2006年07月12日

「MOTHER3」が遺したモノ その1

 「MOTHER3」がようやく終わった。

 ネット上での感想を見ると、面白かった/面白くなかった、感動した/感動できなかった、など様々ある。しかし、このゲームに関しては、そんなことはどうでも良いという気分になってくる。
 ほんわかしたデザイン、すっとぼけたメッセージにごまかされてはいけない。このゲームには強烈ながある。RPGによるRPG批判とでも言おうか。

 「MOTHER3」はプレイヤーを省みさせ、ゆさぶり、ぞっとさせる異端のゲームだ。(以下ネタバレ含む)

 最初にそれを感じたのは、第4章に入り、タツマイリ村が近代化されたときだ。
 3章の終わりで、主人公たちはヨクバを追い払って勝利した。しかし、それは何にもならなかったのだ、ということをここでプレイヤーは見せつけられる。ブタマスクが闊歩し、村の住人はヨクバに従っている。何より痛々しいのは、老人ホームに収容されている祖父たちだ。これがリアルな3DCGなんかだったら、とても正視に耐えないだろう。
 村人をこのように心変わりさせたのは、ヨクバが普及させたしあわせの箱だった。
 しあわせの箱とは一体何だろう。ドット絵で見ると、どうもテレビのように見えるが、その正体は作中では明言されない。洗脳用の特殊な機械、という解釈ももちろん可能だ。
 現代のしあわせの箱とは、テレビよりもむしろPC、ネット、ゲーム、あたりを想像した方がしっくりくる。これらのメディアが無秩序に送り込んでくる「しあわせ」をぼうっと受け取り続け、周囲への無関心が加速し、荒んだタツマイリを上回る状況になったのが、まさに現代のこの社会だ。実にぞっとするゲームではないか。
 だとすれば、ねんど人の工場やクラブ・チチブーもまた、何かの戯画なのであろう。大きな力に都合良く使われるお人好しの村人たちこそ、我々の姿そのものなのだ!

続く
posted by Dr.K at 20:40| Comment(4) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
老人ホーム、ドット絵でもきつかったなぁしぇ、しぇーぶに笑ったけど続き楽しみにしてまぁす!!
Posted by グエングエン at 2006年07月13日 06:53
他の村人が全然気にしてないっていう表現がまた残酷なんですよね。リアリティありすぎです。
Posted by Dr.K at 2006年07月13日 20:40
初めて書き込ませていただきます。ずっと閲覧してましたが。私も、つい先ほどクリアしたんですが、あの「しあわせの箱」に関しては同じ意見ですね。人々が洗脳されたかのようにヨクバを崇拝して、ブタマスクになることがスゴイことだと教えたり。現実世界を風刺してるんですよね。糸井さんってスゴイなあと思います。ちょっと関係無いかもしれませんが、大長編ドラえもんの「ブリキの迷宮」を思い出しました。
Posted by syunya at 2006年07月14日 16:46
syunyaさんも最近クリアしたんですね。ゆっくりやった人が私の他にもいてほっとしました。
Posted by Dr.K at 2006年07月15日 15:59
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