2008年05月25日

猫目小僧

 先だって「神の左手悪魔の右手」をとりあげたら、「猫目小僧」を貸してくれる人が現れた。実にありがたい(笑)

 恐怖マンガというのは、本来なら日陰者のジャンル。ところが、「猫目小僧」の頃(1968〜69)は時代の方がどうかしていた。「ゲゲゲの鬼太郎」「妖怪人間ベム」「どろろ」が次々にアニメ放送され、空前の妖怪ブームだったのである。
_rzuobo0  そんな中、「猫目小僧」は今ひとつブームに乗りきれなかった雰囲気がある。
 小僧の生い立ちは鬼太郎に負けない設定がある。妖怪としての能力だって鬼太郎に負けてはいない。人に忌み嫌われる主人公としては、ベムに匹敵するところがある。
 しかし、楳図の興味はどうしてもキャラクターより恐怖そのものへ向かうようで、小僧が傍観者のポジションにとどまっている話が目立つ。その上、ハッピーエンドを描かないのだから、子供には受けなかったんじゃなかろうか。
 単行本では、60年代少年画報・キング版と70年代サンデー版が混ざっているので、作風に著しく統一感を欠くのも残念。
posted by Dr.K at 10:40| Comment(2) | TrackBack(0) | 手塚治虫 変容と異形 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
時代がどうかしてたって…ほんまですなぁ小僧かわいいんですけどね。仲間とか居ないしなぁでわこんどは河童の三平持ってきます!未読ならば。
Posted by ぐえん at 2008年05月26日 14:30
三平は水木しげるでしたっけ。水木しげるは、「幽霊艦長」くらいしか読んでないんで、またよろしくお願いします。
Posted by Dr.K at 2008年05月28日 23:10
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