PS+の今月のフリープレイは「アッシュと魔法の筆」。気になっていたタイトルなので、ありがたくダウンロードさせていただく。
●絵が苦手でも大丈夫!
このゲームでは、描いた怪物が動き出し、アッシュと協力してステージの仕掛けを動かしていく。アーティスティックな風景画を描くことができ、見た目にも美しい。
でも絵を描くのは苦手だし…という方も心配無用。魔法の筆は、フォトショップで言うところのスタンプツールみたいなもので、決まった形を配置したり塗り延ばしたりするだけだ。モーションセンサーで筆を動かすので、初めは全く思い通りにならないが、2ステージ目に入るころには自在に塗れるようになる。
スケッチブックが集まらないうちは、描けるものの種類も少なく、自由に色々描けそうという予想とはだいぶ違う感じだ。
●飽きた頃に変化するゲーム
物語の舞台は、暗く寂れてしまった田舎町。アッシュは、いじめっ子の襲撃を避けつつ、壁に絵を描いて町をカラフルに彩っていく。「ジェットセットラジオ」や「大神」を思い出す遊び方だ。
指定の場所すべてに絵を描くこと、スケッチブックのページを集めることが、ゲームの目的となる。はじめのうちは、新たなページを手に入れるたびに、絵の動きを試したり、怪物の反応を見たりして楽しむが、しばらくプレイすると慣れて、描くことが徐々に作業になっていく。
このままでは面白くなくなるぞ、と思った頃に、ゲーム性が激変。思い切った展開で驚いた。ある意味、他のアクションゲームに近くなってしまうのだが、ステージを使いまわしつつ異なる遊びをさせるのは、なかなか工夫されている。
●意外と社会派のストーリー
アッシュは他の子供に馴染めず、絵を描くことに逃避していたわけだが、このゲームのストーリーは子供たちを仲直りさせるだけにとどまらない。町を覆う邪悪な汚物は、ただのファンタジーの産物ではなく、現実にもある事件を表していた。洋画を思わせるしっかりした結末で、総プレイ時間は10時間に満たないが、納得感が高かった。
なお、クリア後のおまけとして、自由に絵を描き続けられるステージが用意されている。
最後に感心したこと。壁に描いた風景や怪物は、すべてのステージで永久に残る。クリア後に傑作を見に行くことも可能だ。セーブデータをきっちりとっておきたくなる。