先日は、GCC(ゲーム・クリエイターズ・カンファレンス)に行ってきました。大阪で年一回開かれている、ゲーム開発の勉強会です。
今年のお目当ては、カプコンによる講演で、最新作「デビルメイクライ5」の事例を通じて、感情から逆算するゲームデザイン作法を解説するというものです。
内容は、サンフランシスコで開催されたGDCと同じ。ただしこちらは日本語版で完全版です。アメリカまで行く手間が省けたじゃねえか、ありがてえありがてえ。
ファミ通.com:「デビルメイクライ5」の本当のテーマは…
さて、講演の内容はリンクを見ていただくこととして、以下は感想です。
ゲーム開発というと、どうしてもCGやらプログラムやら、技術的なトピックが前に出がちです。それは専門学校の学生でも同じで、技術のみを学んだ結果、一応ゲームの形を成してはいるが、何も伝わってこない作品が珍しくありません。原因は簡単、そもそも伝えたいことがないのです。
「感情から逆算するゲームデザイン」は、まずユーザーに伝えたい感情が先にあり、そのためにゲームをどう作るか、という方法論でした。「デビルメイクライ5」のような、大企業の洗練されたプロダクトに見えるものが、昔ながらの泥臭い思考実験の果てに作られたと知るのは、なんとも愉快。これはぜひとも学生に伝えねばなりますまい。
愉快といえば、ディレクターの伊津野氏は、本当に面白く話しますね。「面白くない企画マンは生き残れない」というカプコンの伝統は、25年経っても変わらないようです。プロデューサーのマシュー・ウォーカー氏に至ってはアメリカ人なのにすっかり芸人化しており、ジョークを飛ばすわ観客をいじるわでやりたい放題です。
未プレイのため、壮大なネタバレを食らってしまいましたが、「デビルメイクライ5」、今度プレイしてみようと思います。