勧善懲悪もここまでくると天晴れ。相手が大きすぎるので、限定的な勝利に終わるかと思っていたのですが、紀本部長を完全に叩きのめしたのに驚きました。舞役の今田美桜はちょっと若すぎるかな。昇仙峡役の菊池凛子は当たり役でしたね。
結局のところ、このドラマの面白さは、何を考えているのかわからない、明墨(長谷川博己)のミステリアスさにあったのでしょう。終盤、目的がハッキリしてからはイマイチでした。最終回は、緑川(木村佳乃)の方が主人公らしい振る舞いをしていましたね。最後に、赤嶺(北村匠海)が闇落ちしたかのような演出も、取って付けた感があり褒められません。
なぜ橋を落とすような陰謀が仕組まれたのか、理由が納得できませんでした。社長も自白せず、都知事も逃げ切り、狩山(木村拓哉)の推理が推理で終わったのですっきりしません。玲子(天海祐希)を失うビターな結末は悪くありませんが、見せ方がどうにも臭いです。最後の橋のシーン、一部書き割りだったのでは? なんだかチャチく見える瞬間がありました。
倒叙式の推理劇は久しぶりなので期待したのですが、全体に低空飛行でした。タイトルになっているイップスが治るどころか、どうでもいいと言わんばかりに放置されています。最終回までの積み重ねがなく、途中の回を真剣に見る必要がほとんどありません。バカリズムがシナリオも担当していれば、まだましだったのではないでしょうか。
ミヤビ(杉咲花)が倒れ、主役不在でストーリーが進みます。これまで語られなかった三瓶(若葉竜也)との過去。静かに祈るような内容は、上質な邦画のようでした。驚いたことにエピローグが全くありません。周囲の人々がミヤビのために動いた、そのことをもって結末とした判断は見事です。食事シーンも増量され、重要さを印象付けました。