅白は観ましたか? 歌手のラインアップだけでは到底予測できない、サプライズてんこ盛りの内容でした! NHK、本気で視聴率獲りにきたな。

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posted by Dr.K at 15:25| Comment(3) | TrackBack(0) | 講師の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする