2019年06月30日

春ドラマ最終回の通信簿

 今期も何本かのテレビドラマを観ていたのですが、私の番組選びの勘が悪かったのか、あるいは番組の質が下がっているのか、がっかりする結末のものが多かったです。そこで、久しぶりにドラマの最終回に成績を付けてみることにしました。

「わたし、定時で帰ります。」:普通
 意外性のない元鞘エンディング。深刻になりがちな労働問題を、軽やかに描けるのは、吉高由里子の人柄ゆえでしょうか。Web開発の仕事もなかなかのリアリティーで描写されており、あなどれません。最終回の放送中に新潟で地震があり中断、翌週に放送し直したため、ユースケの名演を二度見られたのはラッキーでした。

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「俺のスカート、どこ行った?」:悪い
 もう先生が余命わずかという話、やめませんか。このドラマには全く必要なかったと思います。ダイバーシティを目指す校長が、ゲイで女装の原田を先生として招きました。ところが、原田先生が異物感を発揮するのは最初だけ。先生も生徒たちも、時には外の人たちまで、原田を普通に受け入れています。何を変えるでもなくダイバーシティの理想郷が実現していたわけで、画期的なドラマと言えます。

「ストロベリーナイト・サーガ」:悪い
 キャストを若手に一新してのリメイク作。最終回、事件は興味深いのですが、そこまでのストーリーで姫川班が解散してしまっているため、仲間が協力するという盛り上がりに欠けます。また、今シリーズでは菊田の存在感がとても薄くなっています。旧シリーズの西島秀俊と今回の亀梨和也との貫禄の違いか、脚本や演出の差なのかはわかりません。そのため、積み重ねた信頼を前提とするクライマックスに乗れませんでした。

「集団左遷!!」:失敗
 1クールのドラマを二部制にするのが流行っていますが、これはダメでしょう。異動により、ようやく親しみが出てきた仲間とのつながりが希薄になってしまいますし、物語のスケールが急に大きくなり、職業もののリアリティがなくなっています。明らかに失敗作です。前半の、廃店に抗う部分をゆっくり丁寧に描けばよかったのです。その部分の終わりの方が、よっぽどきれいな最終回になってました。

 来期こそは、ちゃんと終わりそうなドラマを選んで視聴したいのですが、預言者でもない限り無理でしょう(笑)
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2019年06月29日

「どろろ」第二十四話 どろろと百鬼丸

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 最終回。ここまで苛烈な戦いに身を投じてきた百鬼丸だが、思ったより希望のある結末にほっと気が抜けた。

 これを機会に、歴代「どろろ」のラスボスを振り返ってみよう。
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posted by Dr.K at 12:43| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月24日

アナと世界の終わり

 ゾンビ映画でかつミュージカルというB級にしかなり得ない組み合わせ。しかし観てみたら、なかなかいい味が出ていた。

第一部:学園ミュージカル
 アナのさえない学生生活を、気合の入った楽曲に乗せて伝える。こんな映画なので、無名の役者しか出ないが、そこは学園ものの本場イギリス、歌もダンスも抜かりない。出来過ぎているうえに、ゾンビが全然出ないので、先の展開が心配になる。

第二部:ホラーコメディ
 ところがある朝、唐突に世界が終わっている。この切り替わりを効果音一つで済ます安直さが素敵。アナは周囲の状況に全く気付かず、予告編のシーンへとつながる。アナたちは、身の回りの物でゾンビに対抗するが、どこかで見たようなスプラッター描写が笑いを誘う。一方、体育会系の野郎どもは嬉々としてゾンビを狩っており、B級ゾンビ映画らしい頭の悪いストーリーになっていく。

第三部:本格ゾンビ映画
 アナは父を探して学校に戻るが、そこはすでにゾンビに侵入されており、一人、また一人と仲間が犠牲になっていく。特筆すべきは、犠牲になった者のその後が映像になっていることで、ただ逃げて終わり、ではない独特のもの悲しさを感じさせる。中盤までのコメディテイストは封印され、本格ゾンビ映画のようなクライマックスに仕上がっている。

 日本では季節外れになってしまったが、こんなものをクリスマス映画として楽しむなんて、イギリス人はほんとどうかしている。日本でもネット界隈では「クリスマス中止」が話題になることがあるが、この映画はその豪華なバージョンと言えるかもしれない。

恐怖度  3
お約束度 8
生存者の意外性 7
個人的総合 6
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2019年06月23日

宇宙イカ革命「Splatoon2」 その23

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 先日のフェスでは、ヒメの側が3項目のすべてを抑えて完勝。珍しい。

 前回と異なり、ミステリーゾーンはおとなしい印象のステージだった。ヒーローモードでお馴染みのピロピロが登場。派手なギミックなのだが、これを動かすと、次に行こうとする場所がバレバレである。集中砲火を食らわないように、互いに牽制する展開が増え、なんだか息詰まる試合になってしまった。

 さて、「Splatoon2」も発売から2年が経ち、来月ついにラストフェスを迎える。長くプレイしてきたこのゲームも一区切りだ。しかるに、このラスト手前のフェスが、「酢豚にパインはあり・なし」などというチンケなお題なのはいかがなものか。あり派が完敗だから文句を言っているわけではないぞ。
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まあ、こんな風に全力で決意表明しているプレイヤーもいるので、対決としては盛り上がっていたのかもしれないが。
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2019年06月22日

「DAYS GONE」終末ツーリング日誌 その2

 ストーリーはだいぶ進んだが、いまだゾンビの大群は遠巻きに眺めるだけ(笑)

 それにしてもこのゲーム、過去の名作のいいとこ取りが目立つ。
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 ゾンビが群れを成し、野盗や狂信者が徒党を組んでいるこの世界で、どういうわけかディーコンは単独任務が多い。よって、ステルス行動が重要になってくる。草むらに身を潜めるシステムは、「Horizon zero dawn」にそっくり。特に私の場合、音を立てないようにボウガンを愛用しているので、ますます「ホライゾン」感が強くなる。
 また、ディーコンは野性的なセンスによって、過去の出来事を知ったり、足跡を追ったりできる。このへんも「ホライゾン」にそっくりだ。

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 このゲームのゾンビである〈フリーカー〉は、走ることもできる厄介な敵。ひとたび見つかると呼びかけあい、大勢で襲い掛かってくる。だが、視野が狭く、後ろからこっそり近づけばステルスキルができる。このへんの感覚は「LAST OF US」に似ている。
 さらに、拾った素材をその場で組み合わせて武器や道具を作れるのも「LAST OF US」に酷似。画像はお気に入りのバットアックス。ラスアスと違って、作るものがいちいち野蛮。ラスアスのジョエルは、なんだかんだで教養のありそうなパパだったので、こういう差が出るのか。

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 フィールドには、鹿や狼などの野生動物もおり、これらを狩ることができる。肉を切っている姿は、まるで「Red Dead Redemption 2」だ。また、植物を採取するのも「RDR2」で見た光景だ。ただし、肉や植物は自分で食べることはできず、各地のキャンプに寄付して換金するアイテムとなっている。

 後発のオープンワールドとして、過去作をよく研究して作っている。そこにストーリーとゾンビの大群を新味として加え、なかなかうまくいっているのではないかと思う。
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2019年06月16日

E3 2019の問題作

 今年もE3で様々なゲームが紹介されましたが、期待の作品がある一方で、どうも手放しで喜べない感じの問題作が目立ちますね。

 ついに発売日がアナウンスされましたが、ネットの反応はものすごく懐疑的で、どうせ延期するだろう、という予想が飛び交っています。お前ら、そんなに信用できないのかよ(笑) ムービーを見る限り、ストーリーはかなり丁寧に再現されているようですね。今作はミッドガルだけということですが、完結編はいつになるのでしょうか。今のままだと、10年くらいかかりそうで、最後まで付き合えそうにないのが一番の問題です。

 個人的にはとても嬉しいのですが、これ、E3で発表するようなものでしょうか。PCエンジンは海外では売れていなかったように思うのですが。コナミからの発売ということで、愛のない製品になっていないか心配です。何しろ、メガドライブミニの収録ゲームがとてつもなく充実しているとわかった直後ですので、生半可な内容では太刀打ちできませんよ。

 過去のシリーズから一部のポケモンが移動できないと発表され、物議をかもしています。サポートに定評のある任天堂なので、がっかりしたユーザーも多いのでしょう。昔、デバッガーの仕事に就いた卒業生がいたのですが、最もデバッグが大変なゲームを聞いてみたところ、ポケモンであると即答しました。どこから連れてきたデータでも問題なく動作しなければいけないというのは、想像を絶するものがあります。ハードが変わったこのタイミングで、苦渋の決断がされたのは致し方ないことかと思われます。
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2019年06月15日

BitSummit 7 Spirits その2

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 私がこのイベントを好きなのは、他ではお目にかかれない珍奇なタイトルと出会えるからです。ただ、最近はインディーズゲームも認知されてきており、市場性をにらんだ完成度の高いプロダクトが増えているように感じます。
 それでは以下、当ブログが応援したい珍奇なタイトルです。

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posted by Dr.K at 13:26| Comment(0) | 講師の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月09日

BitSummit 7 Spirits その1

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 京都で毎年開かれるゲームショー、BitSummit。今年も行けたのはいいのですが、会場での業務を命じられており、あまり気楽に回ることができなかったのが残念でした。

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2019年06月08日

「どろろ」第十九話 天邪鬼の巻

 突然のコメディ展開に目を白黒。原作にはないオリジナルエピソードである。

 ところがところが、こんな話に限って手塚っぽい演出が多用されていた。
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 この回限りの登場となるおこわ。いかにも今どきのアニメ、といった感じの娘なのだが、ひょっとこの説明をするこの顔は、ピノ子直伝のアッチョンブリケ。

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 百鬼丸は旅をやめておこわと結婚するなどと言い出す。大ショックのどろろの周りには、ヒョウタンツギやらオムカエデゴンスやらが飛び交う。

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 ついには怒りのあまり自らがヒョウタンツギと化す。
 ネットでは、なんか変なキャラなどと言われていたが、手塚ファンでもない若者ならそういう反応でもいたしかたない。令和になってこれらのキャラを見られるとは思わなかったなあ。

 現在、物語はクライマックスへ向けて重苦しい展開が続いており、この時の息抜きは貴重だったのだな、と実感しているところだ。
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2019年06月01日

「DAYS GONE」終末ツーリング日誌 その1

 最近は、ゾンビサバイバルオープンワールドの「デイズゴーン」をこつこつプレイしている。

 面白いことは面白いが、PVを見て予想したのとはずいぶん違うゲームだ。
 主人公のディーコンは、この終末世界を生き抜くバイク乗り。アメリカの映画でよく見るタイプのおっさんだ。

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 上は、「マッド・マックス 怒りのデスロード」。この映画のバイカーたちは殺る気満々だ。ジョーの軍団と戦うぜ、ウォ〜!
 ところが、ディーコンときたらぜんぜん覇気がない。よく晴れた田舎道を、コープランドのインチキラジオに悪態をつきながら走っていると、なんだかとてものどかなのだ。
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気分はすっかり「イージー・ライダー」になっている。

 時には、野党の連中が道路にトラップをはって待ち構えている。これにかかったとき、ディーコンの殺意はMAXになる。ゾンビ相手の比ではない。なぜなら、バイクを修理しなければならなくなるからである。
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 修理したり、ガソリンを注いだり、手間をかけながら旅を続けていると、バイクに乗らない私でもなんだか愛着がわいてくる。友も恋人もバイクと共にあり、全編がバイク愛に満ちたこだわりのゲームだ。
posted by Dr.K at 20:45| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする