2019年05月27日

宇宙イカ革命「Splatoon2」 その22

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 今年も全く勝てる見込みのないオリックスに業を煮やしながら、パ・リーグに票を投じる。

 先日のフェスのミステリーゾーンは、とてもエキサイティングだった。撃つとはじけるギミックの「コロガリウム」がステージのそこかしこに置かれており、それらがパンパン飛び交う。味方に吹っ飛ばされることもザラにあり、予測不能の戦いが展開された。
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 私は、新武器のN-ZAP83で参戦。本体が連射力で塗りまくる性能なのに加え、密かに陣地を広げられるスプリンクラー、しばらく居座って敵陣を塗るアメフラシと、極端に塗り特化の組み合わせ。はまればとんでもない爆発力を発揮する。敵を倒す方はてんでダメなんだけどね。
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2019年05月26日

甲鉄城のカバネリ 海門決戦

 TVシリーズのその後を描いた、中編アニメ映画。素晴らしい。シリーズのファンに対して、満額回答いただきました!

 生駒以下、主だった人物が全滅しかねない緊張感はなりを潜め、アクションとラブコメ要素が突出した、陽性の作品に生まれ変わり、それが成功しています。
 まず、ヒロインの無名が元気なのが嬉しい。TVシリーズでは、終盤、囚われのお姫様ポジションとなってしまって活躍の場がなかったのですが、「海門決戦」では大活躍。二丁拳銃だった装備が、片手撃ちのショットガンに変更され、豪快なバトルが見られます。また、もう一つの柱となるのが生駒との恋愛エピソード。兄様の呪縛を解かれ、すっかり少女の表情になっているのが新鮮です。
 カバネとの戦いも、映画用にスケールアップしているのですが、これまでの旅で甲鉄城の面々が手練れになっており、負けそうなどとはほとんど思いません。安心して(笑)戦いに身をゆだねることができます。鉄道を活用したアクションも健在です。

 ラストシーンからエンドロールへの流れが完璧なのですが、なんとインド映画のような踊りです。故郷を奪還するまでには、さらなる苦難や犠牲が避けられないでしょう。だからこそ、一瞬の平和を謳歌しているように感じられました。

アクション 9
ラブコメ 9
物語の核心 2
個人的総合 9
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2019年05月19日

驚きのシーズンパス発売開始! 「テトリス99」

 テトリスでバトルロワイヤルという驚嘆すべき発想の神ゲー、「テトリス99」。ただ今開催中のイベントでは、ゲームボーイ版テトリスの発売30周年を祝して、ゲームボーイ仕様の見た目になっている。さらに、BGMや効果音も変わっており、予想以上にいい雰囲気だ。
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 このゲームは2月に配信開始され、Switch Onlineへの加入を条件に無料で遊べたのだが、今月になって有料コンテンツの販売が開始された。何しろテトリスなので、ガチャも要らないし、ステージも追加できそうにない。いったい何を売ろうというのか。
 何と、オフラインで遊べるCPUバトルモードと、一人で遊ぶマラソンモードを売るのだという。オンラインが無料で、オフラインのゲームモードが有料なんて、他のゲームと逆じゃないか。こんなの今さら売れるのか?
 多分売れるのである。オンラインのプレイヤーもそろそろ極まってきて、偶然に1位を獲ることが難しくなってきている。CPU相手でもいいので、1位を経験してみたい、というザコプレイヤーはかなりいるはず。こんなところにビジネスチャンスがあったのか、と感心する。
posted by Dr.K at 23:25| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月18日

「どろろ」第十六話 しらぬいの巻・第十八話 無常岬の巻

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 お待ちかね、しらぬいの登場だ。50年前のアニメでは、この話は含まれなかったため、なんと初の映像化となる。原作をうまくアレンジした造形が秀逸だ。なお、マンガでは隻腕ではない。

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 山や森で化け物退治をすることが多い「どろろ」で、海を舞台にした今回は異色のストーリー。巨大な人食い鮫となれば、どうしても「ジョーズ」が思い浮かぶが、実はマンガの「どろろ」の方が先。上陸して人間を襲う、というB級サメ映画のような展開もこの時点でやっており、手塚の発想の先見性に感心させられる。どろろが鮫の鼻先に立つという無謀すぎる作戦も、原作の通りにアニメ化されて嬉しい。

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 裸にひん剥くなんてひどい! という感想が見られたこの場面も、構図も含めて原作通り。
 しかしながら、ストーリーはかなり変えている。マンガでは、岬に攻めてくる侍たちはモブに過ぎなかったが、アニメでは多宝丸一行となり、より重要な戦いとなった。そのとばっちりで、しらぬいが直接百鬼丸と剣を交える機会がなくなり、印象的だった水葬シーンもないのは残念だ。
 そして最大の変更は、お宝。マンガでは、宝はすでに移されており、もぬけの殻だった。背中の地図は無意味だったという結末は、連載が打ち切られたこともあって、さらに虚無的な印象を強めた。ところがアニメでは、財宝が発見される。これは物語の終わり方に大きく関わってくるかもしれない。国に対抗するために使われるのか、それとも国を立て直す元手になるのか。

 …などとまじめに考えていたら、次回予告がギャグ回でどっちらけ。だがちょっと待て。このBGMはほげたら節のリスペクトではないのか。全く油断も隙もないアニメだ。
posted by Dr.K at 13:57| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月14日

バースデー・ワンダーランド

 5月1日、連休の真っただ中かつ映画の日、劇場は「アベンジャーズ」も「名探偵コナン」も「クレヨンしんちゃん」も満席です。ところが「バースデー・ワンダーランド」はガラ空き。いやあ、売れてないですねえ。かつて「クレヨンしんちゃん」を監督した原恵一は、この現状をどう見ているんでしょうか。

 「クレしん」のせいで、ファミリー層に強い王道の作家と誤解されがちですが、原恵一はアニメ監督としては特異な人です。どんな題材でも、どんな絵柄になろうとも、生活感や現実感が生々しく表現されるのです。「河童のクゥと夏休み」「カラフル」「百日紅」、いずれの映画にもこの特徴ははっきり出ていました。
 そんな原監督が、生活感や現実感とは最も遠い、ファンタジー世界の冒険を描くのが「バースデー・ワンダーランド」です。

 主人公のアカネは、学校をズル休みしています。その原因となるエピソードが、回想シーンで描かれるのですが、ランドセルを背負っているのにびっくり。大人びたタッチで小学生に見えません。一般的なアニメのように、幼い子が幼くデフォルメされていないのです。アニメを見慣れている人ほど、違和感を感じる絵といえるでしょう。実際の小学生高学年はかなり大人びた子もいますから、ある意味リアルな表現と言えます。
 アカネと叔母のチィは、地下室から異世界へ旅立ちます。美しいファンタジーの世界ですが、現実を下敷きにした描写が目立ちます。咲き乱れる花はケイトウです。おいしい食事は栗のスープでした。砂嵐は実写映画のマッド・マックスのようです。水中のシーンでは、架空の生物は登場せず錦鯉に乗りました。
 そして、忘れちゃいけない猫の関所。「猫の恩返し」を思い出す場面ですが、こちらの方がずっと猫の性質をリアルに描いており、猫好きに媚びるかわいさがありません。
 以上のように、リアリティ重視の世界描写は、錬金術や魔法が存在する荒唐無稽なストーリーとは変にずれて感じられます。緊張感がなく、自由過ぎるチィは面白いキャラですが、これも世界の危機に直面しているストーリーとはちぐはぐです。止めに、アカネの母がどうやらかつての〈緑の風の女神〉らしいとわかるのですが、その事で驚かせたり感動させたりしません。型にはまった演出を嫌う原監督らしいのですが、エンターテインメントとしてはひねくれすぎていると思います。

 アカネの家は、母の手で見事にガーデニングされたお屋敷です。また、叔母のチィは、若いのに自分の店を持ち、謎のアイテムに囲まれています。裕福だなあ、では済ませられない浮世離れした人たちですが、このようなファンタジーに片足を突っ込んだ人たちだから、異世界から呼ばれたのかもしれませんね。

風景のリアル 8
食事のリアル 7
物語のリアル 2
個人的総合 6

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2019年05月12日

心ガ叫ビタガッテルンダ 「NieR Automata」その5

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 このゲームには、ポッドというお供が付いてくる。ナビゲーションや通信、射撃に必殺技と、それなりに大事な役割なのだが、印象はあまり良くなかった。カメラの角度によっては視界の邪魔になるし、時折挿入されるポッド同士の会話もつまらない。
 しかし、Eエンドを観た今、ポッドたちには感謝しかない。彼らのおかげで、救いのある結末がもたらされたからだ。

警告:以下の記事はネタバレを含む
推奨:クリア後の閲覧

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posted by Dr.K at 16:24| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月06日

名探偵ピカチュウ

 初めて劇場で観るポケモン映画がこれで、どうもすみません。

 長年ゲームで積み重ねられた設定があるので、新しく映画を作ろうとしても色々と窮屈なはず。ところがこれは、びっくりするほど自由です。
 冒頭、主人公というにはあまりにさえない、保険会社勤務の青年ティムが登場。この世界では、ポケモンを持っていないと肩身が狭いようで、友人に誘われ渋々のポケモンハンティングです。いい大人がモンスターボールを投げる滑稽さ、そして初登場のポケモンがカラカラという微妙さ(笑)。「お前にはカラカラで十分だ」と盛大にディスられているようで、笑ってしまいます。
 直後に父の事故死が伝えられ、ティムはライムシティへ。ライムシティは、バトルもトレーナーもモンスターボールもない、人とポケモンが共存する理想郷、と説明されます。「ポケモン」のゲームが持つ仕組みを全否定し、ここからは好きに作るぜ、と宣言しているわけです。事故を捜査した警官役の渡辺謙に「少しは仕事選べよ」と思ったり、満を持して登場したピカチュウの声が西島秀俊でずっこけたりと、あれよあれよという間に話は進んでいきます。
 ポケモンとしての制約からは自由なこの映画ですが、決していい加減なストーリーではなく、ハリウッド映画として緻密に組み立てられた構造を持ちます。話の主軸になるのは、ティムと父の親子関係ですが、それは敵側となるハワードとロジャーの親子関係と対比されて描かれます。笑いありアクションありで、飽きさせない展開もさすが。悪役のスケールが大きすぎて人類補完計画みたいになっているのはご愛敬(笑) 張られた伏線はすべて明確に回収されますが、続編作れないですよね、これ。もうすこしこのオッサン声のピカチュウを見ていたかったです。

 エンドロールは、ポケモンの絵柄でキャストが紹介されるので必見。ポケモンが世界に通用していることが伝わって感動しますよ。

西島秀俊の演技 8
竹内涼真の演技 4
バリヤードの演技 10
個人的総合 7
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2019年05月03日

田中圭一「若ゲのいたり」

 田中圭一が有名クリエイターにインタビューし、なつかしのゲームの開発秘話を引き出すルポ漫画。Webで連載されていたものが、ついに単行本になった。迷わず買うべし。
 今もWeb版は全編無料で公開されているが、こういうものはいつ消えるかわからない。やはり、後世に遺そうと思ったら紙の本に限るのである。
 内容は、ゲーム業界に詳しい人なら既知の事も多かろう。しかしそこは田中圭一。ゲーム開発経験者ならではの思い入れが発揮され、他では聞けない話が散見される。特に、「アクアノートの休日」「ゾイド」の回は貴重である。

 さて、田中圭一が得意とする、絵柄を変える技は今作ではなりを潜め、全編が手塚風で描き進められている。しかし、名越稔洋だけは本宮風に描かれていた。やはりそうなるか、と笑ってしまう。
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2019年05月02日

心ガ叫ビタガッテルンダ 「NieR Automata」その4

 Cエンド到達。便宜上〈3周目〉と呼ばれることが多いが、周回要素は0。A、Bのエンディングのその後のストーリーとなる。

 アダムとイブの撃破を好機ととらえたヨルハ部隊は、地上の機械生命体へ総攻撃をかける。まさにクライマックスという雰囲気なので、エピローグが追加される程度で終わるのかと思ったら、大間違いだった。

※以下はネタバレを含むので注意

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posted by Dr.K at 12:32| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月01日

改元の日に

 ヨドバシカメラでは「令和」クリアフォルダーを配ってました。商魂たくましい。

 改元なんて、そう何回も経験できるものではありません。
 では、「平成」が始まったとき、私はどうしていたのか。ちょうど受験を間近に控えた浪人生でした(笑) 現役で受かった同級生は昭和のうちに大学生になりましたが、私は平成の入学となるわけで、この出遅れ感は大きかったです。
posted by Dr.K at 20:41| Comment(0) | 講師の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする