2008年03月11日

空を飛ぶ夢再び…「Nights into dreams」その2

 今回リメイク版をプレイして、近年のゲームからは滅多に感じることができなくなった、作り手の熱い志を思い出した。

 「ナイツ」は、プレイヤーから見れば決して大作ではない。エンディングを見るだけなら、1日で充分クリアできるステージ数であるし、スピードが評価に直結するルールは、むしろアーケードゲーム的ですらある。

 しかしながら、セガはこのタイトルに賭けていた。メガドライブでソニックというキャラを生み出した時と同様、サターンではナイツというキャラを新しい看板にしようとしたのである。
 マリオが駄作であることは許されない。「ナイツ」は、それと同じプレッシャーがかけられた新作だった。
 「ナイツ」には、そのプレッシャーに対し、全力で立ち向かった跡が見られる。
 例えば、高速で走ることが特徴だったソニックに対し、「ナイツ」では空を飛ぶ浮遊感を特徴とした。しかし、サターンのコントローラーがその操作に今ひとつなじまないため、セガ初のアナログコントローラー〈マルコン〉を開発し、これを専用コントローラーとして発売した。〈マルコン〉を使って空にループを描く快適さはすばらしく、後にドリームキャストが開発されたとき、そのコントローラーの原点になった。
Spmb2dgs  また、ステージ内には夢の世界の住人〈ピアン〉が生活している。〈ピアン〉の姿は、セガサターンの宣伝に使われた土星人に似ており、このへんも看板タイトルとしての意識が見て取れる。〈ピアン〉は、ゲームを進める上では何の影響もない演出的存在である。にもかかわらず、人工生命としてのプログラムを与えられ、その機嫌によってステージのBGMが動的に変化するなどという、驚異的な作り込みがされている。
 ムービー部分で進行するストーリーは、セリフ・文章を一切使わないが、メッセージはきわめて明確に打ち出されており、クリアして良かった感は、大作RPGにも勝る。そのストーリーが、ゲーム中の殴る・蹴るなどの暴力的表現を排除しつつプレイヤーに爽快感を与えようとする工夫や、最終ステージの抜群の演出と共鳴し、忘れがたい印象をプレイヤーに残した。


 リメイク版では、PS2の性能を生かしグラフィックが向上しているのだが、あくまでも原作を尊重し、デザイン面に一切の変更がないあたり、好感の持てる作りである。たまにプレイし、往年の制作者の奮闘に思いを馳せてみるのも悪くない。
posted by Dr.K at 10:49| Comment(0) | TrackBack(0) | ゲーム百鬼夜行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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