東京にあるゲームスクール、DEA(デジタルエンタテインメントアカデミー)が来年度の学生を募集せず、閉校を宣言した。
同業の者としては、考え込んでしまう。少子化の折、廃業する学校が出てくるであろうことは、とっくに予測されていた。しかし、都心の、しかもこの学校が早々に閉校とは驚かずにはいられない。
何しろDEA、並みの学校ではないのである。ゲーム企業を中心に二十数社が出資する強力な運営体制、著名な業界人を多数含む講師陣、そして何より卒業時のゲーム企業への就職が90%を越えるという抜群の実績。
つい先日のCESA日本ゲーム大賞でも、アマチュア対象の10部門のうち、実に5部門をこの学校の学生が独占。実力の付く学校として一目置かれる存在なのである。
この学校は、他の多くのスクールと同様、誰でも入学できるシステム。にもかかわらずこれだけの実績を残せるのは、学内で厳しく充実した教育が実施されているからだそうで、課題をクリアしない者には進級も卒業もさせず、結果として入学者の約半数は修了ができないらしい。プロを育てる学校として、これ以上正しい姿があろうか。
このような理想的とも言える学校が、入学希望者の減少から閉校せざるを得ない、というのはいかにも残念だ。大学でゲームを教えるところが増えてきた、ということも原因だろう。ゲーム業界に夢をもつ若者が減った、ということも原因かもしれない。
しかし、そんな中、CMをガンガン打って知名度アップに励み、甘い言葉で学生を集め、実は中では大した教育が行われていない、というような学校ばかりがしぶとく残っていくとすれば、そのときは私も仕事にプライドが持てないので廃業っちゅーことになる。そんな日が来ないことを今は祈るばかりだ。