
�嫌悪感を抱きつつ無視する者
と、
�笑い飛ばす者
と、
�笑えない者
とだ。
時は2015年。専門学校を出たものの、しがない工場勤務で30歳を迎えた主人公。デブ・ハゲ・根暗と三拍子そろい、女とは縁もゆかりもない。彼は、悪友の紹介で、美少女ゲーム版マトリックスとでもいうべき「アンリアル」の世界に足を踏み入れていく…
あぁ、文章にしてしまうとなんて陳腐なんだ。間違いなく、数年に一度の問題作なのに!
3月末に最終巻が発売されたこのマンガ、ウェブ上では話題沸騰だが、掲載誌のスピリッツでは打ち切りの憂き目にあった不人気作でもある。スピリッツコミックと言えば中堅どころのブランドなのに、書店になかなか単行本が置かれないのもそのためか。
近年、オタクを描いた作品が増えている。「げんしけん」や「こみっくパーティー」が商業的な成功を収めたのは記憶に新しい。しかし、「ルサンチマン」はオタクがオタクを見て楽しむような、なれ合いの世界に爆弾を放り込む。
美少女に囲まれた夢の世界からふと視線をそらせば、そこには、ヘッドギアをつけて悶える醜悪な男。美少女ゲームをプレイしている男を後ろから観察するかのような絵が、脂ぎった筆致でこれでもかと描写される。売れる訳ねぇよ、これ。だが、その不快で滑稽な部分こそ、ゲームとそのプレイヤーが持つ真実の一面に違いない。主人公はどうなってしまうのか。先が気になって目が離せない、という経験を久しぶりに味わったのだった。
続く