2008年04月02日

神の左手悪魔の右手

 楳図かずおの「神の左手悪魔の右手」を読了。初めて見てから20年を経て、ようやくその全貌を把握した。

 私がまだ高校生の頃、待ち合わせ等で時間が空くと、よく本屋で雑誌を立ち読みした。ジャンプは「ドラゴンボール」「北斗の拳」など、激しいバトルものが中心。私には、あだち充や高橋留美子が主力で品のいいサンデーの方が性に合った。
Bnaxrhjp  でも実はサンデーには楳図がいた。たまたま開いたページが「神の左手悪魔の右手」だったときの恐怖は未だに忘れがたい。少女が髑髏吐いて苦しんでた。以来、サンデーに手を伸ばしたことはない

 今回、文庫版をそろえることで、ようやくその場面の前後を知ることが出来、昔の恐怖体験に決着がついた。
 やはりすごいマンガだ。通常、怖い話というのは、まずストーリーの流れがあり、その中に恐怖シーンが盛り込まれていく、という順序で創作されるのだと思うが、本作では明らかに逆。まず怖い場面の連続があり、それを繋いでストーリーを作る感じだ。
 第一話「錆びたハサミ」などは、1ページめくった瞬間に放り出したくなるが、もう見てしまっているので手遅れ。サンデーを買うのをやめる読者が続出しても不思議ではなく、一歩間違うと営業妨害? いや、怖いもの見たさでむしろ売り上げはアップしたのか。怖い場面までのタメが一切なく、それなのにちゃんと怖いことに唖然とする。
 第四話「黒い絵本」は、映画にも使われた傑作エピソード。絵の下手な〈パパ〉が娘のために殺人絵本を描く。楳図かずおは、非常に緻密な絵を描く人なのだが、この〈パパ〉による下手な絵のインパクトは見事だ。なお、エピソードの終盤に、〈パパ〉が何も描いてないページをめくって、絵本を読み聞かせる名場面がある。ここを読んで、鳥居みゆきの白紙で紙芝居をするピン芸を連想するのは私だけでいい。

追記: なんと、鳥居みゆきは楳図のファンだとか。この場面、本当にあの芸の元ネタかもしれんわ。
posted by Dr.K at 11:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック