2006年06月24日

伝説の悪趣味洋ゲー −bad mojo−

 ゲームを企画する上での基本、それは人があこがれる事をゲームにする事である。

 ファンタジーの世界で英雄になってみる。スポーツの世界で勝ってみる。名探偵になって事件に立ち向かう。もてる青年になってみる。
 …いずれもこの原則に従ったものだ。
 一方、悪役というのも、時にはあこがれの対象になりうる。
 泥棒、殺し屋、変質者。こういった主人公を演じて禁忌に触れ、心の闇を覗いてみるのもまた、凡人にとってはあこがれる状況の一種に違いない。
 ニートや浮浪者をゲームにしても、プレーしたい奴はいない。そこには光も闇もないからだ。

 以上前フリ。アメリカ人ってやつはこの程度の原則も覆すのか。
 <18禁>!グロ画像注意!<18禁>

Tq1ciwb5 「bad mojo」は、Win95用のアクションゲームである。すべての画面が、見ての通り寒気がするほど超リアル。おまけにその中の一匹が操作すべきプレイヤーときたもんだ。クモなどの天敵をかいくぐってエサを探したりするらしいのだが、敵もグロイし、エサも腐ってるし、なによりゲーム中は愛すべきハズの仲間達がひときわ近づきたくない連中なので、まともな神経でプレイするのが大変に困難である。

 デザイナーやプログラマーはどんな気持ちでこれを作っていたのか、プランナーは取材の一環として本物を飼育したりしたのか、その舞台裏にも興味が尽きないゲームだ。
posted by Dr.K at 20:30| Comment(5) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
これってゴ○ブリですよね・・・何らかの目的があるのなら、これはこれで楽しい感じもしないでもないけど、ただリアルなだけなら面白くないですよね。プレイした訳じゃないので憶測だけど、何らかの究極の目的があってそれを達成するための仮の姿・・・ってんなら怖いもの見たさにやるかもしれないなぁ。ゴキ○リの利点である隙間の通り抜けとか、ゲーム向けの生命力とか、超必殺技の飛行モードとか、考えようによってはゲーム向きな素材かもしれないですよ。要はゲームの目的と手段の組み合わせが重要であって、ゴキブ○の生活をシミュレーションするゲームなら誰もやらないだろうけど、○キブリの姿を借りて何かを成すゲームならアリかもしれない。とにかく目的次第ですかね〜。 私の時代にいたO先生なら、「ゴキブリを使ってゲームを企画してください」とか、さわやかスマイルで言ってのけたかもしれんw あと似てるか似てないか、昔「蚊」っていう蚊になって血を吸うゲームがあったけど、あれはあれで上手くデフォルメされてましたね〜。
Posted by ペインター at 2006年06月25日 22:34
そのO先生ならまだ一緒に仕事してますよ。
Posted by Dr.K at 2006年06月26日 21:38
ということはなんですか・・・「ゴキ○リを使ってゲームの企画を5枚提出〜」とかって、得意げなさわやかスマイルで課題出されるのは、相変わらず日常なのね。E○C恐るべし・・・
Posted by ペインター at 2006年06月26日 23:49
確かに悪趣味ではありますが、ゲームというのは人間が一生体験できないことを体験させる、ということもひとつの目的だと思うんですよね。
どんなに清潔にしている家でも、ひとたび壁の中に入ってしまえば汚い世界だということ、清潔な人間たちにそういう現実を見せてやるぜ、というちょっとエスプリの効いたセンスの持ち主が作ったんだと思いますよ。
当時、拝金主義となってしまった日本の大手ゲーム会社と違って、向こうにはアーティストに近い人がまだまだいましたので、チャレンジ精神とオリジナリティ、感性は凄いものでした。
パックマンなどの時代には日本にもそういうゲーム製作者は沢山いました。
しかし、客の顔色ばかり伺っていると、FFやドラクエみたいな無難な亜流作品ばかりしか作らなくなってしまいます。
Win95時代、日本のゲーム機のゲームはそういう作品ばかりなのに、アメリカではQuakeやカーマゲドン、Myth、ダンジョンキーパー等の革新的な作品が生まれたのもその辺の事情じゃないでしょうか。

ちなみに私はこのゲームプレーしたことがあります。
以下、ネタバレあり。

このゲームは赤ん坊のとき親に捨てられた孤児で人を信じられず、友達もいないまま大人になった寂しい青年、ロジャーの物語です。
彼は孤児院でもシスターたちにいじめられつづけたためいつも自信がなく、社会に出ても人付き合いがうまくいかない。
唯一の趣味が虫の研究なのですが、その研究論文もまったく相手にされず。
天涯孤独の人生負け組。
彼が生きようと死のうと、誰も彼のことなどまったく気にしないでしょう。
物語はそんなロジャーが大金を盗み出し、夜逃げしようとしているムービーから始まります。
金さえあれば誰も俺のことを馬鹿にしないんだ、と自分の孤独を金で埋められると思って魔が差してしまったわけです。
荷造りのとき、母の形見であるペンダントに触れると、バッド・モジョ(邪悪な魔術)によってロジャーはゴキブリになってしまいます。
で、ゴキブリになって冒険していくうち、母が自分を産んだときに死んでしまったこと、父親が自分を捨てたくて捨てたのではないという事実を知っていくことになります。
そして、知らないうちに自分に迫っていた生命の危機。
エンディングで、このモジョはロジャーたちの命を救うために母の愛が起こしたものであることがわかり、自分が誰にも愛されない人間、一人ぼっちではなかったことに気づかされます。

この当時沢山作られた「MYST」の亜流といえばそれまでですが、出来は良かったですよ。
そして「MYST」と同じく滅茶苦茶難しいです。

ゴキブリそのものよりも、私たちが普段目の前にありながらもあえて目をそらしてしまっている家の中の汚い部分が非常にリアルです。
特に舞台が築100年は超えてそうなうらぶれたアパートなので、もう変質的なまでに汚さがリアル(笑)
かなり変質的でお馬鹿な方向に向いていますが、製作者の美術センスは天才的です。
このゲームをプレーした後は、自分も部屋の隅々まできれいに掃除したくなること請け合いです(笑)
Posted by cybermage at 2010年08月15日 16:51
これは貴重な情報、ありがとうございます。ストーリーを知ると、ゲテモノとしてしか伝わっていない現状が申し訳なく思えてきました。
 上記コメントの内容を引いて新たなエントリーを書くことも検討したく思います。
Posted by Dr.K at 2010年08月15日 18:12
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