一生観ることはないだろう、とあきらめていたのをついに観ることができた。
「ゴティックメード」は2012年公開の映画。永野護監督によるロボットアニメであり、「ファイブスター物語」に似た感じのオリジナル新作だと思わせて、エンドロール後に実は「ファイブスター物語」でした、とファンを騙し討ちにした挙句、以降のマンガがこの映画準拠に設定変更されたという問題の一作だ。しかも、監督のこだわりにより、ディスク化も配信もされず、観ることが不可能な幻の作品となっていた。
それが、10周年を記念して11/10までリバイバル上映。東宝シネマズ梅田などは、ドルビーアトモス対応の一番大きいスクリーンで上映してくれる。これを逃してなるものか。
客観的なことを言うと、内容についてはそれほどでもない(笑) 永野護による壮大なインディーズ作品なので、いつもの「ファイブスター物語」の一挿話といった感じで、ストーリーは薄味だ。作画については全編手描きでこだわり抜いているものの、古臭い。特に、テレビアニメのように背景が止まっている場面が多いのが気になった。おまけに背景も荒野ばかりときている。
メインとなる戦闘シーンは、オリジナリティあふれるロボットアクションで描かれるが時間的にはわずか。思わせぶりな後日談をテロップで終わらせる悪癖もマンガと変わらずだ。
私は、「ファイブスター物語」を全巻持っているが、にもかかわらず重要な話を知らない、という欠落感を抱えていた。今回、「ゴティックメード」を観ることで、長年の欠落をようやく埋めることができた。パンフレットも、映画以前と映画以降とをつなぐ内容になっており、必携だ。でも1650円もする。角川の商売根性はたちが悪い。
希少度 9
インディーズ度 9
完成度 4
個人的総合 5