2024年01月27日

「パルワールド」騒動に思うこと

 「クラフトピア」のときから薄々感じてはいたが、ポケットペア社、技術は高いがモラルが低すぎるな。

 「パルワールド」の話題性がすごい。日本発のインディーズゲームが、海外で売れてあっという間に600万本。これはめでたい、どんなゲームだろうと見てみれば、呆れるばかりのパクりゲーム。デザインはポケモンに酷似しており、ゲーム性は「ARK」に近いらしい。せっかくヒットしているのに、中国製ゲームみたいな有様で情けない。
 私が一番嫌いなのが、過去のクリエイトにリスペクトのない行為だ。「ポケモン」大ヒットの後、類似ゲームはいくつも出た。例えば、「デジモン」などは典型的な後追いだろう。しかし、そんなゲームでもモンスターに独自性を出すため、デザイン面での努力が見られたではないか。一方で、ポケモンが何年もかけて積み上げたデザインのスタイルを、ためらいなく剽窃して何とも思わない、という「パルワールド」は感覚がマヒしているとしか思えない。技術的には、複雑なゲーム要素をうまくまとめているようなので、おそらくそれ以外の手間をかけることに興味がない作り手なのだ。こういう効率主義のモンスターがはびこると、制作者の価値は地に落ち、クリエイトは堕落する。ユーザーにとって面白ければいい、という言説はもっともらしいが、だったらちゃんと自前のデザインで勝負しろ、と思う。
 本家ポケモンを超えた、とか、日本ゲームの新しい可能性が拓けた、とか絶賛している連中はどうかしている。映像作品の世界では、「鬼滅の刃」がヒットしたとき、パロディAVが出て話題になった。ディズニーの版権が切れると、「くまのプーさん」のホラー映画が出来た。「ポケモン」にとっての「パルワールド」なんて、本来その程度の扱いでいいのだ。

 もっとも、常識が容易に覆るのもまたゲームの世界の常だ。今後、「パルワールド」のようなクリエイトが理想となるようなら、私ももう歳なのでゲームの趣味はやめることにする。
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2024年01月21日

未来イカ革命「Splatoon3」 その14

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 バンカラ街の装いも特別になるFrosty Fest。ここのところ「バルダーズ・ゲート3」ばかりプレイしていたので、すっかり開催日を忘れていた。わずかな時間の参加となったが、どうにかフェス皆勤を途切らせずにすんだ。

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 「スプラトゥーン3」は、12月から新シーズンとなっており、新しいブキが追加されている。「2」のときから愛用していたスパイガジェット・ソレーラが再登場していたので、さっそく手に入れて使ってみた。新スペシャルのスミナガシートの使い方が今一つよくわからない。巨大なのでやたら目立つけども。

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 戦果は惨憺たるものだったが、所属する「ひとりでのんびり」陣営は圧勝。普通に考えて、上位プレイヤーはここに多く所属するはずなので、これは当然の結果と言える。
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2024年01月20日

ウォンカとチョコレート工場のはじまり

 ジョニー・デップのウォンカとは別物、ということで賛否が分かれているみたいですが、これはこれでなかなか良いです。
 まず褒められるのがテンポの良さ。導入部、ミュージカルシーンで一曲歌ってる間に、ウォンカが一文無しに。さっさと説明を済ませて次に行きますよ、と無駄がありません。
 そして、予想しなかったストーリー。「チョコレート工場の秘密」の前日譚ということで、ウォンカが奇想天外なチョコを開発するいきさつが見られるのか、と思っていたのですが全然違いました。数々のチョコはすでに発明済み、ウンパ・ルンパとも遭遇済み、というところからスタートします。こうなってくるとウォンカは、ほぼ魔法使いみたいなもんですね。
 わかりやすい悪を、わかりやすくこらしめる、ちょっと子供向けな結末ですが、夢があって多幸感のある物語は、クリスマスにはぴったりで良いと思います。
 ウォンカは夢に対してまっすぐで純粋な人物として描かれていますが、素直に受け取るのはちょっと疑問です。「チャーリーとチョコレート工場」のウォンカは、人嫌いのひねくれ者でした。しかし、父との関係が説明され、チョコや工場ににじみ出る狂気に自覚的なところがありました。一方、新しいウォンカは、母との思い出を追うためなら何でもしてしまうところがあり、悪意のない狂気はむしろ純度が高くヤバいのではないでしょうか。
 なお、ミスター・ビーンで有名なローワン・アトキンソンの登場はサプライズでした。まだまだお元気そうで安心しました。

映像ハッタリ度 8
ティモシー美男子度 10
原作忠実度   5
個人的総合   8
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2024年01月14日

「バルダーズ・ゲート3」 やり直し3回目

 エメラルドの森は、ドルイドたちが守る聖域。ドルイドとは、動物に姿を変えることができる一族だ。ついさっきリスを一匹蹴り殺したところなので、咎められはしないかとひやひやする。
 ドルイドの幹部に話を聞くと、森は現在、ゴブリン軍からの襲撃に備えてよそ者を排除している。しかも、指導者のハルシンが、ゴブリンに捕らえられているらしい。ようやくRPGらしくなってきた。主人公たち一行はゴブリンの野営地へ向かう。

(注:以下はネタバレにつき念のため)

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posted by Dr.K at 13:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年01月13日

映画 窓ぎわのトットちゃん

 読んだことはないが、原作がベストセラーだったことはよく覚えているので、万人受けを目指した凡庸な映画だろう、とたかをくくっていた。その実態は、作りこまれ、先鋭的ですらある傑作。「トットちゃん」の映像化を長年認めなかった黒柳徹子を納得させるだけのことはある。

●片渕リスペクト?
 「マイマイ新子と千年の魔法」「この世界の片隅に」との共通項が多い。どちらも片渕須直監督作品だ。
 まず、動きのこだわりが素晴らしい。トットちゃんはじめ、主要な登場人物は子供たちだが、しっかり子供らしい動きになっている。特に、泰明は小児麻痺のため、その不自由さをリアルに描写するのは難しかったのではないか。そして、物語はトットちゃんの視点で展開されるため、細かい物事への観察や気づきが生き生きと描かれ、それによって戦中の東京という私とは縁遠いはずの舞台が、身近にすら感じられる。考証も非常に緻密である。
 終盤、空襲のシーンがあるのだが、焼夷弾の描写がCGで異様に詳細だった。「この世界の片隅に」も、焼夷弾へのこだわりが凄かったので、描き手がライバル意識を燃やしたのかもしれない。
 「トットちゃん」の監督、八鍬新之介はこれまで「ドラえもん」映画を作ってきたが、今後は別の作品でも期待できる監督となった。

注:以下にネタバレを含む

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2024年01月06日

「バルダーズ・ゲート3」 やり直し2回目

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 野営地。それは、戦闘中以外いつでも来ることができる謎の異空間(笑)。仲間や協力者が待機しており、パーティーの入れ替えや、大休憩(他のゲームでの宿泊に相当)ができる。本来は安息の場所のはずだが、このゲームだとメンバー同士がいがみ合った挙句、殺し合いになったりもするらしいので、気を抜いてはいけない。

(注:以下にダークアージのストーリーのネタバレあり)

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2024年01月05日

鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

 この映画、水木しげる生誕100周年を記念して作られたんですってね。
 私の鬼太郎体験は、小学生の頃にサンコミックス版を読んだのが始まり。とにかく怖くて、2冊目以降を買いませんでした。アニメもその頃に観ました。多分第2シリーズの再放送だと思うのですが、やっぱり怖かったです。その後、鬼太郎はヒーロー色の強い子供向けアニメとして人気を博し、大人になった私は興味を失っていきました。
 そんな私ですから、第6シリーズの前日譚を標榜する「ゲゲゲの謎」はスルーしていたのですが、何やら映画ファン界隈がざわついているので、急遽観てきた訳です。驚いた、これは面白い

 まず、主役の水木がいい。水木しげるには従軍経験を生かした戦争もののマンガが多数あるのですが、それらの主人公たちを彷彿とさせるキャラになってますね。
 そして、舞台もいい。呪われた村の、怖いけど引き込まれる感じ。鬼太郎がまだいないので、どうやって逃れるのだろう、という怖さもあります。ショッキングな描写で、やたら目が強調されていたのは、目玉おやじの誕生につなげる意図でしょうか。
 水木がこの村を訪れたのは、龍賀家の跡取り息子に取り入り、会社での出世を目論んでのことでした。そこで起こった陰惨な事件。犯人として、たまたま近くにいたよそ者、ゲゲ郎がとらえられます。頭身の高い鬼太郎、といった感じの姿なので正体はバレバレですが、私の知る鬼太郎の父とはあまりに姿が違います。さらに、回想で出てくるゲゲ郎の妻も普通に美人、これも記憶と違う。
 このゲゲ郎が、ヒーローとしてのアクションを存分に見せてくれます。ただ怖くて暗いのではなく、エンターテインメント性も高いので、今どきのアニメファンも楽しめそう。
 しかししかし、原作に存在しないのを良いことに、鬼太郎の父母を好き勝手に作り変えるのはいただけませんなあ、と文句を言う準備をしていたのですが、クライマックスから結末ですべてが原作につながるという鮮やかさに、すっかり感心させられてしまいました。今後、水木&ゲゲ郎でシリーズを作っても売れそうですが、それは絶対に不可能という潔さも良いです。どうしよう、もう目玉おやじを普通に見られません。

 でも最後に一つだけ文句を。水木先生の妖怪ものは、謎も解けずオチもなくだら〜っと終わる方が普通なのです。こんなにわくわく楽しめ、終わりもバッチリ決まっている作品を出されては、水木先生も草葉の陰で目を白黒されているのではないでしょうか。

水木リスペクト度 9
ホラー度 8
サービス精神 10
個人的総合 9
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2024年01月04日

「バルダーズ・ゲート3」 やり直し1回目

 昨年のThe Game AwardsでGame of the Yearを受賞した、にしては国内での知名度が低いゲーム。TRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」を元にしているらしいが、そう言えば高校生の頃に友達に誘われてやったなあ、くらいの思い出しかない。

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 国産のRPGだと、始まりは小さなところから、というのが一般的だ。故郷の村などを舞台に、ザコをちくちく倒したりする。
 ところが「バルダーズ・ゲート」ときたら、のっけから宇宙人に攫われているわ、気色悪いエイリアンを埋め込まれるわ、アンモナイト型空中戦艦とドラゴン騎士団の大バトルはあるわで、「スター・ウォーズ」のようなスケール感
 おまけに、チュートリアル代わりとなる戦艦内マップをクリアすると、続きはダウンロードが済んでから、と言われる。ブルーレイ一枚におさまっておらず、不足分のデータをダウンロードする必要があるのだ。一人用ゲームなのにネット環境必須ってこういう理由か。

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2024年01月02日

東京ゴッドファーザーズ

 クリスマスのタイミングで、これをリバイバル上映してくれるとは、なんて粋な映画館だ、塚口サンサン劇場。

 舞台は新宿、クリスマスの夜に捨て子を拾ったホームレス三人組が、親を探して奔走するストーリー。昭和の人情物喜劇、といった雰囲気で21世紀のアニメとはとても思えない。さらに、主要登場人物が、ホームレスの親父・ホームレスのオカマ・ブスな家出娘、と美男美女とは程遠いのも、アニメとしては異例中の異例。似たものを挙げるとすれば、大友克洋の短編マンガか。
 要するに、今敏監督らしく(?)流行りに乗らないひねくれた作風なのだが、反面、ストーリーは非常に素直で、誰にでもおすすめできる。クリスマスにかこつけて、祝祭感一杯のまとめ方も心地良い。
 なお、大して古くない映画なのに画質が悪いのが気になったが、ブルーレイ版も画質が悪いらしい。良い作品なので、リマスターなどできないものだろうか。

クリスマス度 10
ひねくれ度 8
古臭さ 8
個人的総合 7
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2024年01月01日

2024年

 いきなり地震で、お屠蘇気分も吹っ飛びます。こちらは遠く関西ですが、長い揺れに阪神大震災の記憶がよみがえりました。

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 さて、昨日の紅白ですが、白組は完敗でしたね。ジャニーズの抜けた穴を韓流アイドルで埋め、藤井風も米津玄師もいないようでは無理もありません。
 それにしても、今回は司会のコンビネーションが良かったです。女性が二人? と思ったのですが、控えめな浜辺美波に対し、橋本環奈が総合司会的な仕切りを見せ、スムーズに進行できていました。映画館通いをしている身としては、歌手よりも馴染みの顔なので、司会ばかりに目が行ってしまいました(笑)
posted by Dr.K at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 講師の独り言 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする