まず、予約特典の画集が素晴らしいです。開発のヴァニラウェアを率いる神谷盛治氏は、社長兼企画兼デザイナーのため、絵描きとしては非常に寡作であり、そのイラストが収録された本などはこれまでありませんでした。ファンにとって貴重な一冊となることと思います。

振り返ってみると、ファイナルファンタジーなどの大作は、確かにすごい3Dを目指してきたのですが、その結果プロジェクトが巨大になり、それによる美の最大公約数化は、かえってゲーム画面の無個性化を招いたのでした。
「オーディンスフィア」では、少数のデザイナーが個々のこだわりをもって描いた作品ならではの、ピンポイントの美的センスが各所で炸裂しており、見る者に強いインパクトを残します。私の場合は、タイトル画面の魚眼レンズで見たかのように曲がった夜景、それを放置すると見られる生き生きと動く森のコンボには大いにやられました。
まだプレイは始まったばかりですが、画集レベルの絵が動く喜びを、ゆっくり堪能しようと思います。