2021年09月29日

「Marvel's Spider-Man」その4 せつない物語性

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 エンドロールもかっこよくて最&高。

 PS4「スパイダーマン」、面白すぎて一気にクリアした。アクションゲームとして優れているのみならず、映画以上と言っても差し支えないストーリーまで備えていた。

注:以下、ネタバレ含む

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2021年09月23日

「Marvel's Spider-Man」その3 ヒーローの過去

 PS4「スパイダーマン」は、すでに彼の活躍が周知されているところからゲームが始まる。前知識のない人は、ついていけるだろうか、と少し心配になるかもしれない。しかし、ストーリー表現が抜群にうまく、わかりにくいなどとプレイヤーに感じさせる間もなく、盛り上がりへと導いてくれる。

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2021年09月19日

「Marvel's Spider-Man」その2 思い出のキングピン

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 「スパイダーマン」最初のミッションは、ギャングのボスを倒すことである。オープンワールドだからと言って、いきなり放り出されたのではプレイヤーが途方に暮れてしまう。そこで、まずは一本道のミッションの中で一通りのアクションを学ばせているのだ。難易度も簡単すぎず、ストーリー的にも重要な内容になっており、本当に導入がうまいと感心する。
 ここで登場するボスが、見ての通りスキンヘッドの巨漢。フィスクなんて名乗っているから気が付かなかったが、キングピンじゃないか。いきなりこいつと戦えるなんて、感無量だ。

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 というのも、今からざっと28年前、入社したての私の仕事が「パニッシャー」のデバッグだったからだ。カプコンから発売されたこのアーケードゲームは、ファイナルファイトの流れをくむベルトスクロールアクションで、完成度の高い逸品だった。しかしながら、当時はアメコミヒーローが映画になることもまだ少なく、知名度が低かったため国内での売れ行きはパッとしなかった。
 このゲームのラスボスが、キングピンだった。思い切ってバカでかく描かれたドット絵は迫力満点。デバッガーとして、何度も戦うことになったが、それはもう苦戦させられたものだ。

 PS4でリアルになったキングピンは、相変わらず憎たらしくて最高だった。
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2021年09月18日

「Marvel's Spider-Man」その1 名作は最初から名作

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 新作の予約目的で、久々にゲームショップを訪れたら、PS4の中古ゲームが軒並み値下がりしていた。新ハードが普及すると良く起こることだが、PS5が行き渡っているとは思えず、いよいよSwitchの一人勝ちという状況が極まってきたのだろうか。

 それはともかく、やりそびれていた「スパイダーマン」を確保したので開始してみた。100点満点の始まりである。いきなり出動し、気持ちいいと評判の、ワイヤーアクションをすぐ味わうことができるではないか。
 スパイダーマン誕生のいきさつを全部カットしているのが素晴らしい。「スパイダーマン」や「アメイジング・スパイダーマン」で語られたその顛末は、色々なスパイダーマンが集合する「スパイダーバース」では繰り返すことでギャグになっているほど。多くの人にとって聞き飽きたストーリーなのだ。今さら説明はいいよね、とスパイダーマンの存在が浸透している状況からゲームがスタート。おかげで、ワイヤーアクションやら戦闘やら、ゲームの特徴となる面白さを最短で味わうことができ、テンポが非常に良い。面白くなるまでに何時間もかかる国産の多くのゲームは、反省してもらいたい。
 複雑なシステムを徐々に説明していく手際も見事で、さすがに名作は最初から名作なのだなと納得した。オープンワールドのプレイ時間のほとんどは、移動である。それが楽しいというのはいかに強いか。ひき続きプレイしていきたいと思う。
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2021年09月15日

救急医療の未来を描いたドラマ2態

 今期は、医療もののドラマが重なった。両方を見続けるのは一瞬ためらわれたが、切り口が全く異なっており、比べることでより楽しむことができた。

●TOKYO MER
 病院で患者を待つのではなく、手術室を搭載した車両で救急医療チームが現場に乗り込んでいく。ド派手なERカーに象徴されるように、テンションの高い演出が特徴。そもそも、喜多見先生(鈴木亮平)の超人ぶりが突き抜けている。毎回危険な現場でスタッフがピンチに陥り、その瞬間に仲間が助けに来て窮地を脱し、最後は「死者、0です!」の報告に指令室がわくという、戦隊ヒーローのようなお約束を繰り返す。それだけに、最終回直前の「死者1」は、痛快な作風に慣れた視聴者にショックを与えた。スペシャルや続編を作っても、この痛みは残る。

●ナイト・ドクター
 救急医療にも働き方改革を! ある病院で実験的に作られた夜勤専門のチームを描くストーリー。TOKYO MERに比べると非常に地味。登場人物が少ないし、舞台も病院と寮がほとんどで、予算的にもだいぶ抑え目なのでは。しかし、医療ドラマとしてはこちらの方が遥かに王道だった。オフの時間の描写はなんともぬるいが、勤務では助からない患者もあり、医者の苦悩にしっかり向き合っている。美月(波瑠)のような医者は、昔のドラマだったら手放しで評価されたはず。ところが、彼女が根性を見せても良い結果は出ない。働きすぎることがフィクションの中でさえ許されない、これが現代か、と考えさせられた。最終回、チームが前向きな理由で解散するのも新しい。

 医療の逼迫が連日報道されている今、このような題材に注目が行くのは自然なこと。特に、TOKYO MERでは、提供画面で医療従事者への応援メッセージまで流れている。それにしては、どちらのドラマもコロナなどないかのように作られているのは、どう受け止めたものだろう。
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2021年09月10日

「BLACK LAGOON」24 The Gunslingers

 舞台を日本に移してヤクザとの抗争。雪緒と銀さんのコンビは、まるで「セーラー服と機関銃」のようで微笑ましいが、「ブラック・ラグーン」がそんな甘っちょろい展開を許すはずもなく、少女の凄絶な自決で幕を閉じる。一分の隙も無い最終回だ。

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 クライマックス、銀次とレヴィが戦う。刀の達人である銀次は、銃弾を切り裂いて互角に立ち回る。このアクションに妙なインパクトを感じた。そもそも「ブラック・ラグーン」には、もっといかれた殺し屋がいくらでも出ている。しかし、いつもの舞台であるロアナプラは、ファンタジーも同然の暗黒街なので、ターミネーターの如きメイドが暴れようが、幼女が重火器を振り回そうが、そういう場所だし、で済まされるところがあった。ところが銀次は東京のヤクザ。リアルな任侠ものの雰囲気でここまで来たので、突然のスーパーアクションについていき損ねたのかもしれない。

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 この数年前に、「トリビアの泉」で、日本刀で弾丸を斬る実験が放映され、話題になった。「ブラック・ラグーン」が、参考にするようなことがあったのかどうか。マンガの東京編が書かれたのは2006年前後で、タイミングは微妙。もっとも、この技には「ルパン3世」の五ェ門という先駆者がいるので、そちらからの発想である可能性は大だが。
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2021年09月09日

「ウマ娘」の遊び方を教えてくれ その7

umpd071.jpg 大変言いにくいのだが、もしかしてアオハル杯、クソゲーでは?

 8月末、サービス開始半年というタイミングで、「ウマ娘」に二つ目の育成シナリオが追加された。その名も「アオハル杯」だ。
 内容は、とにかく盛り盛り。従来のURAファイナルズを目指す育成はそのままに、合間にアオハル杯と呼ばれるチーム戦が挿入される。そのため、レースの回数が増え、クリアまでのプレイ時間が激増。本来は一人のウマ娘を育てるための画面に、無理矢理チームメンバーの情報を追加したため、PCの本格シミュレーションゲームのような複雑怪奇なUIが並ぶ。早くもご新規様お断り、という雰囲気が漂う。牛丼にカレーをぶっかけるが如き暴挙である。
 最初の育成シナリオに飽きたプレイヤーに、新しい遊びを提供しようという意図はわかるが、プレイの負担が増し増し。さらに、チームを気にかけすぎると自分が育たず、自分中心で行くとチームが育たないというジレンマで、ゲームの難度も跳ね上がっている。ライトなユーザーが太刀打ちできる内容ではない。
 また、「アオハル杯」は新規シナリオだが、合間で発生する個別育成シナリオや、サポートカードイベントは変化していないので、流れがしっくりこないことが多々あるのも難点。

 PCゲームであれば、複雑なゲームをじっくりと攻略するのももちろんアリだが、スマホゲームとしては常識外れのヘビーさだ。もしかして主軸はDMMゲームの方に移っているのか?
posted by Dr.K at 20:24| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月06日

シュシュシュの娘

 タイトルは「むすめ」じゃなくて「こ」だそうで。
 コロナ禍で延期、中止が相次ぐ映画業界。今こそ、自主制作で映画を撮り、ミニシアターを応援しよう! と作られたのがこの作品だ。
 主人公は、地方の市役所に勤める鴉丸未宇(福田沙紀)。彼氏も作らず、ひたすら地味に生きてきた。市長が移民排斥を唱えるきな臭い情勢の中、未宇が尊敬する間野先輩(井浦新)が、行政の不正を背負い込んで自殺してしまう。同居の祖父は、未宇に「間野のかたきを討て」と命じるのだった。
 さて、監督からネタバレ厳禁とのお達しが出ているため、およそ書けることがない。いや、一つあった。

久しぶりに見た福田沙紀が予告編だけでも相当良い。
売れっ子だった頃よりも肩の力が抜けたのか、芝居も自然体でぐんと成長しているようだ。
私的には「もらとりあむたま子」の前田敦子を見た時ぐらいのインパクト。

 これは、映画公開時に、忍之閻魔帳で書かれたもの。忍さんには申し訳ないが、予告編と実際の内容は大幅に異なる。福田沙紀が過去に演じた「ヤッターマン」の2号や、「SPEC」のサイコメトラーと、演技的にはほとんど変わらない(笑) 良くも悪くも年齢を感じさせないところがある。最近見ないな、と思ったら事務所を出て独立していたとは知らなかった。これをきっかけに、また露出が増えたりするのだろうか。
 こういう作品にシリーズ化は想像しにくいが、市政はどう変わるのか、未宇の今後はどうなるのかなど、結末のその後がとても気になる。「かば」では存在感のある主役を堂々と演じていた山中アラタが、びっくりするほどどうでもいい役で出ているのもおかしい。

ちくわの重要さ 8
主役以外の無名度 9
祖父の去り際 7
個人的総合 4
posted by Dr.K at 20:49| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月04日

デレステ6周年の研究レポート

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 記念PVで、楓さんがついに宇宙へ飛び出しました。でも、ロボットに乗って戦ったりはしませんので、ご安心ください。

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 「デレステ」も今や6周年。もう地上でやることはなくなったということでしょうか。記念曲は「星環世界」ですし、配布衣装も宇宙をコンセプトとしたデザインになりました。う〜ん、クール!
 一方、運営は今後のさらなる長期サービス継続を目指して、大きな手を打ってきました。

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posted by Dr.K at 19:17| Comment(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年09月02日

かば

 十三(じゅうそう)のミニシアター、第七芸術劇場では、公開以来連日の満席。ロケ地が近いこともあって、お客が集まっているのだろうか。

 1985年、大阪西成の荒れた中学校を舞台に、先生たちの奮闘を描いた物語。エピソードは、蒲(かば)先生の同僚や、当時の生徒たちに取材して作られている。
 昭和の熱血先生と言えば、ドラマ「金八先生」が一番有名だろう。しかし、「かば」はずっと地味でリアルだ。コメディ演出はあるものの、過度に盛り上げようとせず、問題をできる限りそのままの大きさで伝えようとする。映画の中で何かが劇的に解決することはなく、先生たちはただ真摯に生徒と向き合うだけだ。こういう先生が実在した、というその事に大きな感慨を憶える。
 また、「金八先生」では、生徒役は新人の登竜門という性質があったが、主要なところはアイドルなどが配され、作り物感が出ていた。一方、「かば」の生徒役は、よくもまあこれだけ昭和感のある顔を見つけてきたな、という面々で、他の作品で見たことのある俳優など全くいない。卒業生のOLだけが美形で異彩を放っているが、元NMBと知って納得。
 在日や部落はともかく、沖縄出身者が差別対象になっているのは、今日からは想像しにくい。日本に返還されて10年ちょいしか経っていない、という当時の状況にハッとさせられる。一方で、いかにも不良という行動をする生徒より、おとなしく手がかからない生徒の方が、根深い問題を抱えているというのは、今もよくあるなあ、と共感する部分だ。
 近来稀に見る志の高い作品で、一見の価値がある。DVD化の予定はないそうなので、皆さまもぜひ劇場へ。

舞台考証 9
ご都合主義度 2
キャスト知名度 2
個人的総合 7
posted by Dr.K at 23:37| Comment(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする