2024年08月30日

フォールガイ

 ゲームのモブキャラがプレイヤーに恋する話なら最近見た。いやそれは「フリーガイ」。じゃあ、ソーセージみたいなキャラがわちゃわちゃするオンラインゲームか。いやそれは「フォールガイズ」。

 「フォールガイ」は、スタントマンを主人公にしたストーリーだ。コルトは、超有名俳優(ということになっている)トム・ライダーのスタントを長く担当してきたが、事故により現場を離れる。1年後、プロデューサーのゲイルの説得でスタントマンに復帰するが、そこでは、かつての恋人ジョディが監督に昇進しており、一方、主役のトムが行方不明になっていた。
 チラシの印象の通りのバカ映画だ。面白いアクションがすべてに優先し、ヒューマニズムもメッセージ性もどこかに置き忘れている。こういう作品では、観客も小難しいことを考えず、ただ楽しさに身をゆだねるのが正しい。前半は思ったより恋愛模様が多く、テンポが悪いのがいただけなかったが、トムの失踪の真相に迫ってからはぐんぐんテンポアップして面白かった。
 トムはやばい事件に巻き込まれているようで、コルトは次々に敵に襲われる。コルトはスタント能力を生かして、危機を乗り越えていく…のは当然だが、彼だけではなくスタント・コーディネーターのダンも見事な戦いぶりを披露。とどめに、恋人で監督のジョディまでもが格闘をこなすのには笑ってしまった。ここだけ「クワイエット・プレイス」のエミリー・ブラントになってた。
 ジョディが撮る映画は、あまりお客の入らなさそうなSFで、スタントマンをこき使う割にはおよそ緊張感のない内容。スリル満点なのはトムがらみの事件の方で、いいコントラストになっていた。コルトが慢心したトムを出し抜いて、主役の座を奪うのかと予想していたが、全然そんな話にならなかったので驚いた。

 この映画は、エンドロールが素晴らしい。アクションシーンのメイキングになっているのだが、この映画自体のスタントマンを見せてくれるのだ。スタントマンを主人公にした物語が、スタントマンを礼賛して終わるのは非常に誠実、好感が持てた。
 最後におまけ。作中ではKISSの曲が何度も使われているが、私はこのCMを思い出した。懐かしすぎる。

レトロ度 9
スタント愛 10
計画性 2
個人的総合 9
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2024年08月28日

「ウマ娘」3.5周年

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 3.5周年イベントでは、新曲「UMA Summer」が公開された。このライブはすべてのプレイヤーが見られるが、イベントは一種のレイド形式になっており、最低一回育成を終わらせないと、報酬の分け前にあずかることができない。しかも、開催がいつになく短期間となっている。まずい。

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 速いと言えばカルストンライトオ。という訳で、速攻彼女の育成を終わらせイベント報酬を得た。迷言が多く、楽しいシナリオだった。面白い新キャラとして、話題になっていたことは後で知った。ウマ娘、まだまだネタはあるな。
 一方で、育成シナリオの追加や、ストーリーイベントなどは実施されなかった。あまりアニバーサリーに集中させない方針なのかもしれない。今後もマイペースに付き合っていきたい。
posted by Dr.K at 21:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月26日

ポライト・ソサエティ

 この映画を観た感想。
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●物語
 高校生のリアは、スタントウーマンを目指しているが、学校の先生も両親もあきれてとりあわない。芸術大学に通う姉のリーナだけが彼女の夢を応援してくれていた。ところが姉に彼氏ができ、あっという間に結婚が決まってしまう。結婚の妨害に奔走するうちに、リアはその裏にある企みに気付く。

注:以下にネタバレを含む

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posted by Dr.K at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月22日

「祇(くにつがみ)」その3 頼れるものは己のみ

 先般、このゲームのことをアクション+ストラテジーと説明した。ところが、終盤になってくるとストラテジー要素が目に見えて減ってきた

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 例えば、陰陽師。終盤で使用可能になるこの職種は、すべての職種の中でも最強と名高い。配置しておくと詠唱をはじめ、術が完成するとすべての敵に大ダメージを与えることができる。人の形をしたボムみたいなもんである。反面、防衛能力は全くないので、敵に襲われない位置にこそっと置いておくことになる。タワーディフェンスの駒からは完全に逸脱している。
 術の発動はプレイヤーが行うが、この操作の説明が見当たらず、攻略サイトに頼ることになった。もう少しわかりやすくしてほしい。

 後半のステージでは、強敵が多数発生するため、村人だけでは防衛できない。宗(プレイヤー)の力でほとんどの敵を倒すことになり、プレイ感覚が徐々にアクションゲームに寄っていく。私はゲームが下手なのでなかなか厳しかった。 
 そして最終ステージは、ボスラッシュ。ボス戦は特に村人が頼りにならず、完全にアクションゲーム。なぜか、最初のムカデが一番苦労した。やつかはぎ戦は面倒なので嫌い。

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 どうにか迎えたエンディング。色々と含みのある終わり方だった。二周目をプレイすると、ボスやエンディングが変わるらしいが、他にプレイしたいゲームがあるので、ひとまずここまでとする。
 充分面白いゲームではあったが、難易度の上がり方がちょっと残念だった。鍔必殺技でどうにかする、という美しくない攻略になってしまったので、ストラテジー側でもう少し盛り上げてほしかったという思いが残った。
posted by Dr.K at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月20日

「天穂のサクナヒメ」第7話 ココロワ姫の憂鬱

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 米は力だ。前回、初の収穫があり、サクナヒメは必殺技を体得、強大な敵を倒すことができた。これは、ゲーム「サクナヒメ」の基本サイクル、米を作ってサクナヒメを強化 ➝ 先のステージをクリア、という流れを再現したものだ。とはいえ、このような繰り返しはゲームだから受け入れられるもので、アニメには適さない。どうするのだろう。
 7話では、サクナヒメがこれまでの経過報告のため一時都に戻る。そこで、母トヨハナの残した米の品質に驚き、島へ戻って改良に勤しむ、という物語になっていた。米の改良には数年を要するが、ダイジェストで4年ほど経過させたのに驚いた。ゲームのような繰り返しでは冗長になるので、ここは省くだろうと思っていたのだ。可能な限りゲームに忠実に物語を進行させようという作り手の意識が伝わった。
 これ以降、ゲームではクライマックスに向けて盛り上がるエピソードが満載だ。アニメがどのように描いてくるのか、ますます楽しみになってきた。
posted by Dr.K at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月13日

未来イカ革命「Splatoon3」 その20

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 「おなかいっぱい食べるなら?」、通称「炭水化物」フェスは、ごはんの圧勝。米は力だ! 今期放送の「サクナヒメ」もそう言っておられる。そもそも、パンやパスタには大盛りのイメージがあまりないように思う。

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 最近、勝率が良かった(とはいってもせいぜい5割越え)ことに気を良くし、チャレンジに挑んでみたらやっぱり無理。早々にオープンに引っ込んだ。フェスの時しかプレイしない幽霊部員なので、新規追加マップの地理がよくわからず、多方面で初心者ムーブをかます。最終的には、N-ZAP89で塗りに徹するという、いささかセコいスタイルで勝ち星を稼いだ。

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 広場にはこんな書き込みが。オンラインゲームということを改めて実感する瞬間だ。このまま、〈巨大地震注意〉が解除されるよう祈っている。
posted by Dr.K at 17:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月12日

FLY ME TO THE MOON

 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」、面白かったですが、予想と違う映画でした
 1960年代、アメリカは宇宙開発でソ連に後れをとっており、国民の関心もイマイチでした。そこで、アポロ11号の打ち上げを盛り上げるべく、政府高官(?)のモーは、PR担当としてケリーをスカウトします。ケリーは、詐欺まがいのテクニックで、この仕事を成功させました。アポロに注目が集まり、打ち上げが迫るある日、ケリーは新たな仕事を命じられます。それは、アポロ計画が失敗したときのために、月面着陸のフェイク映像を密かに作れ、というものでした。
 アポロは月面に達していない、という都市伝説は昔からよく知られています。これをモチーフにした「カプリコン・1」という映画もありましたが、何しろ70年代の作品。「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」は、この政治的ミステリーを、現代風に作り直した映画なのだろうか、と私は予想していたわけです。
 ところが、ふたを開けてみると、この作品はラブコメだったのです。成功のためには手段を選ばないケリーと、実直な打ち上げ責任者のコールとが、徐々に惹かれ合っていきます。その過程は昨今のリアルな恋愛模様ではなく、大げさなコメディとなっており、60年代のような(?)レトロな雰囲気を醸しているのがなんとも心地よかったです。
 クライマックスでは、国民が観たのは本当の月面着陸だったのか、それともフェイク映像だったのか? という謎に答えが出るのですが、その明かし方も大変痛快で、満足度の高い物語でした。上映終了後、「これは史実なの?」と話している若者がいましたが、確かに紛らわしい作品ではあります。

コメディ度 7
レトロ度 8
予想外度 9
個人的総合 8
posted by Dr.K at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月08日

「祇(くにつがみ)」その2 難しいけど親切設計

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 天幕では、装備の変更や村人の強化、セーブなどができる。スティックを倒すと、世代(よしろ)の顔を見られることに気付いたのはずいぶん後のこと。どうりで物足りない画面だったわけだ。

 ゲームも中盤となり、難易度が高くなってきた。タワーディフェンスに近いこのゲームでは、世代めがけて敵の大群が襲いかかって来ることになるが、その難しさがただの理不尽にならないよう、様々な工夫がされている。

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 例えば、強敵の挙動。こんな連中がまっすぐ世代を狙ってきたらひとたまりもない。しかし、強敵の多くは、近くに宗(プレイヤー)がいた場合、宗を優先して攻撃するようになっている。よって、プレイヤーががんばればけっこうどうにかなるのだ。

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 また、敵が大群になってくると、どこからの攻撃かわからずにダメージを食らいがちだ。しかし、このゲームでは、遠距離攻撃の標的がハッキリと表示されるため、対処しやすくなっている。ガード不可攻撃も区別が明確でわかりやすい。
 そして何より、世代が危険になった際、かなり早めに「助けて」と声が聞こえてくるのが良い。おかげで、知らないうちにゲームオーバーになる、という理不尽が少なくなっている。

 これだけ親切にされてなおもゲームオーバーになりまくる、というのは明らかに私の技量不足で言い訳できぬ。無念。
posted by Dr.K at 22:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月04日

あんのこと

 上映中、目が離せない傑作だ。よく言えば見ごたえがあり、悪く言えばあまりに重い。俳優の演技の素晴らしさや、ストーリーの良さについては他の人の感想に任せることとし、ここではその構造について分析を試みる。

●杏との共感
 杏(河合優実)は、売春で稼ぐ、ヤク中の少女。彼女の背景が明らかになるのはだいぶ後なので、いきなりこんな主人公に共感せよ、と言われても困る。
 ところが、この映画はその難題を一瞬で解決してみせる。杏は警察につかまり、多々羅刑事(佐藤二郎)の取り調べを受ける。多々羅は、ヤクを抜くにはこれが一番、と突然ヨガをはじめ、杏はあっけにとられる。
「何なのこいつ…」
 佐藤の怪演により、杏と観客の感情が一瞬にして重なった。うまい。

(注:以下にネタバレ含む)

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posted by Dr.K at 23:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画一刀両断 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2024年08月03日

「祇(くにつがみ)」その1 本格ストラテジー降臨!

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 「祇:Path of the Goddess」をプレイ中である。カプコンから出た久々の完全新規タイトルなのだが、ダウンロード専売のせいか、話題性としてはかなり控えめな印象。
 ゲーム内容は、アクション+ストラテジー。プレイヤーは剣士、宗(そう)を操作し、襲い掛かる妖怪変化の群れから巫女の世代(よしろ)を守る。戦闘に際しては、道中で救出した村人に戦闘技能を付与し、指示を与えていくストラテジー要素がある。
 プレイヤーが戦闘に参加できるリアルタイムストラテジー、というアイデアは学生からたびたび聞くものであり、カプコンのような大手がそれを実際に形にしたということで、以前から非常に興味があった。どれくらいアクションでどれくらいストラテジーか、というバランスが肝だと思うが、ステージごとにバランスは変化するようだ。

 和をモチーフにした独特のビジュアルが目をひくが、驚いたことにストーリー要素がほとんどない。カットシーンも原則無言で、巫女以外のキャラには顔もない。ストイックにステージにチャレンジさせていく進行は、少人数で作ったインディーゲームに近い感覚がある。見た目と違って(?)ガチなゲームなので、それなりの覚悟を持って妖怪に対する必要がありそうだ。
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posted by Dr.K at 12:48| Comment(2) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする