東京ゲームショウに華々しくブースは出たが、訴訟沙汰のせいか、日本でだけPS5版は発売日未定。
●声明文が炎上
ポケットペア側の声明文が反感を買っている。特に問題とされている部分を以下に掲げる。
当社は東京を拠点とする小規模なインディーゲーム開発会社です。
私たちの目標は常に楽しいゲームを作り続けることです。この目標は今後も変わらず、多くのゲーマーの皆様に喜びを提供するために、ゲーム開発を続けます。
私たちの目標は常に楽しいゲームを作り続けることです。この目標は今後も変わらず、多くのゲーマーの皆様に喜びを提供するために、ゲーム開発を続けます。
今回の訴訟により、ゲーム開発以外の問題に多くの時間を割かざるを得ない可能性がある状況は非常に残念ですが、ファンの皆様のため、そしてインディーゲーム開発者が自由な発想を妨げられ萎縮することがないよう、最善を尽くしてまいります。
では、この文のどこが問題だったのか。
●〈小規模なインディーゲーム開発会社〉
訴えがないからといい気になっていたのが、訴えられるや否や、大企業にいじめられているという被害者アピールに転じるのがダサい。ソニーミュージックやアニプレックスと組んでIP商売を展開したり、東京ゲームショウにどでかいブースを構えたりするのが、小規模なインディーゲームのふるまいだろうか。
●〈ゲーム開発以外の問題に多くの時間を割かざるを得ない〉
以前、「効率主義のモンスター」と書いたのは根拠の乏しい憶測だったのだが、本当だったようだ。キャラデザが面倒なのでパクリで済ませる。システム考案も面倒なのでパクリで済ませる。結果として、もっと面倒なことになったのは自業自得と言わざるを得ない。ゲーム開発のおいしいところだけをいただいて、責任をとらないというのは会社としてありえない。
こんな連中にインディーゲームの代表みたいな態度をとってほしくない、という他の制作者の気持ちは非常にわかる。
ゲームの開発というのは、多かれ少なかれ先行の作品をなぞるものである。私は、過去のクリエイトにリスペクトのない行為を唾棄するが、この観点は訴訟には影響を与えないだろう。よって、「パルワールド」の販売差し止めはないと予想する。
一方で、パクりキャラを、本家でござい、という態度でIP商売につなげるのは許されないだろう。和解条件として、パルワールドエンタテインメントの営業停止は大いにありうる。
何より気になっているのは、実は「パルワールド」がアーリーアクセスであり、未完成であること。今後、原形をとどめない完成品に変貌してしまう可能性がある。それどころか、作り手がモチベーションを失い、訴訟を理由に制作の継続を放棄してしまうかも。ここでも企業としての責任感が問われる。