2022年10月31日

ブレット・トレイン

 新幹線っぽい特急列車が、うさん臭い東京を出発。乗客はなぜか殺し屋ばかりで、走る密室を舞台にバトルが繰り広げられる。

 公開後、あっという間に上映回数が減少。人気が出なかったのかと思ったら、細々とロングラン上映が続いている。少数ながら根強いファンを獲得しているのだろうか。
 まず、主演のブラッド・ピットが素晴らしい。アカデミー賞受賞作をプロデュースするような、ハリウッドの重鎮であるのに、こんなバカ映画に嬉々として出演するとは。殺し屋でありながら殺意に乏しく、成り行きで人を殺してしまう、レディバグの役を軽薄に演じた。これで還暦近いのかよ、信じられん。
 他の殺し屋もいちいちキャラが濃く、わずかな出番であっても印象が強烈。東京オリンピックのマスコットみたいな着ぐるみまで出てきて笑う。外人に支配されるヤクザを見て、「レッドスティール」を思い出した。そんな中、一人重厚な演技を見せる真田広之。日本語が妙にたどたどしいのは、周りに合わせた演出だろうか。
 こういう物語は、謎が解けてくると落ち着いてしまう傾向があるが、「ブレット・トレイン」は結末に近づくにつれて映像面で現実感がなくなっていく作りのため、最後の最後まで勢いを保った。
 レディバグは、他の殺し屋の代理として列車に乗り、事件に巻き込まれた。では、本来乗るはずだった男は、どうしているのだろう。結末での言及がなかったため、黒幕的な裏があるのではないかと勘繰ってしまう。

世界観 7
キャラクター 9
バカ映画度 8
個人的総合 6
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2022年10月30日

サービス終了の研究レポート その2

 30年ぶりとも言われる水準で円安が進んでいます。
 一方、モバマスではスタドリの相場が暴落しています。

mobamasft.jpg モバマスこと「アイドルマスターシンデレラガールズ」には、フリートレード機能が現存します。ユーザー同士がカードを取引、交換できるシステムは、昔は一般的なものでした。しかし、RMTやアカウント売買の温床になるとの見解から、現在のモバイルゲームでは廃止されている機能です。
 モバマスの場合、カード同士を交換することも出来ますが、メインとなっているのは課金アイテムを通貨に見立てた交換でした。スタミナ回復アイテムのスタドリ、戦闘力回復アイテムのエナドリを、相手の指定する数だけ支払って、交換するわけです。
 フリートレード市場において、カードの価値は株式市場のごとく変動しており、ネットでは相場の情報が流され、巧みなトレードによってアイテム資産を増やすデイトレーダーの如き達人も存在すると聞きます。
 運営側は、フリートレード機能をしかたなく残している雰囲気があり、フリートレードができない仕様のアイテムを増やしたり、フリートレードできないカードを発行したりしています。

 さて、そのモバマスですが、サービス終了が近づいた今、スタドリの価値が暴落し始めました。これまでは、スタドリ1に対してエナドリ1.5〜2、くらいの感覚だったのですが、今はエナドリ10くらい、いや、そもそもスタドリで交換してくれる人がほとんどいない。これでは私のスタドリ貯金もほぼ無価値です。
 残り期間のイベントで、スタドリを必要とするものがなく、エナドリは引き続き必要であることから、このような相場の変動が起こったのだと予想されますが、これはいったい何でしょう、アイドルのゲームだったはずが、経済破綻のシミュレーションになっているではありませんか。
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2022年10月23日

PS5で「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」 その1

 NHKの番組、「ゲームゲノム」の第二回は「ペルソナ5」。かなりネタバレもあったが、大いに興味をひかれた。ちょうど「ザ・ロイヤル」が発売間近だったので、思い切って買ってきた。

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 とりあえず、カモシダパレスをクリアするところまで進めたが、とんでもなく面白い。これは人気あるわけだ。演出が尖っていて、平凡に感じる場面が少ない。アニメによるデモシーンも多く、非常にゴージャスだ。PS5だからか、ロード等による待ち時間も短く、動きも軽快で言うことなし。

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 登下校で、電車の乗り換えが必要なゲームなんて初めてだ。なんと、乗換駅である渋谷で迷ってしまった。そんなに写実的な背景ではないのだが、こんなにリアルな迷子感覚を体験できるとは、きっと再現度が高いのだろう。ゲーム内の時間進行がリアルタイムでなくて本当に良かった。駅のせいでゲームオーバーになってしまうところだ。
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2022年10月22日

ドラマ「アトムの童」の所感

 今期の日曜劇場は、ゲーム制作者が主役。これは珍しい、ぜひ観よう。

●「Downwell」
 那由他(山ア賢人)は天才的なクリエイターで、かつて「Downwell」をヒットさせた。
 この選択にううむ、とうなる。「Downwell」はちょうどこの頃に出たゲームであり、しかも傑作なので確かにふさわしい。しかし、そんな事を知っているのはインディーズゲームをチェックしているような詳しい人に限る。一般的な視聴者にはただしょぼいだけのゲームに見えてしまうのでは? と心配した。しかし実際には、「Downwell」って実在のゲームだったんだ! と驚いたり喜んだりしている人が多数で、そんな心配が必要な域に達していなかった。

●SAGAS
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 一方、敵役となる興津は、IT系の大企業SAGASの社長。モバイルゲームでぼろもうけしている。オダギリジョーのうさんくさい演技は、何やら西野亮廣を思わせた。
 興津のゲームは、那由他に「あんなものは全然ダメだ」とこき下ろされるのだが、グリーやモバゲーがテレビCMを打ちまくっていた時代だったら絶対許されないシナリオだ。モバイルゲームが淘汰されてきてからこんな事を言うのは、遅きに失していると言えなくもない。

●アトム玩具
 老舗の玩具会社が危機に陥り、那由他のゲームで復活を目指す。
 こういう会社なので、社員は、コンピューターに馴染みのない年寄りのおもちゃ職人達だ。それが、ゲームを作るという業態変更に反対しないところに時代を感じた。
 1994年に、「おれはO型・牡羊座」というドラマがあった。武田鉄矢がおもちゃ会社の社長役だったのだが、コンピューターゲームに負けず、面白いおもちゃを作っていくという古い親父の気概に満ちた話だった。
 ゲームへの抵抗感がなくなってしまったんだなあ、と時代の変化が感慨深かった。
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2022年10月19日

「Cyberpunk2077」その7 PS5でプレイ終了

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 二度目となるエンディングは〈節制〉ルート。Vは電脳世界へ消え、ジョニーが生還する。続編でキアヌ・リーヴスに続投してもらいたいなら、これを正史とするべき。エンドロールで、ローグのババアが二度と顔を見せるなとほざくが知ったことか。

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 脇道のストーリーを積極的にクリアしたため、最後の戦いでパナムの協力を得る選択肢が追加された。違うエンディングを見るためには、これを選ぶしかないが、ちょっと躊躇する。直前にプレイしたのがパナムとのレース決勝イベントで、仇を取り逃がしてパナムとケンカ別れしたばかりだったからだ。
 アルデカルドスの連中はとても頼りになるので、このルートで発生する大規模な戦闘も難しくない。敵の中では、メタルギアみたいな装甲兵器が非常に硬く、まともに戦うと苦戦するが、ハッキングで自爆させれば一発。こういうのが許されるのが面白い。
 また、最初にクリアしたときは大変だったアダム・スマッシャー戦が、驚くほど簡単になっていた。その理由を答えよ。
・パナムが手伝ってくれるから。
・多くのサブストーリーをクリアし、Vの性能が上がっているから。
・PS5になって、動きがスムーズで操作性が向上したから。
うん、多分全部だな。

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 以前は面倒でやらなかった、タロットカード集めを今回はちゃんとやってみた。すると「丘の上の愚者」の続きが始まり、ミスティが占いをし、エンディングが何種類あるのかを示唆してくれる。エンディングがタロットカードの名前になっていた理由がようやく判明。このサブストーリーは絶対見ておくべきだったなあ。
 ただ、凝ったストーリーのせいで、収集画面があるにも関わらず、タロットカードをコンプリートすることが不可能な仕様になっているのはもやっとする。
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2022年10月15日

「異世界おじさん」第1話 異世界グランバハマルに17年いたがようやく帰ってきた、ぞ

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 メガドライブミニ2を予約した、と話したところ、ならばこのアニメは観るべき、と複数の同僚から言われた。だが7月の放送を見逃してしまい、これは縁がなかったな、とあきらめていたのだが、コロナ禍で制作が遅れ延期した挙句、1話から放送し直すという異例の事態に。これは縁があるのか?

 正直、今のところ面白くない。というのも、この物語は世の中に出回り過ぎた〈転生もの〉のパロディというかアンチテーゼになっているからだ。おじさんは〈転生もの〉の主人公のその後、として描かれており、現代の知識を異世界で生かす、のではなく、異世界で得たスキルを現実世界で使う、という正反対の行動に出る。
 これが、〈転生もの〉に飽きた視聴者にウケる仕掛けとなっているわけだが、なんと私は興味がなくて小説でもアニメでも全く触れていない。思い出すのは大昔の「黄金拍車」くらいだ。元ネタに精通せずパロディを見ても、そりゃ面白くないはずだ。

 1話では、「ソニック2」が登場。今のところ、ゲームが内容にそれほど関わっていないが、あれだけマニアックにオープニングを作りこんでいるのだから、次からは重要になってくるのだろうか。
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2022年10月10日

「Cyberpunk2077」その6 PS5でプレイ再開

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 裏路地のブレインダンスを起動したら、唐突にアニメが始まって驚いた。Netflixで配信中の「エッジランナーズ」の一部のようだ。

 「サイバーパンク2077」を再開した。PS4でクリアしているのだが、最も簡単な〈悪魔〉エンドしか見ていないため、他のエンディングをPS5で見てやろうと考えた。ありがたいことに、PS5へのアップグレードは無料。アニメとリンクしたパッチ1.6が配信され、プレイ人口も今さら増えているらしい。
 セーブデータを引き継いで開始。まず鏡を見てびっくり。主人公の顔が全然違う。自分でカスタマイズした顔のはずなのだが、モデルが良くなったのかテクスチャが変わったのか、別人のようになっている。手直しして外見を整えた。

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 私のモニターは4Kでもなく、HDRにも対応していない。なので、グラフィックの向上はさほど期待していなかったのだが、非常に美しくなっている。ポリゴン欠けもフレームレートの低下もなく、何をしてもスムーズなのが素晴らしい。PS4では、かなり画質を落として処理を軽減していたことがわかった。都市部の人口密度も明らかに増えている。
 さらに、PS5でロードが早くなったので起動はもちろん、リトライやファストトラベルも高速。あまりに快適なので気軽にだらだら遊び続けてしまう。
 それにしても複雑なUI。久しぶりなので、メニューや操作を思い出すまでに小一時間かかった。アップデートの影響か、装備が解除され、すべてのパーク(パワーアップ)が初期化されていたので、適当に付け直してしまったがまあ何とかなるか。
 あちこちのやり残しを消化しながら、別エンディングを目指そうと思う。
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2022年10月09日

本田翼は侮れない。「ゲームゲノム」

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 「ゲームゲノム」は、ゲームを分析する教養番組。NHKがゲームを真剣に取り上げるのは、ひょっとすると10年ぶりくらいかもしれない。第一回は上田文人をゲストに迎え、「ワンダと巨像」「人喰いの大鷲トリコ」の本質に迫った。

 この番組で注目すべきは本田翼。
 「ゲームゲノム」は、昨年一回だけ試験的に放送されており、その時のテーマは「Death Stranding」だった。ゲストはもちろん監督の小島秀夫で、番組側からは本田翼と星野源が出演した。このとき私は、星野がMCで本田はアシスタントのようなもの、と思っていた。星野がクリエイター的な観点から発言をし、本田は見栄えのいいアシスタントとしてライトな層からの感覚を話す。そういうバランスの人選だと思い込んでいたのだ。
 ところが今回、MCは本田翼が続投、星野源だったポジションは毎回違う芸能人が出演するとわかった。はたして本田に司会やホスト役が勤まるものか? それがなんと、できていたのである。本田の発言はシンプルながらも本質をとらえており、山田孝之のファンならではの洞察や、上田文人の専門的な言い回しなどを、うまくほどく役目を果たしていた。そもそも、3Dアクションをまともに操作でき、数多くのゲームをクリアした経験がある女優なんて、あまりいない。ひょっとすると香川照之のカマキリ先生に匹敵する当たり役になるかもしれない。本田翼は侮れない。次回以降の発言にも注目である。
posted by Dr.K at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月08日

未来イカ革命「Splatoon3」 その3

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 先日のフェスでは、〈ひまつぶし〉を選択。人生などしょせん暇つぶしに過ぎぬ。前夜祭があったので、あまり初のフェスという感じがしなかった。
 それにしても手練ればかりだ。あまりに勝てないので裏路地に引きこもったら、ナワバトラーにはまってしまった。

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 数回プレイすると理解できるルールの簡単さに加え、10回もプレイするとデッキも掌握でき、どんどん勝てるようになる。本編のランクは5しかないのに、ナワバトラーのランクが20を越えてしまった。一長一短のあるカードを、組み合わせによって使いこなしていく感覚が面白い。オンライン対戦が追加されるとの噂もあり、そうなったら瞬殺される可能性大だが、当分はコンピューター相手に無双しておこう。
posted by Dr.K at 16:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年10月02日

テアトル梅田、閉館

 先月末をもって、テアトル梅田が閉館しました。
 大阪には映画館などいくらでもありますが、ここでしか観られない作品もあり、閉館は非常に残念です。職場から10分ということもあり、仕事帰りに寄るのにもよかったんですけどね。


 初めて行った時の記事。私は映画に関しては、どこでも上映されているメジャー作品を、年に二つ三つ観る程度です」なんて書いてますね。それが今や、年に20回以上劇場に足を運ぶ映画好きになり、ミニシアターも数多く訪れています。初めてのテアトル梅田が良かったからこその変化でしょう。
 ではここで、テアトル梅田で観た映画を振り返ってみましょうか。

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posted by Dr.K at 23:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする