結論だけ言うと、丁寧に練り上げられていて大変よろしい。もう、こっちがジブリ映画だったんだ、と思いこんで自分を納得させることにします。
それにしても、大阪でテアトル梅田一館のみ、しかも今では一日の半分しか上映していないという冷遇っぷりに、まずたじろぎます。
私は映画に関しては、どこでも上映されているメジャー作品を、年に二つ三つ観る程度です。ですから、テアトル梅田に足を踏み入れること自体が初めてで、色々面食らいました。
まず、よそでやってないということで、観客の本気度が違います。公開してからだいぶ経つ平日なのに、整理券が配られて行列しており、無事に入れるかどうか危機感を持ちました。
そして、時期的にリピーターが多いのでしょうか、観客の50%超がアキバ系の若者で、本気で映画を見に来ている感じがビシバシ伝わってきて異様です。すいません、今自分のことを全力で棚上げしました。
通常、デートコースに映画鑑賞というのは定番のはずではありますが、ここに女の子を連れてきたらさぞヤバかったろうと思われます。カップルと子供連れが全くいない映画館というのを初めて体験しました。
ただ、この映画の内容は、単館系によくある小難しいアート風味の作品ではなく、オタク専用アニメという訳でもありません。一般の人がメジャー作品のつもりで鑑賞しても何の問題もない映画であり、いや、むしろ夏休みの学生共が気楽に眺めるべき内容だと思うので、こんな環境でしか上映していないと言うのはつくづくもったいない。
本編上映前、「日本以外全部沈没」が予告編で観客を笑わせる荒技を見せました。筒井康隆の原作は読んでおり、激しく興味をひかれたので、テアトル梅田には再び足を運ぶことになる予定です。