新開地の名画座パルシネマにて、「ジョーズ」との二本立てという素晴らしい企画があったので観てきた。実際に劇場で観た経験があるのはシニアに近い世代となり、私はテレビでやってたのを観た世代。もっと若いと、USJのアトラクションで知ってる、という感じになるのだろう。
ただなつかしいだけでなく、昔の記憶がいかにいい加減か、痛感する体験となった。
●実は怖い映画
他の映画を観に来たとき、「E.T.」の予告編が流れた。封切り当時のものだと思うが、まるでホラーかサスペンスかという怖い見せ方で驚いた。本編の始まり方も、エイリアンに匹敵する不気味さであり、実は怖くないという落差でインパクトを与えるという意図が見えた。
●E.T.の超能力
自転車が飛ぶ有名なシーン、クライマックスのものは憶えていたが、中盤のものを忘れていた。こんなに早く飛んだっけ? と驚いてしまった。
他にもE.T.は宇宙人ならではの超能力を使う。ものを動かす、花をよみがえらせる、けがを治すなどである。ところが、E.T.と少年が感覚を共有することはすっかり忘れていた。これによる学校での騒動はほとんど覚えがなかった。
●実はリアルな映画
CGがない時代の作品なので、E.T.は着ぐるみやロボットである。しかし十分リアルに見えた。
CGと比較すると、実物がそこにある分、役者は演技がしやすい。また、E.T.がものにぶつかったり、部屋を散らかすシーンがあるのだが、これも実物で撮るので自然である。CGでは周囲のものに影響しないので、こういうシーンでは特別な工夫をしなければいけない。
川で倒れているE.T.は本当に生き物の死体に見える。これもCGではあまりお目にかかれないリアルさだと思う。
●科学者
E.T.の調査に来た科学者たち。恐ろしい敵として描かれるのだが、この中に一人少年の理解者がいる。あまり説明もないのだが、過去に同じ宇宙人と遭遇し、それがきっかけで科学者になったのだろうと思われる味わい深いオッサンだ。少年も将来こうなるのかな、とか、母と距離が近いけど付き合ったりするのかな、とか、いろいろ想像がふくらむ。
●ヨーダ
ハロウィンの場面で、ヨーダが登場する。E.T.が仲間と思って話しかけるコメディシーンとなる。これが全く記憶になかった。テレビ放送でカットされていたのだろうか。あるいは、当時の私がまだ「スター・ウォーズ」を知らなかったために印象が残らなかったのかもしれない。
子供向けということなのか、変にひねったところがなくストレートに話が進む。こういう洋画が今は本当になくなった。また、「ジョーズ」もそうだが、事件が終わると、後日談などなくあっさり終わるのが昔の映画らしくていい。古い映画を見返すことは少ないが、これからは時々やってみようか。
リメイク必要度 1
名曲度 9
自転車アクション 8
個人的総合 7