NHKの土曜ドラマ「ハゲタカ」が異常に面白い。外資系ファンドを主軸に据えた内容で、毎回予測不可能の展開を見せている。
前回は、主人公のファンド会社と、成り上がりのITベンチャー(社長を松田龍平が怪演)とのTOB合戦。カリスマ創業者を失った電機会社(松下かな?ホンダかな?と色々想像させる)を奪い合う。カリスマ創業者の著書をぼろぼろになるまで読み込んでいる電機会社の現社長に対し、「ぼくのバイブルです」と言いながら本はピカピカというIT社長の薄っぺらぶりが、見事に表現されていた。
で、このIT社長が、証取法違反だか粉飾決算だかでしょっ引かれてしまうわけだが、この内容がホリエモン有罪判決の翌日に放映とは、実に神懸かりのスケジュールではないか。
札束が舞い散るエンディングも素晴らしい
さて、ここからは現実の堀江被告の話を。有罪、実刑であったということには別に驚かない。だが報道された裁判の内容にひどく違和感があった。特に、裁判官が堀江ファンの株主の話を持ち出して、人道的に堀江を諭そうとしたあたりが。傷害や殺人といった罪状なら、人道的に反省を促すのも良いだろう。しかし、堀江に対して咎めるべきは、金融のモラルやルール違反の方だろう。そして、株主を騙しているのは絶対ライブドアだけではないので、そいつらに警告を発するような判決でないと意味がない。
実際、日興コーディアルの方は上場廃止すら免れたわけで、不明確なルールなど守られなくて当然だ。結果として、社会のお偉いジジイどもに、うぬぼれすぎた若造が懲らしめられただけだったようにも思え、堀江被告がいささか気の毒になった。