2022年06月30日

〈メガトン級ムサシ〉、続編でまさかの無料化


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 なんちゅうことをしてくれとんねん。こちとら前作をフルプライスで買っとるっちゅーの。
 もともと発表されていた予定では、アニメ2期にタイミングを合わせて、有料のアップデートでストーリーを追加するということだった。しかし、前作の売れ行きが想定をはるかに下回り、このままではDLCが売れる見込みがない。ならば思い切って無料化、という賭けに出たのだろう。協力や対戦のモードがあり、膨大なカスタマイズ要素があるゲームなので、確かにアイテム課金とは相性がいい。
 しかし、このゲームの最もメインとなる遊びは、ストーリーパートだ。アニメより掘り下げた物語を追いつつ、合間にそれほど難易度の高くない戦闘を楽しむ、それくらいが私にとってのいい塩梅なのだ。これが基本無料ゲームになると、課金しないと物語がエンディングまで見られない、などというバランスになりはしないかと非常に心配だ。また、スマホゲームのようにやたら周回させるゲーム性に変化するようだと困る。前作購入者には、100円で強力な新型機をはじめとする特典が提供されるようだが、心配は全く解消されない。
 大変魅力的、かつ貴重なロボットアクションゲームだが、おそらく私が「X」をプレイすることはなかろう。ことゲームに関しては、タダほどつまらないものはない。
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2022年06月28日

トイ・ストーリー4

 完璧だった「3」にこんな続きを追加するなんて、そりゃ文句もでるわけだ。

 前作の感動の結末で見失いがちだが、「トイ・ストーリー」の醍醐味はそのしょうもなさにある。オモチャのすることなので、子供っぽくてバカバカしい。バズの初登場など、本物の宇宙飛行士と思い込んでいるヤバい奴だったではないか。しかし、そんなキャラクターだからこそ、何をするかわからず、わくわくして観ることができたのだ。
 しかるに「4」ときたら、シリアスで憂鬱な空気が全編を覆ってしまっている。例えばフォーキー。ボニーの工作で生まれたが、自分をゴミと認識しており、すぐゴミ箱へ飛び込もうとする。ギャグのつもりかもしれないが、病んでいるように見えて気が滅入る。おもちゃを自作するとは素晴らしい、なんてクリエイティブなんだ、と称賛する奴が誰もいないのはどうしたことか。ボーは再登場となるヒロインだが、アクションスター気取りで、まるで別人だ。持ち主がいない状態でサバイバル生活を送っており、頼もしいが荒んでいる感じがする。ギャビーギャビーは敵ポジションとはいえ、結末以外はとにかく陰鬱。
 そして主人公のウッディ。昔の陽気さはどこへやら、心の離れてしまったボニーをひたすら思うだけの、痛々しいキャラに落ちぶれている。結末もボーに拾われた感じでなんだかめでたくない。それに引きずられたわけではあるまいが、バズを吹き替える所さんの声にも元気がない。
 オモチャたちの力で車を動かす強引さは、タコが車を乗っとる「ファインディング・ドリー」を思わせる。最新作なので映像はすごいが、どうにも好きになれないストーリーだ。

映像美 9
楽しさ 4
超展開 8
個人的総合 4
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2022年06月27日

ドラマ「空白を満たしなさい」が不気味過ぎる

 ある日、会社から帰った徹生(柄本佑)は、自分が3年前に自殺したと聞かされ戸惑う。この頃、国内の各地で、死んだはずの者が生きて現れる現象が起こっており、彼らは〈復生者〉と呼ばれていた。

 「母、小学生になる」は傑作だった。また、古くは「黄泉がえり」なんて映画もヒットした。死者が生き返る話はいくつもあるが、その多くは〈いい話〉として書かれ、奇跡的な再会を劇的に描いていた。
 だが、「空白を満たしなさい」は、なんだか違う。生き返った徹生を前に、妻の千佳(鈴木杏)は戸惑い、迷惑そうですらある。息子はなつかないし、会社にも居場所はない。生き返った甲斐がなく、主人公が気の毒だ。
 死の前後の記憶がない徹生は、自分は殺されたのではないかと考え、犯人の候補として警備員の佐伯(阿部サダヲ)を思い出す。ここで一気に物語が転調する。ホラー映画もかくやという阿部の怪演に息をのんでいたら1話が終わってしまった。なんという気色悪さ。ろくでもない結末の予感しかしないが、これはもう続きを観るしかない。
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2022年06月24日

ブレンダンとケルズの秘密

 予約してあった、〈カートゥーン・サルーン ケルト3部作コレクターズBOX〉が届いたので、さっそく観ることにしました。

 「ブレンダンとケルズの秘密」は、このスタジオの長編デビュー作。「ソング・オブ・ザ・シー」や「ウルフウォーカー」と比べると、特徴ある作風がどのように発展していったのかが見え、なかなか興味深いです。
 ケルズの集落は、バイキングの襲撃を防ぐための高い壁に囲まれています。ブレンダン少年は、その外に出ることを禁じられています。そこへ、高名な修道士エイダンが聖なる書を持って訪れます。エイダンは書の続きを作成するため、ブレンダンに手伝いを頼みます。ブレンダンは初めて集落の外の森へ出かけ、冒険が始まります。
 前半はとてもファンタジック。狼の精霊アシュリンはかわいらしく、闇の化け物は恐ろしくも幾何学的でユニーク。バイキングはほぼ人間をやめたデザインで、人格を全く感じさせない怪物としてビジュアル化されています。
 しかし、〈ケルズの書〉は実在の書物。そのため、ファンタジーとはほど遠い結末が待っていました。攻めてくるバイキングに対して、この書が魔力を発揮するようなことはなく、集落は焼かれてしまいます。逃亡したブレンダンは長い年月をかけて書物を完成させますが、年老いた院長との和解という終わりは、カタルシスに乏しかったです。とはいえ、書物のビジュアルは凄まじく、伝説になるだけの説得力を伝えてくれました。
 アシュリンが非常にいいキャラクターだったので、再会しなかったのが残念でした。闇に飲まれたとき、人間の姿になる力を失ってしまったのかもしれませんね。

アニメーション 7
見た目の個性 10
音楽性 7
個人的総合 5
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2022年06月19日

ドラマ「マイファミリー」の最終回に既視感

 「マイファミリー」、なかなか攻めたドラマだった。最初に、温人(二宮和也)の娘が誘拐される。犯人は警察の排除を要求。温人は友人らと協力し、これをどうにか成し遂げる。身代金と引き換えに、娘を救出し、家族の信頼を取り戻すのだが、この時点でまだ3話。この後はどうするのかと思いきや、新たな誘拐事件が起き、温人が交渉人として巻き込まれていく。
 温人に近しい家族が次々に連続誘拐に関わっていく驚きの展開で、真犯人やその動機がさっぱり予想できないまま最終回へ。しかも、ぎりぎりまで東堂(濱田岳)の妻が犯人というミスリードでひっぱり、最後の最後に吉乃(サンドウィッチマン富澤)が正体をあらわした。がっかりするより先に、こんなドラマ最近どこかで観たぞ、という既視感がひっかかった。
 そう、「テセウスの船」だ。真犯人探しで視聴者を釣りまくるあざとさといい、ミスリードのため色々な人物に怪しい態度をさせる脚本といい、真犯人がお笑い芸人枠であったことといい、そっくりだ。
 「マイファミリー」は、視聴率的には「テセウス」同様成功をおさめた。制作側が味を占めそうで今から心配だ。これからは、日曜劇場にお笑い芸人が出てきたら、真犯人ではないかと疑いの目で見てしまう。
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2022年06月14日

「シェンムーV」があまりにもシェンムー その3

 白鹿村の物語が終了した。高らかに鳴り響くシェンムーのテーマ。これこれ、この曲だよ! 何しろ20数年ぶりなので、懐かしいやら感動するやら。
 続いての舞台は、ちょっとした観光地という雰囲気の町、鳥舞。涼たちは、ホテルを拠点に情報集めを続ける。ところが、このホテルがただものではなかったのである。

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 なんと、ロビーから国際電話をかけることができる。前作までの主要人物と話ができるのだ。作中の時間経過としてはそれほどでもないが、プレイヤーにしてみれば20数年ぶり。これだけで、このゲームをやって良かったとまで思える。他のゲームではあまり見ないタイプのファンサービスだ。

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 さらに、自室のテーブルにはノートが置いてあり、過去の旅行客の書置き…ではなく、クラウドファンディングのバッカーからのメッセージを見ることができる。様々な言語で書かれており、「シェンムーV」を待っていた人が世界中にいたことがわかる。量も膨大で、めくってもめくっても終わらない。

 ゲームとしては正直あまり面白くないのだが、内容の懐かしさと超エモいファンサービスで間が持ってしまう。ずるい。
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2022年06月12日

トップガン

 新作を観る前におさらいしておこう、というわけで古い奴を観た。

 実は苦手なタイプの映画だ。イケメンのパイロットが教官と恋をする。最新鋭(当時)の戦闘機によるドッグファイト。印象深い楽曲。どこを切っても、強くかっこいいアメリカのイメージそのもので辟易する
 若きトム・クルーズの魅力がスクリーンを占拠しているが、個人的に印象に残るのはグース役のアンソニー・エドワーズ。孤立しがちなマーヴェリックを支える気のいい兄ちゃんだが、後に「ER 緊急救命室」にグリーン先生として出たときには、まだ若いのにつるっ禿げになっている。もしも「トップガン」の中でグースが死なず、続編への出演がかなったとしても、異様に老けないトム・クルーズと並ぶのはつらいものがある。また、昔は嫌味な優等生という印象しかなかったアイスマンだが、今見返すと正しい事しか言っていないことに気が付いた。
 冷戦というわかりやすい時代のため、なんとなくソ連と小競り合いしているという程度の理解で充分だが、現在の世界情勢は複雑なので新作での設定はどうなるのか気になる。まさか、訓練飛行のみの映画ではあるまいな。
 敵機を撃退する結末は憶えていたが、その後をすっかり忘れていた。マーヴェリックは、教官としてトップガンに戻ってくる。「トップガン マーヴェリック」で、初めて教官をやるわけではなかったのだな。予告以外の情報は入れていないので、観るのが楽しみだ。

映像美 8
ストーリー 6
楽曲 8
個人的総合 5
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2022年06月09日

「シェンムーV」があまりにもシェンムー その2

 「シェンムーV」の最初の舞台は白鹿村(はっかそん)。IT企業の研修会ではない。

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 村がゴロツキに襲われていると聞き、駆け付けてみればたったの二人。スキンヘッドのヒョロガリとロン毛のデブをしばき倒すと、奥からデカブツが出てきてあっさりKOされた。なんという情けなさ、前作で、もっと強そうな敵と渡り合ってたはずなのに。
 リベンジのため、達人に教えを乞うと、2000元もする酒を要求された。これがいかに法外かと言うと、アルバイトの薪割りミニゲームを一回やると収入は50元くらい。何回必要か計算すると気が遠くなる。薬草を採取して売るという方法もあるが、こちらはマップをくまなく歩く必要がある上、同じ場所に再び草が生える日数はかなり長いようで、効率悪い。さらに、珍しい魚を釣るという方法。私はこのゲームの釣りが苦手で、普通の魚すら一匹も釣ることができない。
 残された手段はギャンブル。占い屋でラッキーカラーを聞き、花鳥風月にMAXベットで突っ込む、というどうしようもない主人公が誕生した。村がピンチだというのに、とんでもないグダグダっぷりだが、これこそシェンムーという展開でもある。

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 さあ、お金が貯まった。のんきに「顔じゃんけん」とかやってる場合じゃないのである。
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2022年06月04日

父がコロナになりまして 三〜六日目

 父はわずか三日で、熱も下がり味覚も戻り、ほぼ普通と言っていい状態になった。特例承認薬のラゲブリオが効いたのだろうか。

・あとは、指定の期間おとなしく家にいればよいとのこと。期間終了時に検査がないのは驚いた。そこまで簡素化されているのか。

・実は、大変なことになっているのは母の方。濃厚接触のため、定期的に通っていた病院をキャンセルしなければならない。
・しかし、ただキャンセルしたのではいつも飲んでいる薬が尽きてしまう。
・そにで、診察なしで処方箋を出していただくよう相談する。
・同じような例は多いらしく、コロナ特別対応ということで、処方箋が郵送されるはこびになる。
・ただし、濃厚接触者は自ら薬を買いに出てはダメ、と釘をさされる。家族全員が該当するのでさあ困った。
・弟が近くに住んでおり、義妹が会社を休んで買いに行ってくれた。
・ほとんど私が電話でやりとりするため、母は現状を理解できず、ストレスから寝込んでしまう。もともと弱っていたので心配だ。

・私自身も、歯医者の予約を延期したので、治療が進まず困る。明日から外出できるが、控えめにしておこうと思う。
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2022年06月02日

「シェンムーV」があまりにもシェンムー その1

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 PSストアで924円というセール価格になっていたので購入。私はかつて熱烈なドリームキャストユーザーであり、過去作はもちろんプレイ済み。「3」開発の経緯も興味深く見守っていたが、元々超大作だったものの続編を、大きな会社の後ろ盾なく作ったということで、さすがにフルプライスで買う勇気は出なかった。しかし、このセール価格なら少々不出来でも損にはなるまい。

 プレイを始めて驚いた。あまりにも昔のままのシェンムーだったからだ。
 まずCG。リファインされてはいるが、ドリームキャストの頃のリアル未満の造形が保たれている。次に会話。つながりがスムーズでなく、ぎこちないセリフのやり取りに終始するが、かつてのシェンムーがまさにこうだった。そしてシステム。時間の流れがあり、約束の時まで暇つぶしをしなければいけないとか、住民一人一人にスケジュールがあるとか、金策や鍛錬が必須だとか、手帳で管理される進行とか、懐かしさのオンパレード。
 クラウドファンディングで開始されたので、予算は少なかったはず。ならば、かつて構想されていたストーリーをダイジェスト気味にどんどん進めていく、という物語だけのゲームになる可能性もあった。しかし、「シェンムーV」はどこまでもシェンムーを貫いた。ストーリーはさっぱり進まないが、家と村とを毎日往復しつつちまちまとミニゲームを消化する感覚は、まさに20年前と同じだ。そして、こんな感覚は他のゲームではほとんど味わっていなかったことに気付く。
 今どきの忙しいゲーマーには不向きだが、できるところまで付き合っていこうと思う。

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posted by Dr.K at 15:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする