2020年12月31日

2020年のブログ

 さて、大晦日は恒例の人気記事まとめです。休日もなるべくステイ・ホームを心掛けたため、映画を観る本数が減り、代わりにゲームは多めにプレイできました。

 ネットに押され、雑誌は減る一方ですが、そういう苦境だからこその思い切った特集でした。今後も応援していきたいのですが、行きつけの書店が入荷を減らしたのか、ファミ通をあまり見かけなくなってしまい、困ったものです。

 いったいどこにリンクされているのでしょうか。このなんでもない記事が、毎月1000を超えるアクセスとなっています。先日放送も無事終了しましたが、最終回だからと言って何も劇的なことを起こさないのがこのアニメらしいです。

「THE LAST OF US partII」に心が折れる
 その1(6/22) その2(7/1) その3(7/8) その4(7/16)
 続編なんてものは、大抵の場合予想の範囲で終わるものです。しかし、このゲームはそれを覆し、私を大いに驚かせ、うろたえさせました。賛否のあったゲームだけに、ネタバレを見ずにプレイできたのが良かったです。

「新サクラ大戦」がイマイチな理由
 その1(10/8) その2(10/14) その3(10/20) その4(10/25)
 なんとなくダメ、で済ませたくなかったので、具体的に書いたらこんな分量になってしまいました。アニメもイマイチ、「サクラ革命」もイマイチ、と、このシリーズはどうも恵まれませんね。

 デレステの新機能は、ゲームバランスをユーザーに委ねる、という大胆なものでした。ものぐさプロデューサーとしては、おかげで楽になったような気がしなくもないですが、上位勢は色々極まって大変だろうな、と思います。

 10月にアクセス解析の集計方法が変わり、ガクッと数字が減ってがっかりしましたが、めげずに続けたいと思います。それでは皆様、良いお年を。
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2020年12月28日

珍品堂が勧める2020年の映画ベスト3

 正直、映画を楽しむ身には最悪の年でした。まず、緊急事態による営業停止。再開しても、世の中が自粛を奨励しているのでなかなか劇場へ足が向きませんでした。そして、「ムーラン」などのネット配信への移行には落胆しかありません。私は劇場で観たいのです。
 一方で、ジブリ作品のリバイバル上映が観られたのは良かったです。「鬼滅」フィーバーが終わってスペースが空いたら、ぜひまたやってほしいものです。

第3位 コンフィデンスマンJP プリンセス編
 面白いけど犯罪だしなあ、と引っ掛かりのあった前作から一転、いい話に仕上げてきました。さらなる続編の構想はあるらしいのですが、東出昌大の不倫が持ち上がり、続投に黄信号が灯った上に、三浦春馬も竹内結子も出られないようになるとは、誰が予想できたでしょう。だからこそ、この明るく楽しいお祭り映画を、慈しんでいきたいと思うのです。

第2位 サーホー
 インド映画らしく長いのですが、本来なら5時間くらい必要そうなストーリーがぎっちぎちに圧縮されてます。正直、完成度は荒い。でも無暗に勢いだけはあって、中盤でタイトルが出る頃にはもれなくノックアウトされることでしょう。大迫力の映像が満載ですが、公開直後に緊急事態宣言だったため、劇場で観られた人は少ないのではないでしょうか。

第1位 ジョジョ・ラビット
 こんなので笑っていいの? 戦争映画に新しい視点を盛り込んだ、という点では「この世界の片隅に」に匹敵するところがあります。主人公とヒロインはもちろん、スカーレット・ヨハンソンやサム・ロックウェルなどのキャスティングが秀逸。そして何より、エンディングが最高。アカデミー賞は「パラサイト」に譲る結果となりましたが、私は断然こちらの方が好きです。
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2020年12月27日

珍品堂が勧める2020年のTVドラマベスト3

 今年はコロナ禍で、テレビドラマのスケジュールが滅茶苦茶になりました。今はある程度落ち着いたように見えますが、大河ドラマが年内に終わらないなど、異常事態は続いています。そんな中、面白い番組を届けてくれる制作の方々には、頭が下がる思いです。

第3位 ルパンの娘
 シーズン2となる今回は、2話で華が出産し、3話でその子が小学生になるという、驚きの時間経過がありました。それなのに、登場人物が誰一人老けていないという適当さ。前シーズン以上にふざけ倒しており、好みの分かれるドラマになりましたが、私は好きです。お気に入りは、華(深田恭子)とマツ(どんぐり)が「君の名は。」のごとく入れ替わる挿話で、実に見事な怪演でした。

第2位 半沢直樹
 7年ぶりの続編は、バトルシーン(としか言いようがない)がますます演出過剰になっており、大和田(香川照之)が出る場面はほとんどギャグの域に達していました。先行きが不透明な今だからこそ、このような勧善懲悪が見たくなるのでしょうね。撮影が間に合わず、途中で穴埋めの座談会が放送されたのですが、それすらも面白いのはさすがです。

第1位 私の家政夫ナギサさん
 これはすごい。大森南朋がエプロン姿になり、優しくて気の利く家政婦をやっているだけで笑えます。ぶっちゃけると、大ヒットした「逃げるは恥だが役に立つ」を男女逆転したような話なのですが、こんな設定がドラマで通用するような時代が来たんだなあ、と感慨深いです。家事の出来ない営業ウーマン役の多部未華子が、大変キュートです。

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2020年12月26日

珍品堂が勧める2020年のゲームベスト3

 今年はPS5が発売されましたが、ハードは店頭に並ばず、ソフトも新鮮味に欠けており、いささか盛り上がらない立ち上がりとなりました。しかし、慌てることはありません。現行機の円熟した名作を楽しみましょう!

第3位 天穂のサクナヒメ
 こだわった稲作パート、操作感の良いアクションパート、どちらも楽しめるのですが、ストーリーがまた素晴らしい。特にエンディングが見事なので、ぜひ多くの人に見てもらいたいです。なお、私は塩をすぐ料理に使ってしまうので、最後まで塩水選を体験できませんでした。

第2位 THE LAST OF US PartII
 主にストーリーで賛否がありました。ここで描かれる悲劇は、到底楽しいものではなく、繰り返し見たい人は少ないでしょう。しかし、プレイ中は先が気になる没入感が強烈でした。また、とんでもなく質の高いビジュアル、高度な敵のAIなど、技術的に他のゲームの遥かに先を行っています。

第1位 Ghost of Tsushima
 日本人が一番わかっているはずの時代劇の良さを、まんまと海外の企業にゲームで再現されてしまいました。あまりの面白さに脱帽です。そのうえ、無料アップデートでオンラインプレイが追加されるサービスの良さ。ここまでやられたら一位にするしかないじゃありませんか。
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2020年12月25日

ミセス・ノイズィ

 卒業生に薦められたので観ましたが、これは当たりでした。

 この映画は、かつてワイドショーで話題になった「騒音おばさん」事件から着想されたフィクションです。調べてみたら、あの事件は2005年ですか。15年も経っているのか、とまずそこに驚きます。
 主人公の真紀は、かつては文学賞も獲ったことがある小説家。しかしながら、結婚してからは子育てに追われ、執筆業はスランプ中です。どうにか締め切りまでに原稿を書こうとしますが、そのせいで幼い娘は放置気味。そして、隣からは激しく布団をたたく音が…
 コミカルな描写もあるのですが、物語はリアリティがあってスリリング。ここからどうなってしまうのか、何度も手に汗を握る瞬間がありました。「カメラを止めるな!」でも感じたのですが、無名の役者を起用していることが効果をあげていると思います。役者に色が付いていないことで、先行きがより不透明になるんですよね。
 実際の「騒音おばさん」事件では、後日、あのおばさんが実はかわいそうな人だったのだ、という情報がネットで流れました。今となっては真相はわかりませんが、「ミセス・ノイズィ」はそのさらに先へと踏み込んでいきます。何が正しいかは視点で変わる。フィクションだからこそできる手法で、観客を翻弄します。
 主要な登場人物が多面性を持って描かれるのに反して、脇役はかなり一方的な扱いを受けています。特に、若者はクズですね。炎上商法を仕掛けておいて手のひらを反す編集者も、真紀を利用して一儲けを企む無職の甥も、どうしようもなく不快です。一方で、意外にちゃんと小説を見る目があるキャバ嬢はおいしい役でした。
 真紀は、隣人をモデルに「ミセス・ノイズィ」を執筆し、大騒動になります。紆余曲折を経て完成した小説は、傑作として評価されるのですが、部分的に映画とメタな描写に感じられるため、遠回しな自画自賛になっているような気がします。すみません、意地の悪い見方をしてしまいました。

キャスティング 9
迫真度 8
風刺度 9
個人的総合 7
posted by Dr.K at 15:04| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月23日

「進撃の巨人 The Final Season」62 希望の扉

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 「進撃の巨人 The Final Season」がとうとう始まった。ここまで付き合ったからには当然観る。制作会社が変更になったが、今のところ違和感はない。

 マンガで読んだとき、突然の〈壁外編〉に大いにうろたえたものだが、アニメで再び体験できるのは意外に楽しい。
 62話では、ライナーの視点から過去の物語が描写される。これまで、鎧の巨人であることがバレたあたりから、ライナーの精神状態がおかしくなったかのように描かれていたのだが、実際は壁を破る前からヤバい状態だったことが明らかに。無神経な強キャラぶりを見せていたのも虚勢だったのか、となんとも気の毒になってくる。
posted by Dr.K at 23:45| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月20日

STAND BY ME ドラえもん2

 酷評がすごいので、恐る恐る観に行ったのだが、そんなに悪くない。「ドラクエ」の恨みをドラえもんで晴らすようでは、単なる八つ当たりではないのか。なお、本当に気に入らなかった人は、所詮は前作に8点を入れてしまうような者の感想なので、スルーしていただきたい。

 まず、映像が良い。これは自分でも不思議なのだが、ひみつ道具がアニメになっても大した感慨がわかないのに、3DCGだとわくわくするのはどうしてだろう。スモールライトで変化する視点は楽しいし、タイムマシンで移動中の背景は素晴らしいし、どこでもドアがループになるのに感心するし、入れかえロープ作動中の見せ方も良い。
 そして、原作からの選択がうまい。今回、のび太の結婚式の話になることは事前に知っていたが、前作で結婚前夜の話は済んでおり、きれいに完結していたので、どう続けるのかが気になっていた。なるほど、こうつなげたか。ただ、おばあちゃんの「お嫁さんが見たいねえ」は、マンガではあと1コマでラストという場面のセリフであり、切れ味鋭いオチがなくなったのはもったいない。

 それにしても、大人ののび太が結婚式から逃げたことが、こんなに非難されるとは思わなかった。これはフィクションだし、話の起点に過ぎない。のび太の身になってみれば、しずかちゃんのような完璧な女性に対して、怖気づく気持ちはわかるだろう。(おそらくそのために、この物語でのしずかは異様に完璧に描かれている) 自分ならそんな行動はしない、というのはあまりに冷たい見方ではないか。大人のび太を断罪する者は、他の「ドラえもん」で子供のび太が時折見せるヒーロー性を絶対視しすぎている。
 また、よく指摘される通り、時代設定がおかしい。おばあちゃんがあんな恰好をしているのは、昭和の昔だろう。だとすれば、作中で未来とされる時代は、実は今より昔かもしれないことになる。だがそのビジュアルは、遥かな未来にしか見えない。実はこれ、マンガの通りの表現になっているのだ。この映画、どうやらかなり年配のファンをターゲットにしているらしい。のび太とともに昭和を生きたかつてのファンは、いまや大人のび太を通り越し、その父母に近い歳になっている。そんな人に、のび太の結婚式の列席者の一人になってもらおうという、なかなか渋い贈り物になのだ。子供や若者にこのメッセージは伝わるまい。お子様をお連れの方は、毎年のアニメ映画の方を選ぶべきだろう。

 パンフレットは意欲作。期待を煽るイントロダクションや、評論家によるレビューを載せず、名場面集に徹している。本編はテレビドラマ並みの説明過剰でくどいところがあったが、パンフレットでは情報が削ぎ落されていて好印象だ。

映像美 8
道具再現度 9
パンフレット 8
個人的総合 7
posted by Dr.K at 23:20| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月18日

「Cyberpunk2077」その1 全然遊べない!

cyberpunk01.jpg 「サイバーパンク2077」を発売日に買ったのだが、全然遊べていない。誤解しないでほしい。今話題になっている不具合のせいではない。

 なにしろ期待のゲームだ。年末で仕事が忙しい中、発売日はどうにか2時間を確保して臨んだ。
 まずは、ブルーレイ2枚にわたるデータのインストールに小一時間かかる。「Red Dead Redemption」で経験済みなので、この程度は想定内だ。
 だが、50ギガ近いアップデートパッチは予想外だった。せっかくディスクのインストールが済んだというのに、ダウンロードを延々と待たねばならない。
 そして、ようやく起動したと思ったら、まさかのキャラクタークリエイトである。オンラインゲームでもないのに異様な細かさ。おまけに、海外、未来、ディストピアという特殊な世界観なので、何一つ見慣れたものがない。悩んだ末に出来たのがムサいオッサンで気に入らず、試行錯誤していたら時間が無くなった。

 次にプレイするときは、女性キャラを作ってみることにする。いつになったら始まるのか。大作過ぎるというのも困ったものだ。
posted by Dr.K at 22:28| Comment(2) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月13日

ばるぼら

 公開日以降、2年前に書いたこの記事へのアクセスが増えており、なんだか急かされるような感じで観てきた。

 原作は、手塚治虫の中でもとびっきり退廃的なマイナー作だ。稲垣吾郎のファン、などという理由で観に行くと、なんじゃこれは、という感想で終わってしまう可能性が高い。
 しかし、「ばるぼら」の映像化としてはほぼ満点に近い。まず、二階堂ふみによるバルボラの再現度が完璧。裸のシーンも非常に多く、朝ドラと並行してこれを演っていたとしたら驚きだ。稲垣吾郎も、異常性欲者などという危うい役を見事やりきった。渡辺えりのムネーモシュネーは、キャスティングの時点で100点だが、衣装になったら1000点位の出来で笑いそうになった。
 次に、背景が面白い。ロケーションは新宿なのだが、撮影監督がクリストファー・ドイルだからか、どことも思えない景色に見えることがある。都庁が映るシーンもあるが、他のドラマなどで「ここは新宿ですよ」とわからせるために使われるような、ありきたりの見せ方をしていない。音響も独特で、耳をつんざくフリージャズが使われており、退廃的な画面ともども先鋭的なアートを印象付ける。
 ストーリーの方は、原作を上手にスケールダウンしており、美倉とバルボラの関係に焦点を絞っている。結果、バルボラの正体などがあいまいになっているが、それはそれで面白い。気になったのは、原作の結末がバッサリと切られていること。

「だが彼の作品は残るのだ」

 手塚による芸術論、とも言われる原作で、結論となるこのナレーションが私は好きなのだ。だが映画にこの部分はない。
 パンフレット代わりに売られている「公式読本」には、映画全編の脚本が掲載されている。読んでみると、驚いたことに原作に忠実なエピローグが書いてある。どの段階でカットが決断されたのだろうか。ますます気になってしまう。

キャスティング 10
アート性 9
エンタメ度 3
個人的総合 5
posted by Dr.K at 11:00| Comment(1) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年12月06日

立ち上がれ豊穣神 「天穂のサクナヒメ」その3

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 稲作とアクションを繰り返すゲームサイクルなので忘れがちだが、このゲーム、実はアクションRPGなのだった。だからという訳ではないが、ストーリーも一見の価値がある。

注:以下に後半のネタバレを含む

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posted by Dr.K at 00:26| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする