2018年07月30日

「Life is Strange: Before the Storm」その1

 買うかどうか迷っていたのだが、評判がいいので購入。
 「Before the Storm」は、「Life is Strange」の前日譚となる作品。マックスと再会する前のクロエを主人公としたストーリーが展開する。マックスがいないので、前作の最大の特徴である時間巻き戻しが出来ず、普通のアドベンチャーゲームになっている。開発会社も違っており、以前の良さが引き継がれているか心配である。
 しばらくプレイして、その心配は払拭された。まず、物を調べた時の細やかなメッセージは健在。クロエの性格も違和感がない。何より、レイチェルとの関係性の描き方が素晴らしい。これなら胸を張ってシリーズと言える。「Life is Strange」では、破天荒なクロエが、主人公のマックスを振り回す展開だったが、それ以前にはクロエの方がレイチェルに振り回されていたのだな、と感慨深い。

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 さて、学校ではクラスメイトがTRPGに興じており、これにつきあう選択をすると、実際に参加することができる。マスターの語りも素晴らしく、異様に作り込まれている。学生時代にD&Dをプレイしていた身としては、なんとも懐かしい。私のプレイでは、クロエのキャラが死んで終わってしまったが、途中には何度か選択肢があり、見事にクリアするという結末もありそうだ。本筋を進めるにあたってはどうでもいい部分だと思うが、気になるのでもう一回挑戦しようかな。
posted by Dr.K at 20:39| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月29日

ドラマ「この世界の片隅に」 第二話

 枠が良いせいか、視聴率がとれたようで結構結構。

 第二話は、すずさんの新婚生活から里帰りまで。
 原作では、ご近所に若い人がおらず、すずさんの孤立感が強かった。ところが、ドラマでは幸子はじめ、同世代のキャラが追加された。話し相手が出来、にぎやかになった分、径子のプレッシャーが緩和されている。
 ドラマはすずさんをどんな人物にしたいのだろう。今のところ、絵を描く場面が少ない。また、実家から嫁ぎ先へ、すっと帰れてしまう。原作では切符が買えずに帰宅を延期するという、印象的なボケがあるのだが、どうやらドラマのすずさんはそういうキャラではないらしい。
 終盤に、制作側の苦心が見えた。今回の話に登場しない人物を、少しだけ見せたのだ。映画であれば、一度に最後まで見るのが前提なので、キャラを登場させるタイミングは自在。しかしテレビドラマでは、毎週姿を見せておかないと、いざという時に「これ誰?」となってしまう。りん、水原、そして現代と、あわただしく場面が変わり、それまでのゆったりした流れと異質の映像になってしまった。
 主張の強すぎるBGMにもだいぶ慣れてきたが、どうにもジブリから借りてきた感が否めない。

 最後に予告的な映像が流れたが、次回だけでなく、今後の出来事を満載しており、必死過ぎ。原作にあるエピソードはかなり細かいところまで盛り込んでいることが伝わったが、いやいや、これじゃどんな話か全然分からないでしょう。
posted by Dr.K at 11:27| Comment(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月28日

宇宙イカ革命「Splatoon2」 その12

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 発売一周年のフェスはイカVSタコ。私はSwitchの入手が遅かったのでまだそんなに経っていないが、めでたいことである。

 さて、フェス中には、自分の強さを表す指標として、〈フェスパワー〉が計測される。7戦ほどかけて数値が算出され、以降はフェスパワーの近い者同士でマッチングされる仕組みだ。前回のフェスで使い始めたスパイガジェット・ソレーラを手に意気揚々と参戦したのだが、これが失敗。今回はどうもうまく立ち回れず、負けまくった結果、フェスパワーが過去最低の1300代からのスタートとなってしまった。
 がっかりして装備変更。慣れたN-ZAPは1300代の対戦では圧倒的な強さとなり、一転してチームをリードする立場に。フェスパワーも終始上り調子のまま終わった。なんだかズルしたみたいで申し訳ない。

 我がイカ陣営は、得票数こそ負けたものの、対戦成績で勝り、一周年記念フェスを制した。イカのゲームでタコが勝つ番狂わせは防がれた。これもまためでたいことである。
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2018年07月22日

グレイテスト・ショーマン

 2月に公開された映画で、とっくにDVDも発売になっているにも関わらず、いまだに上映している劇場がある。気になったので観に行った。おお、なるほど〜。これはリピーターがつくのも納得だ。

 まず音響。ミュージカル映画なので、楽曲はもちろんメインディッシュだ。しかしながら、家庭では大音響で観るなど不可能。地鳴りがするような迫力あるオープニング曲は、映画館でしか味わえない体験だ。ロングランのせいか、エンドロール後に練習風景が流れたのもお得感があった。
 そして映像。ヒュー・ジャックマンが演じる主人公は、かつて実在した興行師P.T.バーナム。当時の常識にとらわれることなく、フリークスを起用したショーを敢行する。題材的に、後ろ暗い映像になりそうなものだが、この映画ではショーはきらびやかで、演じるフリークスたちもセンスの良い服装で生き生きと踊り、楽しさが画面に充満している。
 物語はバーナムの少年時代から始まる。ところが、貧しい生活から身を起こし、ショーを成功させるまでがあっという間だ。うまく行くかどうかでハラハラさせるつもりがない、ということがわかる。続いて、成り上がったバーナムは、上流階級に認められるべく奔走し、ショーの仲間をないがしろにする。いったん沈むかと思われる部分だが、仲間たちの怒りはミュージカルに昇華し、力強いメッセージ性にテンションはむしろ上がる。最後にバーナムはすべてを失い、本当に大切なものに気付く。しみじみとする間もなく、壮大なショーが印象をすべてさらっていく。
 ミュージカルというと、なんとなく格調が高くて近づきがたいが、この映画はエンターテインメントに徹する。考えさせられる部分が少ないので、評論家筋からの評価は低いようだが、観終わってこれだけ元気を貰える作品は貴重。機会があれば、もう一度劇場で体験したいと思う。

映像美 7
音響 9
癒し効果 10
個人的総合 8
posted by Dr.K at 19:40| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月21日

まさにシリーズ集大成 「逆転裁判6」

Gyakusai6_1.jpg 買ったまま開けていなかった「逆転裁判6」をようやくプレイ。
 「4」では成歩堂が被告になり、「5」では法廷が爆発、そして「6」では弁護士が忌み嫌われる異国が舞台。この調子だと次回作では宇宙人と裁判を起こしかねない。

 当初はインパクト重視のキワモノ、という印象が強かったのだが、プレイを進めてみると意外や意外、これはまさしくシリーズの集大成となる一本だ。
 まず登場人物。新しい舞台、新しい事件なので新キャラばかりだろう、という予想を裏切って、なつかしいキャラが出るわ出るわ。過去に登場した弁護士や検事は多くが再登場となり、それぞれに成長した姿を見せてくれる。
 そしてシステム。死者の記憶を呼び起こす「御魂の託宣」という新システムがあるのだが、それだけではない。成歩堂のサイコ・ロック、王泥喜のみぬく、心音のカウンセリング、茜の科学捜査など、過去作のギミックはすべて出てくる全部盛り状態。もしも、「6」から始めたプレイヤーがいるとしたら、煩雑すぎてわけがわからないことになるかもしれない。
 すべての技を使って、難事件、難敵に挑むのはなかなか楽しいが、これも過去作を経験していればこそ。まだエンディングを見ていないのだが、これで最終作と言われても不思議のないストーリー展開になってきた。残りを楽しみにプレイしたい。
posted by Dr.K at 19:33| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月16日

ドラマ「この世界の片隅に」 第一話

 「この世界の片隅に」がテレビドラマになって放送開始。映画では、アニメならではの表現が随所に見られたが、実写版となるドラマはどうなるか、お手並み拝見。

 冒頭がいきなりオリジナル設定。誰だか分からぬ男女による現代パートだ。いきなり戦前の話を始めても親しみがわきにくい、との判断だろうか。なんだか昔ヒットした「セカチュー」のような構成だが、「片隅」を「中心」のやり方で語られてもいかがなものか。
 続いて、原作通りにすずさんの子供時代。すずは想像力の豊かな子供で、ファンタジーなのか現実なのか、判然としないエピソードが描かれていた。ところがドラマでは、ファンタジー要素を排除。化け物はただの人さらいになったので、原作にあった意外な再登場はなくなりそうだ。また、座敷童も早々に名前が明かされ、映画のエンドロールのような種明かしは必要なくなった。
 第一話は、すずの結婚まで。原作では、義姉が唯一トゲのある人物だったが、ドラマで追加された人物が敵意を露わにしており、今後の展開をかき回しそうだ。
 そして締めは現代パート。この女性、一体何者だろうか。血縁者にしては何だかよそよそしい。彼女の正体がドラマオリジナルの謎となるらしい。

 脚本と音楽は大御所を起用。キャストもいい俳優を使っており、ロケ地やセットもかなりがんばって背景を再現している。総じてまじめに作られているが、アニメに比べると画面の特定個所に注目させる引力が乏しく、なんとなくぼんやりした印象だ。とはいうものの、盛り上げるために変なアレンジを加えるのはご勘弁を。続きを楽しみに待つことにする。
posted by Dr.K at 18:58| Comment(2) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月15日

劇場版ポケットモンスター キミにきめた!

 世代が違うので、「ポケモン」映画は全く観たことがないが、最初のエピソードに遡る作品と聞いたので、テレビ放送を機に視聴。「ドラえもん」映画がリメイク作をスタートさせてからだいぶ経つが、「ポケモン」もついにその域に達したかと感慨深い。

 見た目はいつも通り子供向けだが、親世代へのアピールが凄まじい。ピカチュウとの出会いを振り返った後、オープニングは懐かしい歌、懐かしの名場面の連続となり、オールドユーザーの心を鷲掴みにする。
 ストーリーも非常に工夫が凝らされている。もともとのポケモンはバトルを重ねて頂点を目指す、スポーツマンガに近いストーリー性を持つ。しかし、「キミにきめた!」は、ホウオウを目指す旅と、その過程での主人公の成長を主題とした。その結果、ゲーム内のバトルの再現に期待した観客には物足りないものになったかもしれないが、映画としてはこれ以上ない王道の物語となった。少年たちの旅路は、「スタンド・バイ・ミー」のような名作の貫禄さえまとっている。
 個人的に面白かったのが、主人公が夢の中でピカチュウの存在を忘れてしまう場面。ポケモンの存在しない世界は、我々の住む普通の世界のようだ。たまたまポケモンの世界だったから、彼らはヒーローになったが、普通の世界であれば普通の少年だった。そんなことを感じさせる演出だった。
 新しいポケモンの名前や、新しいゲームのストーリーを知らない人でも楽しめる、普遍性の高い映画だ。

オープニング 9
エンディング 8
ロケット団 3
個人的総合 7
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2018年07月07日

ファインディング・ドリー

 いつもは巧みに吹替えられているディズニー映画だが、これはのっけから失敗。

「あたしはドリー、なんでもすぐ忘れちゃうの」

 単に頭が悪いだけ? そうじゃない。英語だとちゃんと短期記憶障害と言っている。ここが伝わっていないと、物語の全体が、単なるドタバタ・スラップスティック・ギャグで終わってしまうことになる。
 いつもながら素晴らしい映像だ。海の中の景色は多彩で美しく、タコはCGであることを忘れさせる動きを見せ、地獄のような演出を施されたタッチプールには特に笑えた。
 しかしながら、ストーリーには難がある。今回は、水族館が主な舞台。ドリーは両親を探して、施設の中へ突入する。「ファインディング・ニモ」で、ニモが水槽に囚われてしまった時の危機感は大変なものがあった。ところが、「ドリー」では、タコやら鳥やらが移動手段として万能なため、水族館でも大した危機感なく縦横に冒険できてしまう。短期記憶障害というハンデを個性と認め、「偶然を大切に、直感的に生きよ」というのが本作のテーマ。しかし、それをストーリーに落とし込むとご都合主義と見分けがつかない。他の会社が作った映画ならともかく、ガチガチに計算ずくのストーリーが持ち味のディズニーがそれをやると違和感が大きい。色々と腑に落ちないまま感動の場面を見せられ、大団円を迎えてしまった。
 夢があるのと荒唐無稽との境界は際どい。

映像美 9
超能力 8
超展開 8
個人的総合 5

〈他の方の真っ当なドリー評〉

posted by Dr.K at 22:11| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月06日

早く人間になりたい! 「Detroit: Become Human」その4

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 ここからは、chapter機能を駆使して途中からやり直す。主要キャラが死ぬバッドエンドを何度も経験し、ようやく皆が生存できるエンディングを迎えた。

 かなりストレスのたまる作業だった。何しろ、ちょっとした操作が原因でストーリーが変化してしまうため、他のゲームなら当然備えているであろう早送りやスキップが一切できない。わずかな可能性のために、変えたい部分以外でひたすら同じプレイを繰り返さなければならないのは苦しく、しかもあてがはずれて別のバッドエンドになろうものなら、大変な徒労である。
 しかし、目当てのエンディングを見た後は、評価が一気にポジティブになった。アドベンチャーゲームでは、エンディングが複数ある場合、どれが最も正しいか、決まっているものが多い。グッドエンド、トゥルーエンドなどと呼ばれるそれは、作者の伝えたい事と合致した物語になる。ところが「デトロイト」では、作者の価値観は意識的に隠され、どの展開もが本流に感じられるように作られている。初プレイでの結末が、最も真に迫って感じられたという感想が多数見られるのはそのためだ。また、ゲームなので、ついキャラクターを生存させることに固執してしまうが、途中で死んだ方が映画としては正しいよな、と感じることがあるのも面白い。分岐を埋め尽くすプレイも良いが、自分なりの一番感動的な映画を作る、という遊び方はいかが。このゲームにしかできないのでお勧めだ。
posted by Dr.K at 23:03| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月01日

blog珍品堂は日雇礼子を応援します!

 HIKAKINらの大活躍によって、ようやくYouTuberの認知が進んだと思ったら、今度はVtuberである。そりゃそうなるよね。大体の人は顔出しで有名になろうとまでは思わないし、そもそも出せるほどの顔でもない。
 この、現在大発生中のVtuberだが、私はおよそ面白そうと思ったことがなく、従って番組を観たこともなかったのだが、このたびとんでもない奴に出くわした。日雇礼子だ。


 その内容は衝撃の一言。そもそもVtuberとあいりん地区の日雇い労働者という組み合わせがありえない。しかも恐ろしいことに、単に奇抜を狙ったキャラではなく、中の人はその土地を知り尽くしたオッサンだとわかる。Vtuberらしく、毒舌も冴えているが、興味本位の野次馬ではなく地元の生活者として語っているので嫌みがない。アクセスを稼ぐためにしょうもないことで目立とうとする、浅はかな若者には到底まねのできない、孤高にして本物の配信者だ。これからもまったりと、ディープな大阪を伝えてほしい。
posted by Dr.K at 19:18| Comment(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする