
「デッドクロス殿下」は、原作では、ロボットの大統領就任をめぐって、デッドクロス率いる反ロボット派が暗躍するという、これ以上アトムらしいストーリーはないと思われる名エピソード。
ゲームの方では、舞台が南極と改められ、ラグ大統領だけでなく、レッド公とニョーカがお出迎え。メトロポリスをはじめ、数々のマンガで政治家を演じているレッド公はともかく、ヒロインがニョーカという超マニアックな人選にはのけぞってしまう。正直、「キャラクター名鑑」の解説見るまで思い出せなかった…
ニョーカ
80年のアニメ版「鉄腕アトム」で最終回「アトムの初恋」に登場。爆弾を内蔵したロボットと言うことで、分解されてしまう悲劇のヒロイン。アトムは、形見としてニョーカの足をもらい、だから女性みたいな足なのだ、というお話。
さて、ステージが始まると、デッドクロスの部下が襲ってくるのだが、こいつらがブラックルックスとなっているあたりがまた、ファンを唸らせる。
ブラックルックス
母親をロボットに殺され、反ロボット組織を率いることになった少年の物語。南アのアパルトヘイトまで語っているところがあなどれないエピソード。「世の中にただひとついこいの場所があるとすれば それはおかあさんのひざの上である…」というリフレインは秀逸。
【第五章 マリンエクスプレス】
これの元ネタは、鉄腕アトムではなく、79年に放映された2時間アニメ「マリンエクスプレス」である。当時、24時間テレビ「愛は地球を救う」というのがあり、その中で手塚の2時間スペシャルアニメ、というコーナーが設けられていたのである。中でもこの「マリンエクスプレス」は、アトムとブラック・ジャックが競演するのをはじめ、手塚キャラ総出演のお祭り作品として有名なのだ。このゲームの舞台としては、ハッキリいってふさわしすぎる(笑)。
逃走したデッドクロスを追いつめると、マスクの下からは原作とは異なる正体が! そして、天変地異がアトムを襲う!
続く(一部ネタバレは反転してお読み下さい)