2023年11月30日

「Cyberpunk2077」その12 終わる終わる詐欺

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 〈塔〉エンディングに到達。「仮初めの自由」で新規に作られた結末である。このもの悲しさはゲームとしては異例。そして、終わりそうで終わらない引っ張りっぷりも異例。

注:以下に結末までのネタバレあり

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2023年11月27日

ファルコン・レイク

 13歳のバスティアンは、一家で夏休みを過ごすために、フランスからはるばるカナダへ。湖畔のロッジは知り合いのおばさんの家でしたが、そこには16歳のクロエがいました。バスティアンは年上のクロエに惹かれ、性の目覚めやら飲酒やら、背伸びした体験をしていきます。

 さすがフランス映画、格別に雰囲気のある映像なのですが、序盤で突然それが台無しになります。バスティアンはゲームやアニメを好むインドア派。テレビで何やらアニメを観ているのですが、その音声が「進撃の巨人」なんですね。画面は別のものに書き換えられていますが、日本語で馴染みの声優の声が聞こえてきてムードを損ねます。フランスでも「進撃の巨人」は大人気なんでしょう。
 しかも、そのアニメがストーリーに関わりを持ってきます。「進撃の巨人」では、エレンが手を噛んで血を流しますが、バスティアンは、痛みや防衛本能があるから、実際はそんなことはできないと主張します。一方、クロエは可能という立場のようです。ストーリー中、二人は何度か手を噛むことを試します。それは、リストカットに近い自傷行為となります。
 クロエは、思春期らしく死に魅入られています。湖では死んだように浮いてみたり、死んだふりをする遊びをしたり、幽霊の噂を触れて回ったり。湖畔の陰鬱な風景もあいまって、キラキラした少年少女の恋愛、とは程遠い雰囲気です。

 忘れられない夏休みを過ごし、どんな別れが描かれるのだろう、と思っていたら予想外の結末が待っていました。二人にとっては悲劇ですが、同時にこの夏が永遠のものになったと言えるかもしれません。ありきたりに見えたここまでがすべてフェイクであり、綿密に伏線が張られていたことに感心しましたが、この監督人の心とか無さすぎではないでしょうか。

思春期度 10
内向度 8
完成度 10
個人的総合 6

注目すべきレビュー
everydayexcuse:ラストシーンの解釈
書肆喫茶mori:原作との比較
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2023年11月23日

未来イカ革命「Splatoon3」 その13

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 次は年末年始だろう、と思っていたのに、予想外に早いフェスの開催であわてた。直ちに〈大判焼き〉に一票を投じて参加。武器はプロモデラーRGばかりだと飽きるので、久々にN-ZAP85に戻した。この武器は、エナジードリンクでなんとなく貢献した気になれるのが良い。ステージは、マヒマヒリゾート&スパが多かったが、改修してどう変わったのかあまりわからなかった。

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 見るがよい、いつもの偽水木先生も大判焼きを推しておられる。今川焼き、大判焼き、回転焼き、いずれも支持されており投票数が拮抗。さらには、謎の第四勢力、〈ベイクドモチョチョ〉も暗躍し、戦いは熾烈を極めた(想像)

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 結果は〈大判焼き〉の勝ち。地元のお祭りで屋台が出たとき、どの名前が掲げられているか、今度確認してみよう。
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2023年11月22日

ミラベルと魔法だらけの家

 これ、数あるディズニーアニメの中でも最も凡庸な作品ではなかろうか。

 CGは着実に進歩しており、背景の美しさ、人物の表情や動きなど、間違いなく最高峰のデキである。にもかかわらず凡庸と感じるのは、ひとえにストーリーの魅力のなさによる。
 南米が舞台で、大家族の絆がテーマになる物語は、メキシコを舞台にした「リメンバー・ミー」という大傑作と比較すると弱い。ミラベルがなかなか目的を見出せず、明確な敵役が存在しないなど、ストーリーの輪郭がぼんやりしているのだ。ポリコレの一種か、男性の存在感が極端になく、頼りないブルーノおじさんくらいしか仲間がいないのもマイナス点と言える。
 私は、もともとミュージカルが苦手だったが、最近の映画はミュージカルシーンの使い方が上手で、苦手意識がなくなりつつある。例えば「アナと雪の女王」。ミュージカルがストーリーの見せ場で使われており、歌も強く印象に残る。ところが「ミラベル」はダメだった。ミュージカルが、キャラクターの特徴を見せるために使われ、ストーリーの流れを停滞させているのだ。
 メガネをかけたディズニー・プリンセスは初、なんて話題もあったが、メガネがむしろ人気属性である日本からすると何を今さら、という感じ。マイノリティを救わなければ、という義務感で変なことになっているのでは。

映像美 9
歌の印象度 4
異国情緒 7
個人的総合 5
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2023年11月18日

「Cyberpunk2077」その11 Ponpon Shit

い〜けないんだ ダメなんだ 先生にPONPONだ

 手近な車に乗ったら、ラジオから謎の日本語曲が流れてきて面食らった。Us Cracksの「Ponpon Shit」。ナイトシティで話題の、日本人アイドルグループなのだそうだ。以下は、ゲーム内でUs Cracksに会うまでの道のり。

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2023年11月10日

「進撃の巨人 」The Final Season 完結編(後編)

 今度こそ本当に完結。連載開始から14年、アニメ化から10年、The Final Seasonに入ってからすでに3年経っており、感慨深い。これだけの長編が、全部アニメになったというだけでも偉業であり、しかも力尽きるどころか、劇場版並みのクオリティで締めくくられている。

 ストーリーはマンガから変更がないのだが、大迫力の戦闘を新鮮な感覚で観た。私は、マンガからあのアクションを全く想像できていなかったようだ。エピローグは少し追加されており、イェレナの生存が確認されたり、リヴァイの様子が垣間見られたりした。

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 34巻発売時、雑誌になかった結末が描き足され、話題になった。その部分は、アニメではエンドロールに組み込まれた。小さくてよく見えん! そこで、仲間が集合している場面を拡大してみた。戦争は無くならないという結論は、残念なことに今日ではよりリアリティを持って感じられる。
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2023年11月09日

ザ・キラー

 デヴィッド・フィンチャー監督の新作がNetflixで配信と聞き、がっかりしていたが、先行して映画館で公開となったのでこれ幸いと観に行く。

 主人公はベテランの殺し屋。しかし、冒頭の殺しでいきなりしくじる。どうにか警察の捜査から逃れ、隠れ家に帰ると、雇い主の差し金か、妻が半死半生の目に会っていた。殺し屋は復讐に立ち上がる。
 「プロフェッショナル 仕事の流儀」の殺し屋版、といった雰囲気で、地味だが興味深い。この主人公、並外れた体力や能力を持っているわけではない。ただひたすら丁寧に仕事をこなすのだ。準備はいつも万端で、隠れ場所や隠し倉庫が各地にあり、決して跡は残さず、本名は観客にすら明かされない。一つ一つの行動が克明に描写され、まるで記録映像のようだ。
 配信向けに作られたせいか、内容は短く章に分かれており、連続ドラマを一気見するようなテンポ感。不測の事態を迎えつつも、物語は復讐の完遂へ向けて進むのだが、ここで、過去のデヴィッド・フィンチャー作品を観た経験が邪魔をする。「セブン」「ファイト・クラブ」「ゴーン・ガール」、いずれも観客を翻弄する恐るべき物語であり、ならば「ザ・キラー」も突然何が起こっても不思議ではない。エピローグの最後の最後まで、常に身構えていて、無駄に疲れてしまった。変な伏線もなかったので、もっと気負わずに観ればよかった。まんまと引っ掛かってしまったようで悔しい。あまりにも平和で美しいドミニカの海辺へ、私も行ってみたくなった。

孤独度 9
冷酷度 9
職人度 9
個人的総合 6

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2023年11月05日

「葬送のフリーレン」第7話 おとぎ話のようなもの

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 フリーレン一行は、グラナト伯爵領を訪れる。街中で魔族を見かけ、攻撃しようとするフリーレンを衛兵が取り押さえる。彼らは、和睦を申し出てきた使者だと言うのだが…

 ここから、物語は大きく転調する。
 かつての冒険の回想、ある村長一家の悲劇を通して、魔族と共存できない理由がハッキリ示されるのだ。温かいトーンの話が続いていたので、大いに面食らった。
 「葬送のフリーレン」は、言っちゃあ何だが、デザイン面では非常に凡庸だ。エルフらしいエルフ、ドワーフらしいドワーフ、見飽きた姿のドラゴン、そして魔族らしい魔族。こういう記号的なデザインは、おとぎ話としての機能を果たし、人間と魔族の争いも、現実の紛争ごとの比喩ととらえられる。だからこそ、敵の側にも何らかの事情があり、理解し合える可能性を残す設定の物語が多かった。
 ところが、「フリーレン」は、初手でその可能性を断ち切った。ファンタジーものとしては新境地だが、これから、「鬼滅の刃」みたいな能力バトルになっていくんだとしたら、別の方向でありふれている。

人を騙すためならば言葉を理解するしイケメンになるし観察眼もよくなるしCVも諏訪部になる

いやはや。
posted by Dr.K at 18:44| Comment(2) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月04日

ザ・クリエイター/創造者

 AIによる核攻撃でロサンゼルスが壊滅。以来、アメリカではAIを危険視、排除してきたが、一方ニューアジアでは、人型AI〈シミュラント〉と人類とが共存を果たしていた。アメリカとアジアで戦争が起こる中、ジョシュアはニューアジアへ潜入し、世界の脅威となるAIを作った〈創造者〉、ニルマータを発見、暗殺するよう軍に命じられたのだった。

 AIと呼ぶから今どき感があるが、要はロボットVS人類という古典的SF。しかしビジュアルは新味がある。
 多数のロボットを擁するニューアジアが、東京のような大都会ではなく、東南アジアの田園風景になっているのがユニーク。豊かな自然の中に、ロボットやら研究所やらといったSFガジェットがたたずんでいる様は、ちょっと他ではお目にかかれない。

注:以下にネタバレ含む

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posted by Dr.K at 23:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2023年11月01日

未来イカ革命「Splatoon3」 その12

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 ハロウィンフェスは、飾りつけもにぎやかでいい感じ。専用の装備も配られ、お得感がある。
 そう言えば、他にもハロウィン装備があったはず、と探したが見つからない。そうか、あれ「Splatoon2」の装備だ。見つからないわけだ。

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 今回私は、プロモデラーRGの鬼となった。
 この武器は短射程である上に、弾道が散る特性があるので、殺傷力が全くない。一方、通常弾の塗る速さでは目を見張るものがあり、スプリンクラーも塗り特化、ナイスダマも塗れる技という極端な組み合わせになっている。そこで、思い切って戦わず塗ることに徹したところ、突如として連勝街道が拓けた。味方が代わりに戦ってくれたのだろうが、強い強い。100倍マッチに勝ったら、神輿で記念撮影ができるということも初めて知った。

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 なお、陣営はゾンビを選んだので、結果としては負けチームである。おあとがよろしいようで。
posted by Dr.K at 22:10| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする