2008年01月05日

妄想代理人

 正月特番が例年通りクソつまらねぇので、今敏監督の「妄想代理人」全13話を一気に鑑賞した。
Sgr04bza  いやはや、なんちゅーアニメだ。ヤバいのはオープニングの歌だけじゃなかった。一つのシリーズの中でありったけアニメーションの技法を試し、毎回のように、こうなるんじゃないかなという予測や期待を煙に巻く。予算も大してなかっただろうに、よくこんなものが出来たなあ。
 虚構と現実を行き来しつつ展開するストーリーは、「千年女優」や「パプリカ」と相似形と言えるが、こちらの方が多分に毒気がある。一般の人々の心の闇を暴き、次々に破滅させていく展開は、たかがアニメと思って見始めた視聴者に手痛い一撃を与える。
 少年のバットは血まみれ、血まみれの夫を揺さぶり起こす妻、テレビ局は血まみれのテープを受け取って放送、少女は初潮で血まみれ、子犬は車にひかれて血まみれ、これだけやって悪趣味の一歩手前で留まったのは、果たして計算か偶然か。

Rfxhkp3w  謎の通り魔として始まった〈少年バット〉事件は、RPG、ファンタジー、そして都市伝説へと伝播していく。若い刑事の足跡を追っていきながら、私は、この内容に既視感を感じた。
 そうか、いとうせいこうの小説「ノーライフキング」だ。ファミコン時代に書かれたこの作品、ゲームが子供の現実を浸食するという内容で、見事に今を先取りしていたのだ。


今監督による解説「“妄想”の産物」
posted by Dr.K at 19:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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