2014年02月01日

ドラマ「なぞの転校生」への期待が上昇中

 深夜ドラマ「なぞの転校生」が、地味に異彩を放っている。
 眉村卓の原作は40年前に出版された。ジュブナイル小説の定番であり、非常に懐かしい。ドラマは一応現在という設定なのだが、高校生たちの様子は妙に古臭く、原作そのままのノスタルジックさがある。
 脚本の岩井俊二は、20年ほど前に特に話題になった。その監督作「スワロウテイル」の衝撃は今も覚えている。当時全盛だった、「トレンディドラマ」の俳優を多数出演させ、日本語・中国語・英語の交じったセリフをしゃべらせて、国籍不明の世界観を構築して度肝を抜いた。日本が日本でなくなったような風景に驚き、映像美優先で物語性の乏しい内容に戸惑ったものだ。その岩井が、初めてテレビドラマをプロデュースしたわけだが、癖の強い作りは健在。手持ちでふるえるカメラは、不安定な浮遊感を醸し出し、独特の照明(?)のせいか、どこにでもある風景が異化されてアートになっている。物語は極端に平版であり、3話かけてようやく「なぞの転校生」が転入するなど、スローテンポ。昔と同じ映像美優先で、これまた懐かしい。
 そのまま進めてくれても充分楽しめるのだが、3話で一つ展開があった。転校生、山沢は「平行世界」のことを口にし、別の世界から来たことを暗示する。そして、山沢がピアノを弾いていると、音楽の先生が来て何の曲かたずねる。曲は有名なショパンの「雨だれ」だ。山沢は「この世界はショパンがいないのか」とつぶやく。
 原作はパラレルワールドものの元祖であり、山沢は遠い異世界からの訪問者だった。ところが、このドラマでは、どうやらこっちの世界も現実とは異なる世界であるらしい。この先どうなるのか、にわかに気になってきた。もう映像美だけを眺めてはいられない。

posted by Dr.K at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする