2021年02月28日

「ハーモニクス」の研究レポート

 「アイドルマスター」シリーズ15周年記念の一環として、デレステとミリシタによるコラボイベントが開催されました。そのイベント曲が「ハーモニクス」です。

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 ミリシタからゲスト参戦となるジュリア・静香と、デレステのロックアイドル夏樹・李衣菜が、対バン形式で舞台を彩ります。実に画期的なコラボとなりました。
 これまでデレステは、世界観を大事にしているのか、コラボについては控えめでした。カバー曲を実装する場合も、MVは一番簡素な2Dモードしかなかったのです。他にはイベントコミュのための静止画や、ルームアイテムくらいしか作られませんでした。
 ところが、「ハーモニクス」では、ジュリアと静香がSRカードとして配布され、3Dキャラも用意されました。さらに、他の曲にも登場させることができるではないですか。わざわざデレステ風に作り直されたモデルは、非常に手間がかかっている印象です。今後、この調子でどんどん他作品のキャラが流入してくる…とは思えませんが、本気を出せばこの程度はできる、という制作側の自信が伝わりました。
posted by Dr.K at 00:46| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月27日

アーヤと魔女

 スタジオジブリの久々の新作、皆さんはご覧になりましたか。

 昨年末に、NHKで放送されたのですが、まずそのことに驚きました。ジブリがテレビの特番アニメを作るなんて、ちょっと記憶にありません。コロナのせいで、劇場公開をやめたのかな? などと勘繰ってしまいます。
 始まってみると、フル3DCGなのでまた驚きます。ジブリの長編アニメでは初だそうです。ディズニーの二番煎じにならず、ジブリのキャラの味がちゃんと出ているのが嬉しいところです。初めてでこの水準なら、今後の作品も期待できます。
 それなりに楽しみはしましたが、ストーリーはあまりに尻切れとんぼ。まるで、テレビシリーズ第一話という感じでした。エンドロールに添えられたイラストが非常に良く、この後日談こそアニメで観たい、と思ったものです。これらのイラストは、宮崎吾郎監督によるものだそうですが、最後の最後でやっぱり2Dがいいなあ、と思わせてしまうのは広報的には失敗ではないでしょうか。

 なぜ今さらこんな記事を書くのかと言うと、劇場公開のニュースがあったからです。「アーヤと魔女」が、4/29に一部のカットを加えて公開されることになりました。これが一番驚きました。続きならともかく、いったんテレビで放送したものを劇場にかけて、一体どれくらいの人が見に来てくれるものでしょうか。ひょっとすると、これまたコロナのせいで、新作がなかなか集まらない映画館サイドからのリクエストがあったのかもしれませんね。

規模感 4
バンド 8
続きが気になる度 7
個人的総合 5

posted by Dr.K at 19:03| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月24日

驚きの再現度?? 「Capcom Arcade Stadium」

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 「カプコンアーケードスタジアム」は、Switchのダウンロード専売ソフト。レトロアーケードゲーム集だが、売り方が変わっている。まず「1943」のみがプレイできる基本システムを無料で落とし、10本のゲームが入ったパックを1500円で追加購入するという仕組みだ。3つのパックをすべて買うと、特典の「魔界村」が手に入るので、全部で32本のゲームが遊べることになる。

 「プロギアの嵐」など、初移植となるタイトルはあるものの、「スト2」のように何度も復刻されているゲームも多く、2年ちょい前の「カプコン ベルトアクション コレクション」に至ってはだだかぶりだ。ラインアップとしてはイマイチだな、とぶつくさ言いながら起動した。
 すると、カプコンのロゴに続いて、REエンジンのロゴが表示された。REエンジンは、「バイオハザード」など最先端の3Dゲームを開発するための、カプコン自慢の内製エンジンである。レトロゲームの移植には全く必要ない。首をかしげていると、筐体の並ぶメニュー画面が表示された。ああ、このバーチャルなゲーセンを作るのに使ったのか。

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 ゲームを選んでプレイしたら、何じゃこりゃ、となった。筐体が表示されたままゲームが始まったからである。右スティックを操作すると視点が動き、隣の画面が見えたり、手元のコンパネが見えたりもする。普通にゲーム画面のみの表示にすることは可能だが、デフォルトがこの方式なのはこれがお勧めということなのだろう。
 かつて、レトロゲームの復刻版では、元のゲームの再現度が商品価値そのものだった。しかし、今はそれだけでは売れない。例えば、ミニファミコンは、なつかしいゲーム機の本体を再現することで、買って手元に置いておきたい逸品となった。昨年セガから出たアストロシティミニは、アーケードゲーム筐体を再現したものである。
 そして、この「カプコンアーケードスタジアム」では、バーチャルではあるが筐体ごと再現して見せた。設定を変えれば、カプコン製の様々な筐体を選ぶことができる。かつて私はアーケードゲームのプランナーであり、ロケテストのためにこれらの筐体を運んだりゲームを入れ替えたりするのが仕事だった。懐かしくてたまらん。
 今のゲームセンターにブラウン管の筐体などもちろんない。この再現は、ファンのためのサービスだが、下手をすると歴史的な資料になるかも知れぬ。もしもPS4やPS5で展開することがあれば、VRへの対応を検討すべきだ
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2021年02月22日

「進撃の巨人 The Final Season」68 義勇兵

 サシャがあっけなく絶命し、マンガ未読の視聴者を呆然とさせたのが前回。その現実から目を背けるかのように、話は3年前へと巻き戻る。

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 いや〜、なつかしい。調査兵団の服装はこうでなくちゃ。大陸の文明に目を白黒させているエピソードは、未来への希望を感じさせて楽しい。しかし、後の悲劇を知っているので、いつもの仲間同士でバカをやっているサシャが正視に堪えない。なんちゅうひどい編集をしてくれたんや。作者は鬼か。
 オニャンコポンは、名前にインパクトがありすぎて、せっかくいい事を言っても印象に残らない。これもまた悲劇だ。
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2021年02月21日

絵が苦手でも大丈夫! 「アッシュと魔法の筆」

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 PS+の今月のフリープレイは「アッシュと魔法の筆」。気になっていたタイトルなので、ありがたくダウンロードさせていただく。

●絵が苦手でも大丈夫!
 このゲームでは、描いた怪物が動き出し、アッシュと協力してステージの仕掛けを動かしていく。アーティスティックな風景画を描くことができ、見た目にも美しい。
 でも絵を描くのは苦手だし…という方も心配無用。魔法の筆は、フォトショップで言うところのスタンプツールみたいなもので、決まった形を配置したり塗り延ばしたりするだけだ。モーションセンサーで筆を動かすので、初めは全く思い通りにならないが、2ステージ目に入るころには自在に塗れるようになる。
 スケッチブックが集まらないうちは、描けるものの種類も少なく、自由に色々描けそうという予想とはだいぶ違う感じだ。

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●飽きた頃に変化するゲーム
 物語の舞台は、暗く寂れてしまった田舎町。アッシュは、いじめっ子の襲撃を避けつつ、壁に絵を描いて町をカラフルに彩っていく。「ジェットセットラジオ」や「大神」を思い出す遊び方だ。
 指定の場所すべてに絵を描くこと、スケッチブックのページを集めることが、ゲームの目的となる。はじめのうちは、新たなページを手に入れるたびに、絵の動きを試したり、怪物の反応を見たりして楽しむが、しばらくプレイすると慣れて、描くことが徐々に作業になっていく。
 このままでは面白くなくなるぞ、と思った頃に、ゲーム性が激変。思い切った展開で驚いた。ある意味、他のアクションゲームに近くなってしまうのだが、ステージを使いまわしつつ異なる遊びをさせるのは、なかなか工夫されている。

●意外と社会派のストーリー
 アッシュは他の子供に馴染めず、絵を描くことに逃避していたわけだが、このゲームのストーリーは子供たちを仲直りさせるだけにとどまらない。町を覆う邪悪な汚物は、ただのファンタジーの産物ではなく、現実にもある事件を表していた。洋画を思わせるしっかりした結末で、総プレイ時間は10時間に満たないが、納得感が高かった。
 なお、クリア後のおまけとして、自由に絵を描き続けられるステージが用意されている。

 最後に感心したこと。壁に描いた風景や怪物は、すべてのステージで永久に残る。クリア後に傑作を見に行くことも可能だ。セーブデータをきっちりとっておきたくなる。
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2021年02月13日

アルファ・システム買収される


 こういうニュースなので、買収「した」側の会社名が主語になって大きく扱われるのは致し方ないが、ゲーマーが気になるのは断然「された」側の会社だ。
 アルファ・システムは、「俺の屍を越えてゆけ」「ガンパレード・マーチ」「式神の城」といった個性あるタイトルを手掛けてきた開発会社。当時は学生人気も高く、就職したいという教え子のために、企業情報を調べたら所在地が熊本で驚いたのを思い出す。最近名前を聞かないな、と思っていたらこんなことになっていたとは残念だ。モバイルゲームの会社とは相性が悪そうだが、「俺屍」に関しては、うまいことアレンジすればモバイルで行けそうな気もする。

 ところで、ここと紛らわしい名前なのがシステムソフト・アルファ―。「大戦略」シリーズで知られる会社で、開発部が福岡にある。こちらは、2020年1月に、日本一ソフトウェアに買収され、システムソフト・ベータに改称していた。
 九州のゲーム会社は、レベルファイブ、サイバーコネクトツー、ガンバリオンのいわゆる「福岡御三家」が有名だが、それ以外の無名な中小の開発会社は統合されていく傾向にあるのかもしれない。個性ある会社はこれからも残ってほしい。
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2021年02月11日

「Cyberpunk2077」その5 結末は唐突に

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 近くにミッション開始地点があったので、なんとなく入ったら、以降の進行が一本道になり、エンディングを迎えてしまった。

 なるほど、これが短いと言われる理由か。まだ終わるつもりなどなかったのに、強制的に進められる感じは、オープンワールドにふさわしくない。事前にもう少し最終ミッションが近いことを匂わせてほしい。膨大な脇道が意図しない形でやり残しになってしまった。

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 とはいうものの、なかなか感慨深い終わり方だった。ゲーム開始時に一生懸命作ったキャラが、ちゃんとエンディングに出てくれるのも嬉しい。
 〈悪魔〉ルートは、特に難しい条件がないノーマルなエンディング。救いがなく寂しい終わり方なので、ゲーマー一般からの評判は微妙。しかし、「ブレードランナー2049」などの雰囲気に近いものがあり、サイバーパンクという題材の原点に非常に忠実だ。翻訳が昔のハヤカワ文庫のように衒学的なので、なろう小説くらいしか読まない今どきの若者(偏見)は相当面食らったかもしれない。

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 そして、エンドロールで最後のバグ。Vのセリフが消えないので、しまらない…。
 私の知る限り史上最長のエンドロールであり、早送りにしても全然終わらない。等速だと何分かかるのだろう? そして、ジャッキー・チェンの名前を見つけてしまったのだが、あの俳優なのか、それとも同名の誰かなのか? う〜ん、謎だ。
posted by Dr.K at 18:24| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月08日

諸星大二郎「美少女を食べる」


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 諸星大二郎劇場の第3集。なんともインパクトのある題ですが、これ、ものの例えとかではなくて、その通りの話ですからね。こういう毒のある話を描いて、しかも結末をさらっと流せるあたりが年の功とでも申せましょうか。
 「アームレス」は、他のマンガ家が描けば、さぞやかっこいい女性型サイボーグになるだろうと思うのですが、諸星先生の手にかかると埴輪みたいでなんだかおかしいです。
 そして、「俺が増える」は、以前「漫勉neo」で描いていた作品です。ネタ的には「ドラえもんだらけ」を思わせますが、オチらしいオチもなく、不思議なまま終わります。
 個人的には映画館シリーズが好きで、「タイム・マシンとぼく」で昭和40年が未来として描かれるのは面白かったです。
posted by Dr.K at 20:35| Comment(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月07日

ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画

 またもやインド映画の底力を見せられることになった。面白すぎる。

●実話に基づく??
 ラケーシュは、インドの威信をかけたロケット打上げに失敗。プロジェクトは元NASAのいけ好かないエリートに奪われ、ラケーシュは閑職の火星探査チームに異動になる。予算も少なく、新たに集められたメンバーは、経験の乏しい若手を中心とするスタッフだった。
 一応実話に基づくので、地味でまじめな内容に終始してもおかしくないのだが、さすがインド映画、エンターテインメントに振り切っている。集まったスタッフのキャラが立っていて面白い。タイプの違う美女がずらりと並ぶので、見た目にも麗しい。

●主題はチーム作り
 実話ベースの宇宙開発、という題材は、科学考証の関係で難しい話になりがち。ところが、「ミッション・マンガル」はそういう面倒は一切すっとばす。予算の問題は主婦の節約術でなんとかなってしまう。やる気に乏しくバラバラになっているチームを一つにまとめる、チーム作りのほうが主題になっているので、誰でも共感しやすい話になっていて上手い。メンバーが、科学を志した原点を思い出すシーンには、ベタながら泣きそうになった。

●メリハリがすごい
 チームが一つになれば、あとはどうとでもなる。踊っている間にオフィスが改装され、あっという間に探査機が完成するので驚いた。思い切りのいい省略で、物語が加速する。
 打上げが成功してからは、さらにすごい。火星に着くまでに数か月、各メンバーの日常にも色々なことが起こるだろうに、その時間をほとんど無視して話をつないでいる。おかげで最後までダレない。

●理想のポリコレ映画
 実際の火星探査プロジェクトは、この映画のように女性中心ではない。本作は、宇宙開発という特殊な題材を扱いつつ、女性の社会進出を応援する映画だ。私はいわゆるポリコレが嫌いで、ハリウッド映画の主役が黒人や女性ばかりになっているのを見ると、うんざりする。だが、「ミッション・マンガル」ではそう思わない。なぜなら、女性が元気に活躍する姿のみが描かれ、白人や男性が無理矢理悪役にさせられていないからだ。タラの夫は、一見横暴だが憎めないところがあるし、軍人であるクリティカの夫の紳士ぶりは素晴らしい。

 最後に、事実を知って驚いたこと。インドでは、宇宙開発出身の科学者が大統領になったことがある。また、探査機マンガルヤーンは、今も元気に(?)火星を回っているそうだ。

男性紳士度 7
女性美人度 9
気力充実度 10
個人的総合 9
posted by Dr.K at 19:06| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年02月06日

「Cyberpunk2077」その4 狙撃手に宗旨替え

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 ビル街を通る、空飛ぶ山車。鯉や龍のホログラフ。日本のようでもあり、中国のようでもあり。「サイバーパンク」の祭は実に美しい。しかし、喧騒に紛れて敵を排除しなければならないので、ゆっくり見てもいられない。

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 さて、物語もいよいよ後半。サブのミッションで出てくる敵が強くなり、カタナ一辺倒ではつらくなってきた。ところが、「嵐の乗り手」をクリアしたら状況が一変した。報酬のスナイパーライフルが無茶苦茶に強い。何しろ、ミッションが始まる前に超長距離から一方的に敵を減らすことができるのだ。ヘッドショットで瞬殺できるのが気持ちよく、本来なら静かに潜入すべきミッションも、片っ端から敵を消して進む殺戮モードになってしまう(笑)

 最後に、バグ報告(ver1.11)。「行方不明」のミッションで、ベンを救出して指定のポイントに連れて行くのだが、ダコタの使いを「待つ」選択肢が出ず、クリアできなくなった。オートセーブのデータで巻き戻して、何度目かでようやく「待つ」ことができた。指定のポイントまで車で乗り付けず、少し離れたところから歩いて向かうといいらしい。よくわからないバグだ。
posted by Dr.K at 20:19| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする