シェフの一日は料理の下ごしらえから始まる。軽快な包丁さばきとともに、バックにラテン系の音楽が流れだす。開始10秒でノリノリである。
これまで、数々のハッピーエンドの映画を観てきた私だが、「シェフ」のハッピーさは群を抜いて徹底している。
(注意:以下ネタバレあり)
続きを読む シェフの一日は料理の下ごしらえから始まる。軽快な包丁さばきとともに、バックにラテン系の音楽が流れだす。開始10秒でノリノリである。
これまで、数々のハッピーエンドの映画を観てきた私だが、「シェフ」のハッピーさは群を抜いて徹底している。
(注意:以下ネタバレあり)
続きを読む幸せいっぱいの会心作。脚本・監督・主演はジョン・ファヴロー。よくぞ「アイアンマン」監督の椅子を蹴ってまで作ってくれた。脇役でロバート・ダウニー・Jr、スカーレット・ヨハンソンの「アイアンマン」組が協力しているのも微笑ましい。
シェフのカール・キャスパーは、一流レストランに勤めているが、伝統的なメニューを重んじるオーナーとそりが合わず、ついには解雇される。
きっかけがいかにも現代的だ。ある日、有名な料理ブロガーが来店すると知り、カールは新しい料理で迎えようとするが、オーナーにそれを止められる。結果、いつも通りのメニューを出された評論家は、ブログでそれを酷評。カールはぶち切れる。さらに、従業員からは、ツイッターなんか気にしないように、と慰められる。有名ブロガーには当然多数のフォロワーがおり、ツイッターで同調していたのだ。だが、カールはネットのことに疎い。ツイッターとは何だ。10歳にしてスマホを使いこなしている息子に、カールはツイッターの使い方を訊く。
「登録をしてくれ」
「ユーザー名は?」
「カール・キャスパー」
「もう使われてるって」
「俺の名前だぞ!」
(注意:以下ネタバレあり)
続きを読むいっしょにやりましょう! と言われIDを交換してみたはいいものの、参戦するとフレンドが敵チームにいて惨殺されるという日々が続いている。これは何だ。俺、嫌われてるのか。
際立ってシンプルさを感じさせるゲームだ。
例えば、ステージ選択機能がない。他のオンラインゲームであれば、ホストとなるプレイヤーが選択したり、参加者の投票によってステージが決まるものも珍しくない。ところが「スプラトゥーン」では、起動時にニュースで流れる2つのステージしか使われない。使用ステージは、数時間ごとに切り替わっているらしい。
陣取りというゲームの性質上、地形の把握は最優先事項で、自分の装備に合った居場所を見つければ、戦果は格段に向上する。いまのところ苦手はBバスパークで、死角が少ないせいか殺し合いになりやすく、勝敗が極端になることが多い気がする。
飽きそうになった頃合いで、ランクが上がったり、新ステージや新武器が追加されるので、対戦をやめるタイミングがない。おかげで、一人用のヒーローモードをさくっと終わらせるつもりだったが、なかなか進まない。贅沢な悩みだ。
「バイオハザード リベレーションズ アンベールドエディション」が予想を裏切って面白かった。「5」や「6」よりも、バイオハザードらしさが評価されているのもわかる気がする。
元々が3DS用のゲームということで、マップも広くなく、プレイ時間が短い単位で区切られていて、少しずつ楽しむのに向いている。ノーマルで遊んだのだが、難易度もやや低めになっているようだ。合間に流れるあらすじも、海外のTVドラマの趣があっていい。
「バイオハザード」シリーズは、「4」以降明らかに方向性が変化しており、特に「5」などは、強い敵を巧みな武器の活用でねじふせるという、大作シューティングの色合いが濃い。
そんな中、「リベレーションズ」は、以前のシリーズを思わせるホラー演出重視の作りとなっている。人気のない豪華客船という舞台は雰囲気があるし、ゾンビに代わる敵であるウーズも、嫌悪感のあるデザインで○。AIのパートナーキャラがついてくるのは、いかにも最近のゲームだが、パートナーがいなくなる局面が多く用意されており、心細さが強調される。序盤で装備をとりあげられる展開があり、丸腰で敵と遭遇しなければならないというのもうまい。
ホラーに始まって、敵を倒しまくるアクションで終わるのが「バイオ」の伝統だが、本作もその流れにきれいに乗っており、謎が明かされた後、巨大なボス敵を盛大に倒す。ところがそこでエンディングにならない。少し追加の物語があるのだが、その部分が強烈で、一気にホラーへと引き戻す。エンドロール後のデモもホラー映画のお約束に沿っていてにやりとできる。
思えば、「バイオハザード」一作目は、低予算のB級映画のような小品だった。最近の「バイオ」本編は、超大作であろうとして、力み過ぎているように思う。ホラーと言う題材は、大規模なタイトルには向かないのかもしれない。
※以下の記事は思い込みのみで書かれていますので、正しい情報は各リンクの記事をご覧ください
嬉しい発表が多かった今年のE3。だが何かおかしい。E3とは、ゲーム業界の未来を見せる輝かしいショウではなかったのか。
続きを読む『桃鉄』騒動、コナミは終了否定したが……さくまあきら氏は「さよなら、桃鉄」
全くもう次から次へと… コナミ側が中途半端にごまかそうとするからこうなる。「ウチはもうコンシューマやりませんので」と宣言してしまえば、コジプロ解散もサイレントヒルズ中止も、会社がこんな方針では仕方ない、で済むというのに。
そして、コナミが「桃鉄」騒動をおさめるために出したプレスリリースがまたひどい。
『桃太郎電鉄』シリーズの制作について、お客さまにご心配をおかけしております。
同シリーズは、多くのファンの皆様からご支持頂いていると共に、弊社も長年かけて育ててきた大切なタイトルですので、今後も続けて参りたいと思っております。
次回作をどのような形で提供できるかについては、さくまあきら氏と話し合いを続けておりますが、残念ながらまだ結論が出ておりません。
一日も早く、ファンの皆様に喜んでいただける作品をお出ししたいと思っておりますので、引き続き同シリーズをご愛顧賜りますようお願い申し上げます。
誰に向けた定型文だ。ムカつくので本音を勝手に予想して書き直す。
続きを読む昨年完結した「銃夢 Last Order」の続編。思ったより早い再開で喜ばしいが、連載開始すら気が付いていなかったとは完全にファン失格である。
新連載は意表をつく幼年期からのスタート。
「Last Order」の冒頭も、彼女たちが登場する回想から始まるが、今回はより詳細に過去が語られるらしい。
陽子とエーリカは、孤児院に預けられる。こんなにかわいい女の子ばかり出てくるのは、「銃夢」には不似合いだと思ったが、そこはいつもの木城ゆきと。胸糞悪いいじめに始まって、敵が襲来してからはいつも通りの非情かつクレイジーな展開。もしも、表紙の幼女に惹かれて間違って買ってしまった新規読者がいたとしたら、心よりご同情申し上げる。少女がむごたらしく殺されるマンガなど今どきそうそうなく、しかし、これこそ「銃夢」が絶好調の証なので困る。
さて、生き残った陽子とエーリカは、火星のドームを支える柱になれ、と迫られる。無印「銃夢」のナノマン樹が思い出されるが、なかったことにしたはずのエピソードがここへきて再設定されるのだろうか。
「Never Alone」をプレイし、大きな感銘を受けた。ダウンロード専売でクリアまでは3時間程度。
少女と北極ギツネを切り替えながら、ギミックを解いていくアクションゲームで、横スクロールの画面もあいまって、システム面はクラシックな印象。
特筆すべきはその世界観で、イヌピアット(アラスカの先住民族)の伝承をもとにした独特の物語が展開。デモ画面から敵に至るまで、民俗学的な考証にもとづいたビジュアルで作られている。登場キャラが少ないせいか、衣服の質感などが素晴らしく、キャラに人形劇のようなリアルさと動きのかわいらしさがある。吹雪や氷の質感もいい。
ステージを進めていくと、徐々にムービーがアンロックされていくのだが、その内容がなんと、イヌピアットに取材したドキュメンタリー。民俗学の教材のような趣だが、ゲームの設定の背景を知ることができるので面白い。例えば、なぜオーロラが凶悪な障害物としてデザインされているのか、それもまたこの映像で知ることができる。
ゲームを終え、ドキュメンタリーがかなりそろった時、サプライズが待っていた。イヌピアットに取材しただけのゲームと思っていたのだが、とんでもない。イヌピアットが開発チームに入って作ったゲームだったのである。まず、イヌピアットの文化を広く知ってもらいたいという動機があり、その方法としてゲームが選ばれたのだ。
『Never Alone』いかにして北極海沿岸の先住民族イヌピアットのゲームが作られることになったのか? その裏側を探る
イヌピアットも今を生きる人間であり、民族の将来を考えるのは当然だ。彼らはコンピューターなど使えないし、忌み嫌っているだろう、と想像するのは都会に住む者の偏見だった。映画やTV番組では、古くからドキュメンタリーというジャンルがあるが、これからはドキュメンタリー・ゲームというジャンルが出来てくるのかもしれない。
「Never Alone」は、ゲームも面白く、イヌピアットに関心を持たせる目的もうまく達成している。これからの指針になる出来であり、海外で多数の賞に輝いたことも納得だ。