この雑誌は、出版社倒産のあおりを喰って廃刊した「ゲーメスト」を前身としている。「ゲーメスト」は、格闘ゲームブームに乗って躍進した雑誌で、その突き詰めた攻略ぶりは、ライトな読者から日本語が書いてないと言われたほどであった。
「アルカディア」の創刊は、スト�3rdが稼働していた頃であり、格ゲーブームはだいぶ沈静化してはいたものの、ライター陣、読者ともに格ゲー成分が高いという状況は変わらなかった。
そこで、「アルカディア」では、格ゲーファンのニーズをより広くとらえる策に出た。従来通りの紹介と攻略に加え、より高みを目指す者には「闘劇」など大会記事を、キャラファンには設定画やコスプレ記事を、といった具合である。
この策により、各コーナーにコアなファンをつけることには成功したかも知れないが、最近久しぶりに見てみると、非常に内輪向けというか、ぶっちゃけ見るに耐えない誌面になってしまっていたのである。
私は、「オールドゲーム」や「猛者通」を好み、「音ゲー」や「コスプレ」のコーナーは不要だと思っているのだが、それはあくまで私情であり、そうでない読者も当然いるであろう。
しかし、最近の「闘劇」関連記事だけは許し難い。一体誰が読みたがるのか見当が付かない上に、誌面の品位を下げているとしか思えない。
「闘劇」とは、アルカディア編集部が主催する全国規模での格ゲー大会である。新作だけでなく、オールドゲームの部門も用意されており、常連の選手も多数いる大会だ。
最近、この大会でのトッププレイヤーへのインタビュー記事が載りだしたのだが、これがもう最低。当人には失礼だが、写真など見たくもないし、質問への受け答えもイタいばかりで全然面白くない。何より、この文章をそのまま載せてしまう編集の感性を激しく疑ってしまう。
格ゲーで頂点に立つ。ゲーム誌なのだから、そのことは高く賞賛されて良い。しかし、彼らはスポーツ選手でもタレントでもないので、気の利いたインタビュー対応などできるハズがない。むしろ読者が知りたいのは、彼らが何を考えて戦ったのか、一般プレイヤーとレベルの違うどんな技術で勝ったのか、ということではないのか。以前は、大会で見られたテクニック、などが主な記事だったような気がするのだが、最近は、トッププレイヤーの私生活や美学を問うなど、間違った方向に突っ込んでいるように見えてならない。
などという投書を編集部にしようにも、最近買ってもいないんだよねぇ、とほほ。