2017年07月31日

「Horizon Zero Dawn」その6 見事な結末

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 トールネックの上から眺める夕日は最高だ。

 「Horizon Zero Dawn」をようやくクリアした。オープンワールドのゲームは、自由度がある分、完成度の面で荒くなる傾向があるが、本作は隅々まで見事に仕上がっており、快適に楽しむことができた。

注:以下に結末を含むネタバレあり

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2017年07月30日

Switchで〈ぺんぎんくんWARS〉がリメイク。気になる!

 プロ野球のヤクルトスワローズでは、つばめのマスコットが破天荒な言動により「畜ペン」(畜生ペンギン)などと呼ばれ親しまれていますが、ゲーム界の破天荒なペンギンと言えば、間違いなく「ぺんぎんくんWARS」でしょう。
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 「ぺんぎんくんWARS」は、85年にUPLからリリースされたアーケードゲーム。ですが、ゲームセンターで見た記憶がほとんどありません。アスキーから出ていたファミコン版やPC版の方がよく知られているのではないでしょうか。
 すべてのボールを相手側に投げ込めば勝ち、というルールで、パッと見はのどかなどうぶつエアホッケー。しかしその実態は、相手にボールをぶつけ、ピヨっている間にさらにぶつけ続けて、ハメ殺すのが必勝法という鬼畜ゲーム。対人プレイなどしようものなら、険悪になること必至です。


 その問題作が、復刻移植どころかまさかのリメイク! びっくりです。そして、記事を読んで気になったのは、

BGMは、オリジナル版で使用された楽曲の“現代リメイクバージョン”のほか

というくだり。元のゲームのBGMは、石川秀美の「もっと接近しましょ」。当時のアイドル歌謡であり、ゲームと合った要素が全くない謎の選曲。しかもタイアップどころかおそらく無許可で使っていると思われます。これが新作ではいったいどうなるのか? 誰かがカバーして歌うのか? 気になって仕方ありません。
posted by Dr.K at 13:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月25日

カーズ2

 一作目が王道のストーリーだったため、何の警戒もせず見てみたら、これがもうとんでもない怪作。

 まず、冒頭の潜入シークエンスで大いに笑う。車がワイヤーアクションを使いこなし、柱をよじ登り、あげく水中形態に変形。こりゃまたインパクトのあるプロローグだな、と感心していたら…
 なんと、それがそのまま本編だったのである。
 今作ではライトニングは主役の座を降り、メーターを中心にしたスパイものとなっていたのだ。いやいやそりゃないぜ。前作のファンなら、ライトニングのさらなる活躍こそ見たいはず。スター・ウォーズの続編を見てみたらジャージャー・ビンクスが主役だった、というのと同じくらいの暴挙である。
 また、前作がきちんと車ならではのストーリーになっていたのに対し、今回はその必然性に乏しい。それ車でやる必要あるの、という状況が連発し、プロローグで笑っていた私もだんだん真顔になってしまった。「1」が車を擬人化した映画だとするならば、「2」は人間を擬車化した映画だ。真犯人がわかるまでの間、きちんと伏線が積み重ねられており、スパイものとしての完成度が高いのが余計に腹が立つ。
 現在劇場で公開中の「カーズ クロスロード」は、ライトニングのレースを中心にした物語に戻っているようなので、「2」がなぜこんな寄り道をしたのか、不思議でしょうがない。

意外性 10
娯楽性 8
必然性 1
個人的総合 4
posted by Dr.K at 23:54| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月23日

メアリと魔女の花

 ジブリを飛び出し、スタジオポノックを立ち上げた米林宏昌監督。心機一転、これまでと違うものを作るかと思ったらさにあらず。ジブリ時代の集大成のような作品をぶつけてきた。
 「魔女宅」のように飛び、「ラピュタ」のような旅をし、大学は「千と千尋」のような舞台で、敵は「ポニョ」や「ハウル」で見たようなデザイン。おまけに声は「アリエッティ」や「マーニー」で聞いたことがある俳優ときたもんだ。よそのスタッフがやったら到底許されないが、これでパクりと言われないのが米林監督率いるポノックの強みだ。宮崎駿監督が作らなくなって久しい、直球の冒険活劇、アクション映画を見せてくれたのは素直に良かった。
 しかし残念なことに、見た目に反してスケール感に乏しい。
 米林監督の過去の作品、「アリエッティ」は一軒の家が舞台。「マーニー」もお屋敷とその周辺くらい。なので、少ない登場人物で話がまとまっていた。一方、「メアリと魔女の花」は、人間界と魔女の国とが交差する「ハリーポッター」に比すべきスケールの話のはず。それなのに、登場人物が極端に少なく感じるのだ。
 理由は、圧倒的なモブの薄さ。メアリの周囲に、村の住人らしき姿がほとんど認められない。魔女の大学に至っては、学生の顔の区別もつかない。他人がいないから世界観に厚みが出ないのだ。これが宮崎駿監督なら、「ラピュタ」の炭鉱の町、「もののけ姫」のタタラ場、「ハウル」の異国の街に至るまで、ありとあらゆる場所が人で満たされ、物語に影響のないモブでさえ一人一人個性を与えられていたわけで、そうした手のかかる描写があればこそ、世界は生きたものとなりスケールの大きさを感じさせたのだ。
 何のとりえもないメアリが、魔法を褒められて調子に乗ったり、つい嘘をついてしまったり、一人称的な心理描写には長けた作品と感じる。しかし、魔法を「手に負えないエネルギー」と表現し、原発事故と重ねたメッセージを発するのはまだ早かったようだ。

既視感 8
スケール感 3
ネコの存在感 9
個人的総合 5

他の方の「メアリ」評
忍之閻魔帳 …辛口!
琥珀色の戯言 …普通

posted by Dr.K at 17:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月20日

「Horizon Zero Dawn」その5 装備見直し

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 ストーリーもそろそろ大詰め。大物と戦う機会が増え、標準装備である弓と槍では与えるダメージが小さく、戦闘が困難になってきた。そこで、装備を見直してみると、劇的に難度が下がった。ゲーム勘の悪い私にしては稀な経験だ。工夫で成果を上げられるゲーム、面白い!

●ロープキャスター
 敵を地面に縛り付け、動きを封じることができる武器。これ自体はダメージを与えられないため、ずっと無視していたが、実は最強装備と判明。ロックオン機能の存在しないこのゲームで、デカブツの体当たりを阻止できるのは大きい。撃ちまくると、デカい敵がど〜んと横倒しになる。原始人のマンモス狩りみたいですごく楽しい。縛ってから他の武器で攻撃するのが基本。

●ブラストスリング
 手りゅう弾的な飛び道具。爆発するので高威力だが、狙いにくく、連発できない欠点を持つ。
 だがロープキャスターと組み合わせるとどうか。相手が動けないので全弾命中。しっかり狙わなくとも爆風でガンガン部位破壊。改造パーツ〈ダメージコイル〉を積めばもともと強かった威力もマシマシになり、ボス級の敵とも渡り合える。他のゲームの手りゅう弾と違って数が確保できるため、遠慮なく使えるのもいい。

●炎の矢
 初期からある弓装備で、炎属性を弱点とする敵が多いので頻繁に使用する。しかし、炎ダメージは小さく、いまいち使えない印象があった。
 ところが、改造パーツ〈火炎コイル〉を積みまくったら状況は一変。敵兵士はたちどころに焼死し、機械獣は簡単にオーバーヒート。一気に強武器に昇格した。

 改造パーツ初め、工夫次第で色々な戦略が生み出せるので、皆さんも色々試してみてはいかがだろうか。
posted by Dr.K at 09:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月17日

歓喜! アリカが新作格闘ゲームを発表

 格闘ゲームをプレイしなくなって久しい、そんなおっさん達に朗報。


 アリカが格ゲーに帰ってくる! 会社設立20周年にふさわしいめでたい企画だ。そもそもアリカは、「ストリートファイター2」の生みの親である西谷亮が興した会社だ。なので、「ストリートファイターEX」をはじめ、いくつかの格闘ゲームを手掛けたが、PS2本体と同時に発売された「EX3」を最後に、オリジナル格闘ゲームからは離れていた。
 17年を経て、PS4で蘇ったキャラクターたちは相変わらず変。思えば、「スト2」のキャラの変さは多分に西谷氏の采配によるもので、インド人の手足が伸びたり、ロシアのプロレスラーが大回転したり、正気と思えぬ尖りぶりだった。そんな奴らが今も活躍しているというのは全く愉快である。
 アリカに移ってからもその奇抜さはいささかも衰えず、
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必殺技の最中に卓袱台で向かい合ったり(冷蔵庫のショボさが泣ける)、
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「鉄拳」の熊どころではない、サメとの格闘があったり
とにかく面白ければ何をやるかわからない会社なので、「スト5」の二番煎じに終わることなどありえないのである。期待して待ちたい。あと、ドクトリンダークの参戦希望
posted by Dr.K at 20:48| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月16日

Splatoon2もない夏休みに僕は

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 発売迫る「Splatoon2」の前夜祭が開かれ、Switchユーザーからのプレイ報告がネットを飛び交っている。それなのに私はなぜ静観しているのか。
 Switchが買えないからである。
 当初は品薄ながら普通に買えた気がするのだが、「Splatoon2」同梱版が予約開始したあたりから競争が激化し、どこへ行っても売ってないレベル。
 予約できません、なんてのは過去にもあったが、入荷するたびに抽選販売の行列ができる異常事態である。ヨドバシみたいな大手が込むのは当たり前としても、地元の中堅ショップでさえ数台の入荷に10倍以上の抽選希望者が群がっている。抽選は来店者のみということで、炎天下に何度も足を運ぶ気合のある者だけが権利を手にし、しかもほとんどはハズレである。子供にせがまれているらしいお父さん、お母さん、本当にご苦労様。
 この有様では、あきらめて他のゲームにする人もかなり出るはずで、ライトなユーザーが参戦することで盛り上がってきた「Splatoon2」にとっては重大な機会損失と言える。
 私も夏休みはあきらめて積みゲーの消化にあてる予定。
posted by Dr.K at 11:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 講師の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月11日

美女と野獣

 恋愛ものは苦手で、女性視点だとさらに苦手。というわけで、観に行くまでにかなりの逡巡があった「美女と野獣」ですが、なんということでしょう、アニメ版より見やすいじゃないですか。

 原因は、実写版での作り足し。大筋はアニメ版の通りなのですが、開始早々王子様が登場。野獣になるまでの経緯が映像化されます。おいおい、いきなり正体わかっちゃうじゃん。観客のほとんどが結末を知っているという前提の、大胆な改変となっています。また、中盤では、王子が早くに母を亡くし、冷酷な父王に育てられたという背景が語られます。
 総じて、野獣の視点に立った描写が補強されており、ベルが主役ではあるのですが、野獣の側にも自然に感情移入できる筋運びとなっています。魔法で獣にされる、なんて設定はおとぎ話でしかありませんが、過去の過ちにより本来の生き方ができていない、と見れば思い当たる人も多いはず。共感できる人物に仕上がっています。なお、対比的に、ガストンの方はアニメ版よりクズ度がパワーアップしています。
 一方、ベルの方もエマ・ワトソンが演じるせいか、乙女というよりは非常に男前なキャラで、好感度が高いです。双方が良い人物なので、ハッピーエンドを素直に喜べるのがいいところ。
 ストーリーは知っている上に、前半はゆったり進みますので、ちょっと心配したのですが、後半はしっかり盛り上がるあたりさすがです。

 なお、ちょいちょいゲイの出番があるのは、性的マイノリティへの配慮かと思われますが、ギャグ扱いされ過ぎていて、悪目立ちに感じられます。いらんなあ。

CG技術 9
音楽  9
風格  8
個人的総合 7
posted by Dr.K at 23:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月08日

続々登場、ミニゲーム機

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 ニンテンドークラシックミニファミリーコンピュータ。
 昨年発売。入手困難で話題になりました。弟が買ったのですが、FF3を初めてプレイして面白かった模様。「別のFFをやりたい」と言いますので、押入れにあったPS1本体とFF7を譲ったところ、特に不調もなく楽しんでいるとのこと。20年遅いわ。

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 ニンテンドークラシックミニスーパーファミコン。
 10月予定。収録タイトルも定番&鉄板ですし、また売れるでしょう。未発売の「スターフォックス2」を入れてくるあたり、マニア心もしっかりくすぐってくるという抜かりのなさです。

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 来年2月予定ですが、来週から予約受付。これは不意打ち、全く予想外。アーケード版稼働20周年ということで、オンライン専売で登場します。中身が新作でないのは残念ですが、専用コントローラーがそのまま本体になっているというアイデアが秀逸。意外に台数が出るかもしれませんよ?
posted by Dr.K at 16:36| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月02日

原田知世「ロマンス」のPVが胸熱

 先日、原田知世が20年ぶりにミュージックステーションに出演し、49歳とは思えぬ麗しさが話題になりました。
 今回の出演は、デビュー35周年を記念して発売される、「音楽と私」のプロモーションのためと思われます。「音楽と私」は、セルフカバー作品を集めたアルバムとのことで、YouTubeにPVが上がっています。


 これは凄い! すっかり胸が熱くなりました。
 若い人にはどういうことかさっぱりわからないでしょうね。中田ヤスタカプロデュースのPVみたいに、バリバリに編集加工されてカッチョイイ映像じゃないですし。
 この凄味は、オリジナルと比べるとわかります。


 セルフカバーなので歌が同じなのは当たり前ですが、見ての通り、PVも昔のものをオマージュしているわけです。自転車、電車、海、といった同じモチーフが使われています。
 しかし、映像の印象はかなり異なります。オリジナル版は、海外のスタッフにより海外で作られており、キラキラとカラフルです。当時、原田知世は29歳。元アイドルからアーティストへと脱却するための、力みのようなものが残っています。
 ところが、新しい方はどうでしょう。白い服に黒い髪というモノトーンの出で立ち、場所も国内のよく知られたロケ地で、地味ですがとても自然体。むしろこちらの方が完成度が高いのでは、と思うのですが、20年経ってそんなことができる歌手がそうそういるとは思えません。
 原田知世は本当に時をかけています。凄い。
posted by Dr.K at 23:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする