昨秋から始まったリバイバル上映企画、角川映画祭。有名邦画の数々に混じって、「ファイブスター物語」がラインアップされていると知り、あわてて観に行く。
なんという懐かしさ。遡ること三十余年、高校生だった私は友達に連れられてこれを観た。アニメポリス・ペロに立ち寄った記憶があるので、おそらく今は亡き東映会館で観たのであろう。肝心の内容は大まかにしか憶えていない(笑)
改めて観ると、当時と違った面白さがあった。
この映画はマンガの1巻をアニメ化しており、言わば壮大な序章である。ストーリー自体の大風呂敷に加え、大仰なナレーション、オーケストラ演奏の楽曲によって、スケール感がとんでもないことになっている。1時間しかない話とは信じられない。
当時と異なり、その後のストーリーを知っているので、ちょっと顔を見せるだけのキャラクターも、後で活躍するんだよな〜、とにやにやしてしまう。例えば、名前も紹介されないミラージュナイトたち。こいつはログナー、こいつはランド、とバッチリ分かる。後に黒騎士として恐れられるデコースも、映画の範囲ではただの当て馬である。
アニメーションの質が思った以上に高い。すべてが手描きの時代だが、実に丁寧に動かされているのだ。一方、デザインは非常に古臭く感じた。メインキャラが昭和の少女漫画のような出で立ちなのに対し、悪役やモブキャラは「北斗の拳」のような絵柄になっている。
ストーリーについては、こんなに恋愛ばっかりの話だったかな、と驚いた。当時はバトルやメカにしか目がいってなかったのだろう(笑)
マンガの人気がすごかったので、続編は必ず作られるものと信じていたことを思い出す。それも、数本で終われる量だろうと思っていたからこそ。三十数年後となる現在、マンガがまだ終わる気配もないとは、誰が予想しただろうか。
館内では、同じ世代と思われるご夫婦が、思い出を語り合っており微笑ましかった。
同窓会度 10
アニメの質 8
説明臭さ 9
個人的総合 6