2022年09月29日

デレステ7周年の研究レポート

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 無料10連の期間で、SSRあきら2種類を獲得。これも何かのご縁でしょうか。

●神のアップデート
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 7周年おめでとうございます。というわけで、恒例の新衣装が配布されました。その名もメイク・マイ・トレンド。
 これがただの追加衣装ではありませんでした。トップス、ボトムス、アクセサリーを選択し、自由に組み合わせることができるのです。これにより、各プレイヤーのセンスやこだわりが発揮できるようになりました。今後追加予定のセレクトショップも、これらのパーツを別々に販売するお店になるものと予想します。
 もともと、衣装は全身で一つという扱いだったこのゲーム。後からこんな変更をして、既存のステージがバグったりしないもんですかね? 思い切ったアップデートをしたものです。

●悪魔のアップデート
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 一方、SSレアアイドル勧誘チャレンジはやばいです。各キャラ恒常の一枚目のみ、という制限こそありますが、任意のSSRを一人、無料で獲得することができるのです。
 しかし問題はその後。勧誘したSSRは仮所属であり、指定の期間(10日)にミッションをこなして信頼度を満タンにしないと、失われてしまうのです。一度手に入ったものは、失いたくないのが人情。ミッションとして、かなりの回数の営業やライブを繰り返さなければならないのですが、無理してやってしまいます。しんどいのでオートプレイに頼っているのですが、チケットを使い果たしたのはこれが初めてです。
 おかげで、夢見りあむがなんとか正式所属に間に合いそう。このイベントが再び開かれるかはわかりませんが、その際には、ミッションが厳しくならないことを祈るばかりです。
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2022年09月24日

スーパー30 アーナンド先生の教室

 アーナンドは、類まれな数学の才能を持ち、ケンブリッジ大学に招かれるほどだった。しかし、貧しい家に育った彼は、渡航費用が出せず、留学の夢はかなわなかった。そのころインドでは、IIT(インド工科大学)を目指すための予備校が注目されていた。エクセレンス予備校を経営するラッラン・シンは、アーナンドを看板講師として起用し、成功する。高収入を得たアーナンドだったが、富裕層の子だけが学べる予備校ビジネスに疑問を持ち、独立する。貧しい出自の学生を30人選抜し、授業も寮も食事も無料という、驚くべき私塾が始まった。
 貧富の差による教育の格差をテーマにした映画で、アーナンド先生は実在の人物。まじめで堅苦しい物語になりそうだが、さすがはインド映画、想像もつかない演出が待っていた。

注:以下にネタバレを含む

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2022年09月19日

東京ゲームショウ2022 注目の5作

 まず、3年ぶりとなる幕張メッセでの開催、おめでとうございます。久しぶりということで、各社イベントに発表に、気合が入っていたのではないでしょうか。

 「龍が如く 維新!」は、PS4のローンチタイトルでした。リメイクにあたり、芸能人キャストとの再契約が必要になるのですが、なんと全員を変更。代わりに、最近の「龍」シリーズからオールスターキャストが出演する形になりました。思い切ったアイデアですが、なるほど、これなら新作のような感覚で見ることができますね!
 名越スタジオの面々が去り、新生龍が如くスタジオはどうなるのか、心配していたファンも多かったと思うのですが、TGSでは3作も「龍」関連作品が発表され、健在ぶりを見せつけました。

 すべてがカードによって演出されたこのシリーズも、はや3作目。AAA級のゲームが、写実的になればなるほど、見た目に個性がなくなっていく中、こうした試みは非常に評価できます。順調にシリーズを重ねているということは、おそらくちゃんと売れているのでしょう。「囚われの魔物」のリリースを記念して、旧作がセール価格で売られていますが、個人的には、3作をまとめたパッケージ版を出してほしいです。特典にリアルのカードとかいかがでしょうか。

 テーマ曲として、篠原涼子が「愛しさと せつなさと 心強さと 2023」を歌うというのでびっくり。篠原の芸歴の中で、黒歴史になっているのだとばかり思っていました。
 懐古的な話題と裏腹に、ゲームのビジュアルは海外のオンラインゲームのようなテイストに変更されて違和感が大きいです。アートディレクターが藤岡要と知ってまたびっくり。モンハンシリーズでのディレクター職から、いつのまにかアートの部署に戻ってらしたんですね。

 「バイオハザード」はじめ、リアル一辺倒になりつつあるゾンビゲーム。それを、あえてドット絵で表現しようという異色作です。開発は、ケムコの2DRPGを多数開発してきたヒットポイント社ですが、題材のせいか、いつもの絵とはずいぶん違う気がしますね。
 そして何より、シナリオがイシイジロウなので見逃せません。きっと凡庸な展開では終わらせないはずです。

 コーラス・ワールドワイドのブースには、大好きだった「COFFEE TALK」の続編もあるのですが、今回紹介するのはこちら。
 「十三騎兵防衛圏」を思わせる横画面で、新海誠をオマージュした物語が展開するアドベンチャーゲームだそうで、誠実さのにじみ出る2D絵になんとも味があります。インドネシアで作られたゲームなので、現地の文化がそこかしこに見えるのも興味深い。これは買います。
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2022年09月17日

さかなのこ

 さかなクンの自叙伝が原作だが、そんなに忠実には作られていない。この不思議さを説明する便利な言葉がある。今はやりのマルチバースだ。
 まず、誰もが疑問に思うのが、主人公をのんが演じること。だが、開始するなり「男でも女でもどっちでもいい」とぶった切られる。スパイダーマンも作品によっては性別が変わったりするので、これはマルチバースで説明できる。
 主人公のミー坊は、さかなクンをモデルとした人物のはずだが、なんとさかなクン本人は別のキャラとして登場する。その名もギョギョおじさん。魚好きで、働いておらず、子供に声をかける怪しい人物だ。さかなクンが、さかなクンになり損なった人生を演じている。これもまたマルチバースだ。
 ギョギョおじさんは、ミー坊と意気投合。夜が遅くなってしまい、ミー坊の父が警察を連れてやってくる。謝るおじさんに対し、ミー坊の父が帽子を奪おうとすると怪しい光が発せられ、父はたじろぐ。この場面、若い人には何のことやらわからなかったようだ。直前に、ミー坊がキン肉マンを上手に描いてみせる場面があるので、「キン肉マン」のパロディと思われる。キン肉マンがマスクをはずすと、光とともに様々な能力が発揮されることは有名だ。
 結局ギョギョおじさんは、警察に連行されてしまう。このとき、トレードマークのハコフグ帽子がミー坊に渡される。つまり、ミー坊はさかなクン二代目ともいうべき位置づけであり、まさにマルチバース展開である。
 マルチバースであれば、時代設定を変更して今に合わせても許されるのだが、そういうことはせず、田舎ヤンキーの昭和っぷりが強調される。緊張するのは一瞬だけ、ミー坊のマイペースはヤンキーたちも巻き込んでしまう。変な奴が変なまま、周囲に良い影響を与えていくというおとぎ話で、のんにしか勤まらない見事なキャスティングだ。脇を固めるのも良い役者ばかりで、穏やかに心地よい時間が過ぎていく。
 クイズ番組で有名になったという誰もが知るエピソードが描かれないことで、さかなクンを異能のヒーローとして讃える話ではなく、好きなことを追求した一人の人物を描いた話、として内容に普遍性を備えているのも素晴らしい。
 結末、さかな博士となったミー坊が子供に追われる場面はリアリティがなく、海に消えるラストシーンも含めてイメージ映像的である。こうして、次のさかなクンの継承者が生まれるのだろうか。かつてスパイダーマンは、何度も誕生のエピソードが語りなおされ、時には性別も変わり、数多くのストーリーに派生した。さかなクンもそんなヒーローの一人になったということなのかもしれない。

キャスト 10
伝記度 3
幸福度 8
個人的総合 7
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2022年09月16日

未来イカ革命「Splatoon3」 その2

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 ようやく発売を迎えた「スプラトゥーン3」。フェスが始まったらそればかりになってしまうので、今のうちに色々試しておく。

●引継ぎ
 「2」のセーブデータがあると、引継ぎが要素が発生する。私は引継ぎする、を選択したのだが、チュートリアルから初の対戦までを済ませないと、効果が発生しない。しばらくの間、引継ぎが成立しているかわからず、とても不安だった。

●ゴールドブキチライセンス
 引継ぎの特典がこのゴールドブキチライセンス。本来であれば、対戦を繰り返してランクを上げなければ手に入らない武器が、いきなり入手できる。「2」で愛用していた武器をすぐに使えるように、というありがたい配慮だ。
 私はN-ZAPをメインで使っていたのだが、低いランクで獲得できる武器なので今回はパスし、スパイガジェットにライセンスを使うことにした。

●ヒーローモード
 一人プレイモードを先に進めておくか、と開始したのだが、最初のボスを倒したら別世界が開ける急展開。スケール感が壮大で圧倒された。ステージ数も多く、難易度が高いものもあり、対戦ゲームのおまけとは言い難い規模になっている。「オクトエキスパンション」を早々にあきらめた私に、果たして結末を見ることは可能だろうか?

●サーモンラン
 敵の種類が増えたのを楽しんでいたら、わずか3戦目のプレイであっさり全滅した。敵の数が多いのか、スピードが速いのか、いきなり難易度が上がっている気がする。このぶんでは永遠に見習いだ。

●バンカラ街
 シンプルな構造だった「2」までの街に比べると、死角が多く入り組んでいて、どこに何があるのかなかなか覚えられない。ショートカットばかりしているせいもあるが…。
 そして、広場ではさぼっているマンガ家を発見。ネットで目撃報告が多数あるのだが、イラストはどのように選ばれ表示されているのだろう。評価が高いと表示頻度が増えたりするのだろうか。
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2022年09月13日

「課外授業 ようこそ先輩」の庵野秀明回は必見

 庵野秀明展「シン・ウルトラマン」のせいで、私の中で庵野秀明への興味が再燃している。そんな折、「課外授業 ようこそ先輩」を見る機会があり、あまりに貴重な資料になっていることに驚いた。

 「課外授業 ようこそ先輩」は、かつてNHKで放送していた教育(?)番組。著名人が自分の母校を訪れて、数日の特別授業を行う、という内容である。
 庵野秀明の回は99年の放送。「エヴァンゲリオン」の旧劇場版は公開済み、新劇場版は始まってもいない時期だ。39歳の庵野は、まだ結婚していない。
 宇部氏にある小学校を卒業以来初めて訪れることになった庵野は、子供が苦手と話し、まるっきりゲンドウである。庵野は大方の予想通り、アニメ制作を体験させる授業を始めるが、驚くべきはその課題。小学生時代の庵野を想像して描いて見よ、というのだ。いつもは、授業の内容や、子供たちの取り組みが興味の中心となる番組なのだが、この回だけは変な課題のせいで、庵野秀明のプライベートばかりが注目を集める番組になってしまっている。
 難題を与えられた小学生たちは、庵野ゆかりの人々を取材して回り、そのエピソードを元に動画を描く。もちろん、小学生が自分でアポイントなど取れるわけがないので、庵野が実家の両親や、小学生時代の友人や、思い出の場所などを紹介して回るのだが、これがもう貴重映像の連続。両親は、庵野が小学生の時に描いた油絵を披露するが、これ、庵野秀明展で見た絵じゃないか。
 そして、随所に顔を出す独特の創作論。

 表現というのは、基本的には欠落したものを埋めていく作業だと思います。それを人に伝えるための努力、自分をまともにしようとする努力。とにかく、まともな手段で他人と関われない人達がちょっと穿ったことをして、なんとか自分と他人との間を保っている。それが表現というものだと思います。少なくとも僕はそうです。アニメや映画をやることによって人と関わり続けることができる。

こんな率直な言葉を、他であまり聞いたことがない。
 番組の終盤、庵野は宇部の町への想いを口にする。

 僕はここの風景がやっぱいいなあ、と。いつかここに、自分の描く舞台は帰って来るんじゃないか。

 当時は、それほど気にならなかったこの言葉も、「シン・エヴァンゲリオン」で本当にそうなったのを観た後では、庵野のブレなさに感嘆するしかないのである。
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2022年09月11日

「ウマ娘」1.5周年 裏の章

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 「グランドライブ」は、新規シナリオだけあって、パラメーターの伸びが著しい。初めてのヒシアケボノでも楽勝で「うまぴょい」到達。ヒシアケボノはガタイがいいので、レースでもライブでも見栄えがする。

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 さて、数回育成をしたおかげで、期間限定のストーリーイベントを久しぶりに読み通すことができた。
 「鉄翼蒸気奇譚」は、ウマ娘たちが、スチームパンクの世界で活躍する物語。一種の転生ものだが、過去に登場したVRゲーム機の別のソフトという設定になっている。以前、ファンタジー世界に転生した「ウマネスト」の評判は悪かったが、こちらはいかに。
 結論から言うと、なかなか良かった。異世界での飛行機作りを通して、ウマ娘たちが自分の走る意義を再確認するという内容になっており、本編とキャラクター性がきちんとつながっていたからだ。
 画像を見ての通り、ウイニングチケットとナリタタイシンには、スチームパンク衣装のキャラが作られている。特にナリタタイシンは普段の印象とギャップがあり、かっこいい。今はこれらのキャラがガチャでピックアップされており、ちゃんと欲しくなるように仕込まれているのが憎い。
 問題は、その他のウマ娘で、衣装がないのでいつもの制服で出演している。これについて、VRゲームの不具合、で済ませて作る手間を省いているのがずるい。そして、ここぞの一枚絵で特別な見た目になることも、VRゲームの特別な機能、で済ませておりまたずるい。サイゲームズのコスト意識はここでも徹底されている
 飛行テストが成功したとき、山の向こうには、巨大ロボットや未知の町が見えた。非常に気になったが、イベントはそのまま終わってしまった。いつか続編に期待したい物語だった。
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2022年09月08日

惑星ソラリス

 夏休みに、タルコフスキー監督の特集上映があったので観てきた。原作であるスタニスワフ・レムの小説は学生時代に読んでおり、ソダーバーグ監督の映画「ソラリス」も鑑賞済み。それなのに、最も知名度の高いタルコフスキー版を観ていないというのはまずいだろう、といういささかヨコシマな動機で行ってきた。
 やっぱり伝説の映画はすごい。
 例えば冒頭の一コマ。水草がうつる。きれいだ。まだうつる。何か登場するのだろうか。まだうつっている。画面を隅々まで見る暇があるが、取り立てて何もない。今どきの映画だったらとっくに次のカットに進んでいるだろうに、全編にわたり静的な絵を長く見せ続けるという特徴があるのだ。
 変化のない映像を見せられ続け、眠くなった人も多いようだが、私は異様な緊張を感じた。何か隠されているのではないか、ここで何か起こるのではないか、他に意味があるのではないか、何か見落としがあるのではないか、よく見れば何か見つかるのではないか、と不安になってくるのだ。ついには、私が映像を見ているのではなく、映像が私を見ているのではないか、とさえ思えてくる。それはあたかもソラリスの海に観察される主人公のようであり、映画のテーマにシンクロしていくのが恐ろしい。穏やかでありながら不穏な映像が連続し、説明のないままに宙づりされる感覚は、他ではなかなか味わえない。
 タルコフスキーの映画は結末が素晴らしい。「惑星ソラリス」では、最後に主人公が沼地の我が家に帰ってくる。家の中には父がいるが、室内なのに水がびしゃびしゃかかっており、しかも父はそれを気にする風ではない。その異様な光景で、これは本当の故郷ではない、と察せられる。CGがない時代とは言え、特撮や合成もなしにこの異様さを伝えられるのはすごい。「ストーカー」の結末の少女も好きだったので、さすがとしか言いようがない。

SF度 3
ホラー度 8
独創性 10
個人的総合 5
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2022年09月05日

「ウマ娘」1.5周年 表の章

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 サイレンススズカでプレイすると、大逃げをうつだけなので駆け引きもへったくれもない(笑) スピードのパラメーターがSSを突破し、よくわからない表記になっていた。本来こういうバランスなのか、それとも新シナリオのおかげか。

gl2.jpg さて、「ウマ娘」も1.5周年を迎え、育成に第4のシナリオが追加された。「つなげ、照らせ、ひかれ。私たちのグランドライブ」である。(長い!)
 もともと「ウマ娘」は、競走馬が女の子になっている、というトンデモ設定なのだが、「グランドライブ」では、彼女たちが走るのをやめてアイドル化し、盛大なライブを開くというストーリーになっている。(だいぶ嘘)
 育成に当たっては、従来の5つのパラメーターに加え、パフォーマンスと呼ばれる追加のパラメーター5種類をアップさせていかなければならない。画面に表示物がぎっちぎちに詰め込まれ、見た目は非常にややこしい。ライブを大成功に導くには、余計なレースへの出場を控える必要があり、やはり走るのをやめようとしている。
 一方で、それ以外の部分は最初のシナリオである「新設!URAファイナルズ」と同じになっており、濃密な個別ストーリーが復活しているのが嬉しい。しかし、ご存知の通り、個別ストーリーは各ウマ娘が勝利を目指す熱い展開がウリであり、「グランドライブ」の流れとかみ合わないのが難点だ。

 サイレンススズカは、「グランドライブ」のストーリーにも関わるキャラなので、通して遊ぶとなんだか二重人格みたいになってしまうのだった。
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2022年09月03日

ロッキーVSドラゴ:ROCKY IV

 今になってスクリーンでロッキーの雄姿を拝めるとは思わなかった。貴重な経験だった。

 謎の多い映画だ。
 そもそもなぜ「4」なのか。リバイバル上映するにしても、一作目から順にやるべきではないのか。
 そして、上映時間。この映画は、スタローンが「4」の未公開フィルム(カットしたシーンや没テイク)を発掘し、再編集したもの。つまり、ディレクターズカットとか最終版とか言われる類のものだ。結果、未公開映像が42分もあるのだが、なぜか上映時間が3分しか伸びていない。そんなに入れ替えてストーリーは大丈夫だろうか。
 実際に観て驚いた。よりシンプルで純度の高いストーリーになっている
 まずオープニング。「ロッキー3」が引用され、アポロとの関係性が強調される。ロッキー邸の場面では、ロボットの登場場面がすべてカット。今見ると変な奴なので、これは正しい。アポロが倒されるシーンでは、ロッキーがタオルを投げるタイミングが変更になっている。そして迎える葬式の場面。まさかロッキーのスピーチが変わるとは思わなかった。泣ける。
 ドラゴの印象が変わっている。元の「4」では、アメリカでのシーンで、感情のないロボットのような不気味さをたたえていた。ところが、今回はロッキーを意識した視線などが印象に残る。後に、国のためという意識を捨てる伏線になっている。結末を知っているので、そう見えただけかもしれないが…
 ロッキーが車で過去を回想するシーン、雪山での特訓シーンなど、半ばMVとなっている部分については、ほぼ昔のまま。ただし、細かいカットの変更はいくつか認められた。ドラゴの奥さんは大幅に出番を減らしていたが、エイドリアンとの対比は必要ないという判断だろうか。
 最後のドラゴとの戦い。ロッキーの息子がテレビ観戦で応援しているシーンはカット。微笑ましい場面だが、戦いの緊張感を削ぐ。この省略で、試合のシリアスさが増したかもしれない。ロッキーが勝ち、スピーチをすると、ソ連の書記長は憮然として退席する。書記長までが拍手喝采する能天気さも悪くなかったが、リアリティが増している。しかし全く別の反応をあらかじめ撮ってあったとは驚き。そして、元の映画はリング上でエンドロールになったが、今回は退場シーンがある。その途中で敗者ドラゴの近くを通り、言葉こそ交わさないが何か意志を伝えあっているようにも見え、いい余韻になっていた。
 なかなか良い再編集版だった。ついでに、イマイチだった「5」あたりも改良できないものだろうか。

アポロ改善度 8
ドラゴ改善度 8
ストーリー改善度 4
個人的総合 7 

posted by Dr.K at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする