2023年08月29日

次こそ助かるのか? 「Alan Wake Remastered」

awr011.jpg
 先が気になるストーリーに引っ張られ、一気にクリア。お盆休みにプレイするのに、ちょうどいいボリュームだった。
 「Alan Wake」は、もともとXBOX360のゲーム。評判が良かったので興味はあったのだが、さすがにこのためだけにハードを買うには至らなかった。今回のリマスター版はPS4でもプレイでき、しかも先月のPS+フリープレイにラインアップされたので、すかさず入手した。

 小説家のアランはスランプに陥り、新作が書けない。妻のアリスの勧めで、しばらく田舎に滞在することにした。しかし、そこでは闇をまとった謎の敵に襲われ、アリスも行方不明になる。アランは書いた覚えのない自分の新作の原稿を見つけ、事件がその通りに起こっていることを知る…
 ゲーム部分は、ホラー性のあるアクションとして進行。アランは銃を使えるのだが、普通に撃つだけでは効かない。まず懐中電灯などで敵が纏っている闇を剥がし、それから撃つ必要がある。特に序盤は、敵を一掃できる手段が乏しく、また、逃げて済ますべきか、戦って倒すべきかの判断が難しい。わずか2章で進行不能に陥ったため、イージーモードで最初からやり直し、どうにか最後までプレイできた。

awr012.jpg
 ステージは後戻りしない一本道であるにも関わらず、ストーリーは複雑。アランの精神状態が危機的なため、今体験している事件が、現実なのか、創作なのか、はたまた妄想や悪夢なのか、判然としないまま進むのがスリリングだ。
 映像的にもかなり尖っており、例えば画像はアランが出演したテレビ番組だが、なぜかこの部分だけは実写で作られていたりする。

awr013.jpg
 オブジェクトのデータを読みそこなったか、画面がエラーを起こした。しかし、こんなストーリー内容なので、何かの演出かも、と思ってしまう。

awr014.jpg
 もとはDLCだった追加シナリオも、リマスター版には収録されている。本編で、アリスを救出するために、闇のロッジで小説を書き上げることを選択したアラン。二つの追加シナリオは、その続きとなっているのだが、がんばってプレイしても結局ロッジに戻ってしまうので進展がない。
 囚われ続けるアランが気の毒でしょうがない。今秋発売予定の「2」では、いいかげん外へ出してあげてほしい。
posted by Dr.K at 23:53| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月27日

アルゴ探検隊の大冒険

 60年前の映画がリバイバル上映。特撮、VFXの歴史には必出の一本であり、この機会を逃してなるものか、と観てきた。

 名匠レイ・ハリーハウゼンによるクリーチャーの動きは、時代を越える面白さ。CGのようになめらかではないが、手描きのアニメーションに通じるような生命感が感じられる。ストーリーの都合で、まず巨人のテイロスに驚き、終盤に七つ首のハイドラと戦い、最後は七体の骸骨剣士、とだんだんクリーチャーが小さくなってしまうが、青銅の像なのでぎこちないテイロス ➝ 複数の首をなめらかに動かすハイドラ ➝ 七体同時に動き、複数の人間とからむ骸骨戦士、と次々に難度の高い技術に挑戦して見せるアグレッシブさが素晴らしい。
 一方で、ストーリーについては疑問が多い。キャラクターの心情などをほとんど見せず、次々に伏線もなく事件が連なるというのは、おそらくギリシア神話に忠実なのだと思う。しかし、今どきのよく出来た映画を見慣れていると、探検隊からヘラクレスが抜けるシーンは、後で再登場するのでは、などと勘繰ってしまう。結末もかなりびっくりで、金の羊を手に入れたジェーソンが国へ帰るくだりを描かないし、予言された王殺害も実行されない。神話は延々と続くので、ここまでで区切りとしたのだとは思うが、映画としては打ち切りのように見えてしまった。
 人々がどれだけ苦労しても、所詮は神々の戯れの結果、ということでジェーソンへの感情移入度が極端に低いのも、これでいいのか、と疑問。ゼウスがただのおっちゃんで、およそ神々しさに欠けるのだが、これも神話に忠実なのだろうか。

コマ撮り技術 10
ドラマ性 3
完結性 5
個人的総合 5
posted by Dr.K at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月22日

信頼できるゲームの歴史! 奥成洋輔「セガハード戦記」

segahard.jpg

 昨年発売された「ゲームの歴史」は、販売中止になるほどの悪書であったが、


この本は信頼できる
 何しろ著者が奥成洋輔。セガに長年在籍し、古いゲームの復刻では驚くべきこだわりを発揮、ついにはメガドライブミニを完成させた当事者なのだから。
 こういうマニアックな本は、えてして読みにくくなったりするものだが、文章は平易で読みやすく、既知の内容については違和感がなく、さらにはとっておきの裏話まで飛び出す。何より、全体に通底するセガ愛が素晴らしい。良書である。

 ゲームの歴史を記述すると、任天堂やソニーといった業界トップの企業が中心になりがちだ。しかし、セガを通してみると、また別の顔が見えてきて面白い。それはまるで、戦国時代を語るのに、織田から見るか、徳川から見るか、はたまた武田から見るか、といった感じに似ている。他の企業からも、こういう本を書く人が出れば面白いのに、と思う。

posted by Dr.K at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 馬鹿は黙ってろ! | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月21日

創造的すぎるゼルダ 「ティアーズ オブ ザ キングダム」その7

ztok071.jpg
 ついにエンディングを迎えました。
 例によって、クリアするとボス戦の前にゲームが戻ります。今後は、時間があればウルトラハンドで大掛かりな装置を作ってみたいですね。ここまで節約のためゾナウギアの使用を控えていたのですが、もう不足を心配しなくても良いので。

以下に結末のネタバレを含みます!

続きを読む
posted by Dr.K at 17:33| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月19日

アウシュヴィッツの生還者

 実話に基づいた映画で、アウシュヴィッツという題材の底知れなさに震える。
 1949年。ハリー・ハフトは、「アウシュヴィッツの生還者」という触れ込みで、ボクサーとして活躍。どうやって生き延びたのか、という記者の質問に、ハリーは話しはじめる。収容所ではナチスの将校が賭けボクシングを主宰し、ハリーはその選手に抜擢された。試合は、ユダヤの同胞と戦い、負けた方はその場で殺されるという過酷なものであった…

 収容所のやせ細ったハリー。戦後ボクサーとなったハリー。引退後の中年太りのハリー。時間の経過を感じさせる変化を、一人ですべて演じ切ったベン・フォスターが見事。
 しかし、一番印象に残ったキャラクターはナチス将校のシュナイダーだった。シュナイダーは、収容所でハリーがナチス兵士に殴りかかる現場を目撃、射殺を制止して賭けボクシングの選手に起用する。勝たせて小金を儲ける、という打算であったが、勝ち続けるハリーに対し、やがて特別な感情を抱くようになる。
 シュナイダーは聡明な男で、ナチスがやがて滅ぶことを感じている。また、ユダヤに対しても悪意がなく、ただ上の方針に従っているだけなのだ。古来、戦争では虐げる者と虐げられる者が現れる。今回はユダヤにその順番がまわってきただけだ、とシュナイダーは話す。諦観のにじむ言葉が心にしみる。

 ハリーが引退したところで、そろそろエンディングかと思ったら、まだもう一山あった。わずかな希望を伝える結末に、名匠の貫禄が宿る。
 悪名高い実写版「マリオ」のルイージ役から、渋いチンピラに成長したジョン・レグイザモ、80近い歳を感じさせないダニー・デヴィートなど、脇役もいいので見ごたえがあった。

実録度 6
エンタメ度 6
誠実度 9
個人的総合 7

他の関連映画
posted by Dr.K at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月18日

未来イカ革命「Splatoon3」 その10

spla3101.jpg
 富と名誉と愛という、人間性を賭けたフェスは案の定〈富〉の勝利。ひどい結果だ。人類は滅ぶべき。
 私は〈名誉〉陣営でプレイし、連戦連敗。ちょうど、「ティアーズオブザキングダム」がクライマックスに突入しており、ジャンプしようとしてマップを表示してしまう間違いが続発。
 武器を変えようとして、スパイガジェットだけ旗に色が付いていることに気付く。熟練度かな? でもそんなに使ってないよなあ。調べてみると、これがチョーシの表示と判明。この武器だけ勝率が良かったらしい。
 チームのめぐり合わせが悪く、他のメンバーが撃ち合ってばかりでろくに塗ってくれない、という事態に遭遇した。ならば自分で塗るわい、と節操なくプロモデラーRGに手を出す。これマジで塗れるな。ナイスダマをもうちょっとうまく使えるといいのだが。

spla3102.jpg
 お盆のせいか、常連さんのイラストは見つからず。代わりにこんなのに遭遇。私はもちろんメガドライブだが、なぜこれだけ機種名書かなかったのかな。
posted by Dr.K at 22:42| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月16日

インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

 監督が代わったにしては、インディ・ジョーンズらしさの成分をかなり受け継いでいて良かった。老いたハリソン・フォードによるシリーズ引退作のせいか、「君たちはどう生きるか」と似た感覚にとらわれた。

 オープニング、パラマウントのロゴが無理矢理実景に置き換わる、いつもの始まり方じゃなかったのが残念。
 冒頭のエピソードは、お宝との因縁を説明する過去のシーン。ハリソン・フォードをAI技術を使って若返らせ(?)、かつてのインディそのままの姿が再現される。かなり自然に見えるし、アクションも全開で素晴らしい。この技術で今後もシリーズを続けられそう、などと思ってしまう。

注:以下にネタバレを含む

続きを読む
posted by Dr.K at 22:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月14日

創造的すぎるゼルダ 「ティアーズ オブ ザ キングダム」その6

ztok062.jpg
 こういう記事を書く際に、Switchのスクリーンショット機能で撮った画像を使うのですが、近頃、撮ったはずの画像が見当たらない、という現象が何度か起こりました。よくよく思い出してみると、ゼルダの中のウツシエで撮ったものと勘違いしていました。そりゃ見つからんわ。

ztok061.jpg
 さて、「ティアーズオブザキングダム」は、4つの神殿をクリア、地上絵もすべて発見、マスターソード入手、ついでに地下ではコーガ様を撃退、と順調に進んでおり、そろそろゲームも終盤かと思われます。
 ところが、いまだに地上のマップが埋まっていません。祠をすべてクリアしたり、コログをすべて集めたりするようなプレイはもとから目指してはいませんが、さすがにマップの欠けは気になります。
 問題の場所は、ゲルド高地。ハイラル側からアプローチしたのがまずかったのかもしれませんが、他の地方と異なり、そもそも鳥望台が見つからないんですね。山頂から見えなかったので、「山の地下に塔ごと埋まっているのでは」「この地方だけ塔が出来ていないのでは」とまで考えてしまいました。
 どうにか見つけた鳥望台ですが、例によってすぐには使えません。雪に埋まっているのでこれは下を見ねば、と塔の足元に広がる谷を捜索したのがまた間違い。おかげで、イーガ団の基地などに遭遇しましたが、塔への侵入口は見つからず、ずいぶん時間がかかってしまいました。実は塔のすぐ近くに答えがありました。まず近場をよく観察しないとだめですね。
posted by Dr.K at 14:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月07日

コラボ再び! 「テヅカプファイティングユニバース」

tezcap1.jpg 手塚治虫記念館で開催中の、「テヅカプファイティングユニバース CAPCOM VS. 手塚治虫CHARACTERS」を見てきました。

 前回の企画展がよほど好評だったのでしょう、二度目のコラボとなります。今回は、「ストリートファイター6」のリリースを記念し、格闘ゲームに特化した展示内容でした。
 まず、格闘ゲームの年表。何か漏れがないかと、意地悪な目で見てしまいましたが、「ファイナルファイト リベンジ」があるくらいなので、おそらく完璧です(笑) 「パワーストーン」が格闘ゲームかどうかは、ちょっと悩むところです。
 続いて、「ストリートファイター6」。様々なイラストレーターによるキャラクターの絵が飾られています。この展示は、おそらくゲームのリリース以前に企画されているはずですが、ゲームがヒットして良かったですね! あきまんによる等身大ライブペインティングも迫力満点でした。
 そして、カプコンのイラストレーターが手塚キャラを描き、手塚プロのイラストレーターがカプコンのキャラを描くというコラボ作品。リュウと並べられるのがブッダというのは恐れ多すぎるのでは。
 最後は、門外不出の開発資料。メインとなるのは「私立ジャスティス学園」の企画書や、「ヴァンパイア」のモーション設定書。しかし、一番面白かったのは「ストリートファイター3」のアンケート。企画するにあたって、「2」から何を変更したらいいか、開発スタッフからアイデアを募ったもの。回答者名は伏せられているのですが、ブロッキングらしき提案があって感心しました。一方、「ポリゴン」としか書いていない超いいかげんな回答は、安田朗(あきまん)だとわかっちゃいました(笑)。

tezcap2.jpg
 グッズコーナーで、「ストリートファイター6」の手塚記念館限定版が売られていてびっくり。手塚風装丁のブックレットが特典だそうです。どれくらい売れてるんだろう、気になります!

posted by Dr.K at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年08月06日

君たちはどう生きるか

 宮崎駿の新作を、事前の情報抜きで観るという体験そのものに希少価値がある。と思ったので、公開2日目に観てきた。

以下はネタバレになるので注意されたし。

続きを読む
posted by Dr.K at 15:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする